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制作TIPSの記事 (65)

OKOME Sequencer 2023/11/12 22:26

Re:bible ~ぼくらの世界想像~ 反省会①「成功した目論見」

今回からいくつか回を分けて、今年無事公開をしたサウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会を行います。
今回は第1回「成功した目論見」について書いていきます。

はじめに 開会宣言

この度はサウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会会場にお越しくださいまして誠にありがとうございます。
反省会を始める前にしばし茶番にお付き合いくださいませ。

この会では上記サウンドノベルを制作し公開した上で感じたこと、良かった点、反省点を5つの記事にてまとめて発表するものとなっております。
反省会の目的は、このサウンドノベルを改めて読み返し、良かった点と今後制作する作品をもっと良くするためにはどうするかを模索するために執り行うものでございます。


当サウンドノベルは現代エンタメ作品と比べると、640x480のウインドウサイズ、20年前のようなセンスのUI、ほぼノープロット&設定を練り込まない非常にお粗末な作品となっており、更には自分の前身である「みゅみゅ」のエゴという毒を盛っているおまけつきで、とても万人受けするような作品ではありません。

しかし今書いたこと全ては自分の作品が不出来であるため貶すという意図は全くありません。むしろ自分としては敢えてこういう作りをして、結果「完成し、公開できて本当に良かった」と思いましたし「自分の現状で作れるベストの作品が残せた」と満足しているくらいです。
敢えてそういう作品としてこのサウンドノベルを制作し公開するに至ったのには大きな理由があり、それは自分が課してしまった6年前の呪いを解くこと、今後制作する新たなサウンドノベル「Revive Noah -Levolution-」に対して禍根を残したまま取り組むことのないようにしたいという願いがあったためです。

呪いと禍根に関してはこのサウンドノベルを最後まで読んでくださった方であれば、シナリオ内で散々お話したことなので理解頂けているかと思います。

もしまだ「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」を読んでいないよという方に関しては、こんな反省会会場からはおさらばして今すぐ当ノベルを読んでいただいた上でもう一度こちらにお越しくだされば幸いです。

なあに、4時間くらいで読了できるくらいのボリュームですのでそんなに時間はかからないと思いますよ。


……というわけで、サウンドノベル「Re:bible ~ぼくらの世界想像~」の反省会を始めていきます。
よろしくお願いいたします。


読了までの時間設定

さて、まず先程の茶番の中で4時間位で読了できるだろうという話をしたのですが、この4時間という数字は制作開始の段階で予め決めておいた読了までの時間設定になります、
想定した時間よりも短すぎてもいけないし、長すぎてもいけないボリューム感で作品を作るという目標がありました。


このノベルは自分の友人・知人やふりーむ!やCi-enで公開後に顔の知らない方にも遊んでいただき、いくつか感想も頂いたのですが、
読了までの時間はだいたい4~5時間前後であることが多かったようです。

つまり、想定した時間設定ドンピシャだったということ。


ちなみになんでこんな目標を立てたのかというと、シナリオの風呂敷を広げ過ぎないでキチンと適切なタイミング閉じるために、
「TVアニメの1クールの視聴時間内で読了できるボリュームで収める」という目標がありました。

ちなみにTVアニメの1クールの視聴時間は、4時間48分(OP、EDを毎話見た場合)なので、この4時間という設定は1作品として長すぎず短すぎずといういいバランスなんじゃないかと思っています。


ちなみに、以前Youtubeにオートプレイ動画を公開して総再生時間を調べたら6時間オーバーという数字になって反省しなきゃ……と思っていたのですが、全演出をスキップなしで見て(キャラ表示のフェードイン・アウトも含む)文章1段落ごとに少なくないウェイト時間があることを考えたらそりゃ長くなるわけです、
しかもあらすじ機能で時間かさ増しした上での数値なのでなおさら。


