エローン大君 2019/07/08 21:00

【大君VS外国人 3】浮かび上がった「Steamユーザの国際問題」& パブリッシングのその後

DLsiteのパブリッシング事業にまつわる私のしょうもない話、ラストの第3弾です。
「もしかしたらサークルとかからブーイング来て、DLsiteが態度変えるかもしれんから許してやー」
などとDLsiteを擁護しながらも、ふとTwitterで見つけたものからちょっとした疑問が生まれ訪ねてみることに。
それは「ネコぱら」がBOOTHでR-18版にするパッチを販売する、と言った内容のもの。

「有償パッチ(DLC)」と「地域価格」と

「ネコぱらって有償パッチだけど、今回の件と何が違うん?」

私が名前を挙げた「ネコぱら」は、Steam上でも物凄く好評なゲーム。
(恐らく)中国の方がわざわざ日本語を勉強してまでレビューを書いている塩梅で、どうも中国でもたびたび話題に出されるゲームな模様。
その一方で、Steamでは全年齢版を980円と安い価格で売る代わり、Sekai Project(Denpa Soft)では10ドル、日本では同じく980円で18禁DLCを売るという形式を取っていました。

この純粋な疑問に対し、最初にスレッドを立てた方ではありませんでしたが、彼の気持ちを代弁するかのような意外な発言が、他の方から出てきました。

>彼はNekoparaのパッチを別に販売してくれたSekaiを嫌います。
>くそー、彼が私のような国から来たかどうかを理解することができます。
>なぜならSteamの地域価格のためにRUR(ロシアルーブル)で買った、ゲーム本体自体よりパッチの値段の方が高くつくからです。(※意訳)

そこから滅茶苦茶長文が続いたので「めっちゃ早口で言ってそう」と思いましたが、Steamの地域価格に関しては非常に興味深い話だと感じました。
実際、最初にスレッドを立てた方はSekai Projectのことを嫌っていましたし、Steamのパブリッシャーに対する他の方々の印象が異なる、ということも若干気になっていたところなのです。

ネコぱらに関する4人の意見

とりあえず、この話題を出した後、私含めて4名の意見が出ましたので、それぞれ言い分を簡単にまとめますと

【私】
ぶっちゃけDLsiteの方針がアレなだけで、開発者は自由にパブリッシャーを決めていいわけだし、逆にパブリッシャーは必ずしも西洋の慣習に従う必要は無い(=無償パッチ配布に縛られる必要はない)と思う。

【スレッドを立てた人】
とにかくDLCは詐欺です。

【西洋の人】
Sekai Projectが完全版と分けて販売するのは嫌い。
だって、完全版が欲しい人が犠牲になって、規制版で満足している人が得をするのは不公平じゃないか。

【ロシアの人】
ストーリーのためにネコぱらを購入し、その中に性的なものがあることに驚いた人が本当にいる。
例え完全版を買って性的要素を無効化できるとしても、その人達は完全版分のお金を払いたくないと思う。
貴方達は西洋とかだからいいけど、ロシアだとネコぱら本体が4ドルでR-18パッチが10ドル本体価格が15ドル(※Steamのロシア価格だと安くなる)でR-18パッチが5ドルなら貴方達は良いでしょ。何でロシア人はパッチに本体価格の2倍払わなきゃいけないんだよ。

という感じに。ネコぱらを話題に出した瞬間に流れが変わったのは解せぬ。

Steamにおいてロシア価格は安いということは知っていましたが、「パッチをロシア人がドルで買う形になると本体よりも物凄く高くなる」というのは目からうろこでした。
ロシア価格が安い理由うんぬんの話などは諸説ある(海賊版が多いとかパッケージ版が安いとか色々)ので置いておくといたしまして、純粋なロシア人の方にとっては有償パッチって物凄く辛い代物だったのですな。抜け道とか全く無いもの。
こういう生の声が聴けただけで凄く有意義な気持ちになりました。あと、スレッドを立てた人は詐欺の一言で断じるな。

外部での有償パッチ販売はSteamユーザの国際問題

様々なパブリッシャーからサークルさんの作品が出る。
もしくはサークルさん自身がSteam Directを使って自分の作品を出す。
(物凄く理不尽な時がありますが)Steamの表現規制がある程度緩くなってからは、様々な形でゲームを出すことが出来るようになりました。
ちなみに、現状でもやはり「無償でパッチを当てる」という今までの形式が多いです(まあそりゃあ……うん、ね)。

表現規制が緩くなる前に行われたこの議論の中で、浮かび上がってきた「有償パッチ」にまつわる問題は、今でも私の心に深く刻み込まれています。
DLsiteではドルかユーロベースでしか買えないので、ロシアの方は間違いなく高く買ってしまうことになる。
元々Steamでは「おま値」と言って、日本だけやたらと高い(※地味にアメリカも同じくらいの値段だったりする)なんてことが周知されていましたが、外部での有償パッチ販売も含めると、R-18作品を扱うにおいてどのような販売方式を取るかは「Steamユーザの国際問題」レベルできちんと考えておいた方がいいのだろうな、と感じました。

では、ちょっとオチとして、その次にDLsiteがパブリッシャーとして出したR-18作品の話。
今回はきちんとDLsite公式サポートがいる状況なのでユーザも安心
販売される前も「あんたのとこの翻訳は素晴らしいよ!」などとコメントで書かれ、販売した暁には売れに売れまくるように思われました。
が、販売時はやはり有償でのパッチ販売ということで、物凄い勢いで不評が付き「ほぼ不評」レベルまで落ちたことは、非常に印象深く頭に残っております。
コメント欄に謎のURLや数値が貼られる様を見て、「だからあんなに言ったのに」と心底思いました。

ちなみに、結果的にはDLsite側が折れ、もちろんモザイク有りですが、無償のパッチを提供する形となりました(※それ以後の作品も同様、特設サイトもあったりします)。
でも、どうして一番最初に出したR-18作品には無償パッチを用意してくれないの……?評価、まだこの騒動のせいで賛否両論なんだけど……。

また、今回の「無償でモザイク無しのパッチくれ!」というスレッドを立てた人が、「きちんとエロあんの……?」とコメントに書いているのを見て、「多分無いと思うよ……」と書こうと思いましたが、お互い悲しくなるので書くのを止めておいたことも付記しておきます。
昨日の敵は今日の友。

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