ゲーム翻訳に「必要な作業」と その「順番」とは?【RPGツクール】
◆この記事で分かること
『RPGツクール』製ゲームの翻訳に必要な作業
作業の順番
◆翻訳の流れ
DLsiteでは以下の流れに沿って、ゲームの翻訳を行っております。
ゲームデータの準備
テキストの抽出
テキストの翻訳
テキストの組み込み
デバッグ
完成!
人気のゲームエディターである『RPGツクール』の中でも、近ごろ特に人気のある
『RPGツクールMV』『RPGツクールMZ』を例にしてご説明します。
1.ゲームデータの準備
まずは翻訳しなければならないデータをピックアップしましょう。
ゲームデータを準備します。
▼『RPGツクールMV』の場合
▼『RPGツクールMZ』の場合
フォルダがたくさん並んでいますが、翻訳しなければならないデータは以下の3つのフォルダに入っています。
- data:ゲーム内のセリフやアイテム名などの基本データ
- img:ゲーム内で表示させる画像データ
- js:外部プラグインのデータ
※『ツクールMV』の場合は
「www」というフォルダに上記のフォルダが存在しています。
2.テキストの抽出
ゲームデータを準備したら、次はテキストを抽出します。
「data」フォルダには、ゲーム内のセリフや
キャラクター名などの情報をまとめたJSON形式のファイルが入っています。
そのJSONファイルからテキストを抜き出せば、翻訳が必要なテキストを抽出できます。
▼ゲーム内で表示するテキストはJSONファイル内の「parameters」にあり、
これを翻訳したテキストに置き換えれば、
ゲーム内でも翻訳したテキストを表示することができます。
しかし、ファイルをひとつずつ開いてテキスト部分を抜き出して…
なんてことをしていると時間がいくらあっても足りないので、
ゲーム向けの翻訳ツールを用いて、機械的に抽出するのがいいでしょう。
本Ci-enでは、「Translator++」というツールを使った例を紹介いたします。
▼画像の場合
「最初から」「続きから」といった表示を画像にしているゲームは少なくありません。
ゲームを進行するために重要なUIや画像は、ローカライズする必要があります。
もちろん目視で確認・抽出が可能ですが、あまりにも枚数が多い場合は
「OCR(光学文字認識)」の技術などを利用して半自動化することも可能です。
▼プラグインの場合
「 js」フォルダにはJS形式のファイルが存在しています。
例えば
「ボイス音量」というデフォルトにはないオプション項目を追加した
実績(トロフィー)システムを導入した
など、プラグインを追加することでゲームの要素を強化している場合は、JSファイルにも翻訳が必要なテキストが記入されているので、抽出が必要になります。
このような場合でも、「Translator++」のようなツールによる抽出は有効です。
3.翻訳作業
必要なテキストを抽出したら、翻訳作業に入ります。
テキストをExcelなどのような表形式にし、各テキストの翻訳文を記入していきます。
画像の場合は、編集ソフトを用いて日本語テキストを翻訳後のテキストに差し替えます。
4.組み込み
翻訳が完成したら、いよいよゲームに組み込みます。
ここでも「Translator++」を使います。
翻訳作業で作業したエクセルファイルを読み込ませて出力ボタンを押すと
翻訳を反映したゲームデータを作ってくれます。
・出力前データ
・出力後データ
翻訳編集をした画像は、出力したゲームデータの「img」フォルダに上書き保存します。
5.デバッグ
出力されたゲームデータのデバッグを行い、ゲームに不具合がでていないか確認します。
セリフが枠からはみ出てしまったり、エラーが出ていないかなどをチェックします。
・文字が枠内からはみ出てしまっている
・エラーでゲームが止まってしまっている
不具合を見つけた場合
適宜、修正していきます。
6.完成
修正作業をし、不具合がでていないことを確認できたら完成です。
以上が、大まかなゲームの翻訳の流れになります。
◆最後に
今回はゲームを翻訳する作業の流れについて紹介しました。
次回は、ゲームからテキストを抽出する方法を紹介します!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。