感情ジェットコースター

この作品、主人公である誠くんが最初はだいぶヤサグレながらも日常を過ごし、中盤ではだいぶ曇りに曇って落ち込んでしまうシーンがあり、そこから立ち直っていく様を描いています。
また誠くんに限らず桃華さん、澪音さん、昌也くんにも少なからず感情の起伏があるシーンを作り「ぼくら」4人に対して感情のぶれ幅が激しいジェットコースターを読み手にも感じ取れるような作りにしたいと思っていました。


このシナリオを描いたり、6年以上「Revive Noah ~ぼくらの世界創造~」誠くん達4人と対話をしてきた自分としては「感情ジェットコースターが機能するように描けたぞ!」と感じてはいるのは当然。
ですが、読み手は知ったこっちゃないなんて当たり前なので、自分の描いたものに「カタルシスの開放が足りない」とか「曇らせ方が足りない」と思われるかもしれないと不安でした。

しかし蓋を開けてみればそれは杞憂だったようで、自分とノベルを同時視聴した友人が「アーーーーーーー!!(高音)」と脳破壊っぷりをしてくれたり、
頂いた感想では「青春の明るい部分だけでなくエグみがあって情緒をかき乱された」「辛いシーンがあるけれど最後が良かった」と感じてくださったようなので「ああ、自分の描き方はうまくハマってくれたんだな」と一安心しました。

ただこの部分に関しては頂いた感想を読んで「もっとよくできるかもしれない?」やり方も見えてきたので、本番であるRevive Noah -Levolution-に活かしていこうかなと。
そのあたりに関しては反省会③についてくわしく。


挿入歌

これは完全に個人的な話なんですけれど、昔から自分のサウンドノベルに挿入歌を流したいという夢がありまして。
(自分が影響を受けた作品のひとつである「うみねこのなく頃に」の影響をバチクソ受けているのが原因)

今作ではフリーBGM提供サイトの魔王魂さまから
「ときめき☆ラビリンス」
「Feels happiness」
「still」
「シャイニングスター」

この4曲をお借りした上で、個人的に大事なシーンで使いました。

「ときめき☆ラビリンス」は誠くんとリーファちゃんがクリスマスデートをするシーン。
最近のアニメ映画でよく使われる、展開をダイジェスト形式で送りつつ挿入歌を流すというものを敢えてサウンドノベルやってみようという試みをしたシーンです。
曲の使い方と誠くんの心境がうまくハマっていい感じになりました。

「Feels happiness」は誠くんと桃華さんが抱き合うシーン。
6年前から描きたかったシーンの続きということで、盛り上がりをそこに込めたいと思って、かなり気合を入れて挿入歌を流しました。
だいぶハイ!になった状態で描いたシーンなので、ここは挿入歌なしのほうがグッと来るという意見もありましたが、今後似たシーンが出てきたときには冷静に熟考しよう。


「still」はインストverと合わせて2回使っており、もうすぐ海外に行ってしまう澪音さんを連れ戻すために行う作戦「ピースフル」の当日の朝、
澪音さんが海外に行く船の中で、誠くん達3人が彼女を探すシーンで使っています。

「still」の歌詞を見てもらえるとわかるのですが、まだ欠けてしまっている誠くん達3人が「行かないで」と澪音さんを探すところにあまりにマッチしすぎている歌詞なんですよね。
逆に澪音さんも澪音さんで、過去に囚われまくってしまっていて憧れを最後まで見せてくれなかった誠くんへの想いとこの曲の歌詞がマッチしすぎなんです。

魔王魂……恐ろしい子!!


そして最後のエンディングロールで使ったのが「シャイニングスター」
フリーBGMとしてお借りできる曲と知ってから「この曲をエンディングロールに使おう!」というのは決まっていました。ノベル制作の本当に最初の段階です。
元々この楽曲が好きで,この楽曲に寄り添ったストーリーにしてしまおうと思ったほどです。

そして出来上がったこのノベル。エンディングを自分で改めてみて「自分が一番上手くシャイニングスターを扱えたんだ!」と思ってしまったほど。
ある意味、夢がかなった瞬間でした。これ以上言語化ができません。


自分の話が一番長くなってしまいましたが、大まかに上手く行ったなと思ったところはこの3つでした。
次回は自分の好きなシーンについて。近いうちに記事を公開いたしますので、しばしお待ち下さい。

OKOME Sequencer 2023/11/08 22:14

ある作品のおかげでシナリオや設定についてよりまとめられるようになりました

10月の間、結構ガッツリある作品にどっぷり浸かりまして、そこで色々今後作ろうと思っている作品の設定資料やネタと照らし合わせました。
そしたらなかなかどうして、いい感じにまとまり、次回作の内容がしっかりとアップデートできました。

今回は勉強になった作品のタイトルに関しては隠させていただきますが、そのお話を。


あまり制作中の内容のネタは明かしたくはないのですが、一言だけ何をどうアップデートできたか言わせてもらうと、
「シナリオのゴールの明確化と、そこまでの道筋の簡略化」です。

少し前までは、これから構築しようとする巨大な世界観に対して「説明不足にならなければいいなぁ」とか「伝わらなかったらやだなぁ」といろいろと悩みが多い状態でした。
しかし、その作品を知るうちに「難しい設定でも難しく説明しなくていいのか!」「説明もここまで説明させればいいのか!」など色々と線引きが引けたのが良かったところ。

この線引きの具合が見えるようになったのはなかなか大きい収穫でして、プロットにどれだけ説明要素を組み込むべきかという具合が見えるようになったのは、読み手に対して「ちゃんとシナリオが進んでますよ」という流れを感じさせるように作れるようになるので、これがなかなか大きなところなのかなと感じています。

特にテンポに深刻な問題があるノベルゲーム、サウンドノベルというジャンルにおいては説明し過ぎは致命的な離脱の原因になりますから……。

またシナリオのゴールに向かおうとする話を作りやすくなったのも大きな収穫です。

自分の場合キャラクターに魅力を感じてどうしてもゴールに向かうのには関係のないサブストーリーに向かっていったり、
それこそサブストーリーがメインストーリーを食ってしまう状況もあり、その辺も困りどころでした。

ゴールまで向かう話に無駄があるとやっぱりダレてしまいますし、そこが改善できそうな兆しが見えたのは大きいです。
またメインストーリーのゴールにサブストーリーを組みこむやりかたも少しずつ見えてきたので、取り入れていきたいところ。

今回はたまたま勉強になったけど、ハマった結果「こんなの真似できねぇよ……」になることが多いのですが、1ヶ月、ガッツリハマってしまったけれどその分吸収できたことが多いのはありがたいことでした。

OKOME Sequencer 2023/11/03 22:55

11月の制作スケジュール

2023年11月の制作スケジュールのお知らせです。

色々とやることが変わったため、ガイドブック制作と作者実況・解説に関しては少し延期になりました。
なので来年1月に最終アプデ公開予定のゲーム制作の方に注力する形になります。

今月公開するものは、前々から予定していたRe:Bible反省会記事の公開になります。
もう執筆は始めていて、3つくらい記事を分けようかなと思っています。

結構公開したい記事も多いので、タイミングはいいところを見た上で急に公開するかと思いますがよろしくお願いします。

とりあえず今月も準備期間となってしまいなかなか時間がかかっている状態ですが、またお待ちいただければ……。

OKOME Sequencer 2023/10/25 14:54

制作において「3」という数字が好き

「3」

そんな多すぎず、少なすぎない数字。
制作をやっていると、いつもいつもこの3という数字を意識するようにしています。

例えばキャラクター。

学園青春モノを描くとして、主人公以外で主要人物(攻略可能なキャラクター)を何人用意するか。
自分なら3人です。

主人公を除く3人(含めると4人)という組み合わせは非常にバランスが良いと思っていて、
読み手からは覚えられるキャラクター数であり、カップリングとしても様々な組み合わせを想像することが出来る。

作り手から見ても、キャラクターの掛け合いはそれくらいがやりやすいし、シナリオの選択肢の幅が広がるのも主人公を除く3人だと思っています。
多すぎたら風呂敷が広がりすぎるし、少なすぎるとスケールが小さくなるので。

また、シナリオの描き方として三幕構成というものがあります。

アニメやドラマ、特に1本モノである映画で多用されている構成なのですが、どういうものなのかというと、物語を3つに分けてそれぞれ役割を与える構成方法です。

第一幕では設定。
主人公の目的や世界観の説明を行い、何を目的とする物語なのかを描く部分。

第二幕では対立と衝突。
主人公や主要人物に葛藤や試練を与えて、その試練に立ち向かう部分。
二幕の途中で、主人公は立ち向かった結果、敗北や挫折を味わうことが多いです。

第三章では解決。
第一章で提示した問題を主人公が解決出来るのか。目的を達成できるのかという答え合わせの部分。
ここで大事なのは、物語がハッピーエンド・バッドエンドどちらにしても、読み手を満足・納得させること。

ざっくりとした説明でしたが、この三幕構成の素晴らしさというのは、物語に必要な目的設定(セントラルクエスチョン)を設定しやすいこと。

主人公を身の回りを脅かす事件(ターニングポイント)や、作品内で最も重要なイベント(ミッドポイント)の明らかな設定タイミングが自ずと生まれる作り方が出来るので、起承転結形式で作る際に割と曖昧になりがちな「承」の部分が作りやすくなるメリットもあります。

ちなみに不格好な形になりますが、Re:Bible ~ぼくらの世界想像~もこの三幕構成を参考にして物語を書いています。

元々は起承転結で書いていたのですが、三幕構成に変えてからだいぶスッキリ書けるようになったと感じています。


他にも色々理由があるのですが、制作で「3」が好きな理由はこんな感じ。
機会があったら他の理由についても書いていこうかなと思います。

OKOME Sequencer 2023/10/24 21:36

Re:Bibleアップデート要素の新構想について

来年2024年の1月末公開予定のRe:Bibleアップデートでは大きな追加要素を用意しています。

その内容ですが、本編とは別に進行するアドベンチャー形式のゲームを用意しています。
そう、Revive Noah ~ぼくらの世界創造~で置いて行ってしまった、ゲーム要素をここに来て実装しようと考えております。

今まではシナリオを読むだけの一本道のサウンドノベルでしたが、この追加要素だけは選択肢によって大きくシナリオが変化する形になるので、ある意味自分の作品としては初の試みとなるので、色々試行錯誤するところもあるかもしれませんが是非お楽しみに。

元々は、Re:Bibleの誠くんの描いたぼくらの世界創造を追憶する話程度に収めるつもりでしたが、ちょっとそのやり方を変えて、誠くん達4人の小学校卒業~本編の様子をアドベンチャー形式で進行していく形で作っていきます。
(誠くんの描いたぼくらの世界創造に関してもその中に含まれる形)

最初の構想だと、ただでさえまあまあ重めのストーリーに加えて、誠くんの黒歴史大公開+自分の作品をズタボロに評価するという、暗いものに更に追い打ちを叩きつけるものになってしまうので「Re:Bibleとして用意していいモードなのか?」という疑問が前々からありました。

流石にそれはRe:Bibleという作品としては良くないなと言う判断から、みんなの過去話をアレンジしたアドベンチャーに変更しました。
まあそれはそれで暗い面は出てしまうのは避けられませんが、最初の構想よりはこの作品らしいものになりそうだな……という感じで作っておりますので、本当にお楽しみに。



ちなみに……Revive Noah ~ぼくらの世界創造~には構想倒れで終わった第3章~Mystery of the LEO~というものがありまして……。
今回の追加要素はその供養だったりもします。

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