いらにか 2024/09/04 21:25

【雑記】会話の思考はシーンに依存している説、それがTL精神汚染の要因?【メディア性質論】

前々からTwitter(現X)のタイムラインに(相手は悪くないけど)不快なポストが流れてくる現象について、個人的に「タイムライン精神汚染」と名前をつけて色々と原因を考えたりしていた。



一応、僕の環境ではTwitterのセーフティーフィルター設定をONにしていて、センシティブなR-18画像やグロ画像は基本的に自分で画像を開かない限り閲覧できないようにしている。
僕の性格上、公序良俗的に閲覧に場所を選ぶようなセンシティブな情報(エロ画像等)を不適切なシーン(例えば外出先のショッピングモール等)で摂取してしまうことにイラッとしてしまうので、事故を避けるためにもフィルターを自主的にONにしている。
アダルト系のリポストが多いフォロワーもリポストをOFFにしていることが多い。


なので”基本的”にはタイムラインにセンシティブな画像が強○表示されることはあまりない。
ただ、完璧には防げていないので稀にフィルターを貫通してセンシティブな画像が流れてくる。



一応誤解のないように前置きするが、「そういうポストをするな!」と言いたいわけじゃない。
僕だってTwitterでエッチな画像みたいときがるので、好きなエロ漫画家さんをフォローしてたりする。
Twitterの規約に違反するようなポストでない限り、そういうポストに罪はないし、センシティブフラグをちゃんとつけてくれている人もいるので、情報を取得する側(自分)が不快にならないようタイムラインを設定・構築することが望ましいと思っている。
SNSは自己防衛が基本だ。


ただ、少し前からある疑問を感じていた。


なぜ投稿を読む時のシーン(状態)で、そのポストに対する好感や嫌悪感が違ってくるんだろうか?


情報を摂取するときの精神状態によって、反応が違ってしまうのはよく知られている。
それがSNSだと顕著に現れているような気がする理由はなんだろうかと考えていた。


それについてひらめいた仮説がある。

まず前提として、人の会話時の思考はシーンにも依存していることを理解してもらわないとけない。
※理解している人は読み飛ばしていいです

会話の思考はシーンに依存している仮説

僕がこのことを学んだのは学生時代に人に近い会話Botを作ろうとした時のこと。
より人に近い思考をトレースしようと思った僕はフレーム問題に悩まされた。

このフレーム問題をざっくり説明すると、「状況を”深く”理解して行動しようとすると考慮すべき事項が多すぎて可能性が無限に発散するため、計算機では演算できなくなる」という話。
これは人間にも起こる問題で、状況を深く理解しようとすればそれだけ時間がかかる。
ただ、人間には「妥協」のような割り込み処理で計算を途中で終わらせることができ、その時点でのベターだと判断した行動を取ることができるので計算が無限に終わらない状態にはならないと考えられている。

ここですごいのは、人間は会話において相手の言葉から瞬時に状況を理解して自分の言葉を導き出しているということ。
しかも、ほぼ無意識のレスポンス速度で会話をしている人が多いのではないだろうか。

当時学生の僕は「なぜ会話で瞬時に結果を出力できるのか?」が疑問だった。
そこで導き出した仮説が「シーンエンジン」だった。
人間は脳の演算エンジンをシーン別に切り替えることで、その状況にあった最適な思考判断ができるようになっているのではないか?という仮説で、今風に言うなら学習モデルを利用シーンごとに切り替えているようなイメージだと伝わりやすいかもしれない。
それまで、自分の思考は1つのモデルであると思っていたが、よくよく観察してみると仮説は結構いい線なのではないかと思った。
なので汎用的な会話モデルよりは、シーンを限定することで、軽量かつ良質な会話モデルが作れると思って、「バレンタイン前日に彼女と喧嘩してしまったのでどうにか仲直りしてチョコをゲットしたいシーン」というギャルゲみたいなアホ設定で同級生の力を借りて、マンパワーで会話パターンを作り込んだ人工無脳を作ったのだった。

この会話パターンを作り込んでいて一番おもしろいと思ったのが、このシチュエーションだとシーンにそぐわない発言は一蹴しても会話が成立するという点。
喧嘩していて怒っている=理性を多少失っている状態で、関係ない話をしようとすると大抵の人は「いまそんな話してないよね?💢」と反感を覚えるはず。
シーンに関係ない話=シーンを転換させるような話題をキャンセルすることで、シーン固定ができるという点が非常に面白いなと思った。


そして「シーンに関係ない話=シーンを転換させるような話題」というのが今回の本題につながってくる。



【本題】SNSでタイムラインを見ている時、我々はどういう状態(シーン)なのか?

長い間、人のコミュニケーションは対面が基本だった。
そして会話には、トークテーマという話者間に共通した前提事項があった。
共通したトークテーマがあるからこそ、話者同士は相手の言葉に備えることが出来た。
インターネット掲示板でも、スレッドタイトル(スレタイ)がトークテーマの役割を果たしていたと思う。
つまり、会話においてシーンを(ある程度)固定することができた。


では、Twitterのタイムラインはどうか。
人によっては趣味別にアカウントを使い分けて、タイムラインをコントロールしているかもしれない。
そういう人は「この趣味(シーン)の話題」としてタイムラインを見ることができるので、投稿を読む時のシーンが定まっていて基本的に同じシーンモデルで思考・会話をしている可能性がある。


対して、趣味別に分けていないようなフォロワーが様々なトークテーマでポストしているタイムラインの場合、投稿を読む時のシーンモデルが定まっていないのでは無いだろうか。
つまり、ポストのトークテーマごとに異なるシーンモデルで思考・会話をしている可能性がある。
リアルに比べてインターネットは状況に関する情報量も少ないため、もしかすると、シーンモデルを適切に切り替えられないまま、投稿を読んで思考している可能性がある。
リアルでも会話のトークテーマが急に切り替わったとき、思考が追いつかずに混乱することはないだろうか?もしくは、誤解したまま話がアンジャッシュ状態になることはないだろうか。
こういう状態がタイムラインを見ている時に発生している可能性がある。


僕の場合、現実のシーンモデルをそのままタイムラインに持ち込んでいる可能性があり、公共の空間(シーン)でタイムラインを見た時にNSFWな画像が強○的に表示されると、公共空間のシーンモデルが強い嫌悪の反応をしている可能性が高い。
逆に寝る前のオフモードな状態で、NSWFな画像が強○的に表示されるとオフモードのシーンモデルではあまり嫌悪しないように思う。


この仮説を元にすると、例えば見る時間帯等によってタイムラインに流すユーザーを制限するだけでも(事故的な)嫌悪や不快感を軽減できる可能性がある。
もっと高度なアイデアとしては、スマホの位置情報などで「家にいる時」「公共施設」「職場」「電車の中」などリアルの状況(シーン)にあわせてタイムラインを構成できたら面白そうだと思ったところで気づいた。


これ、広告と同じ考えじゃん。




「ターゲット」に「適切な環境」で「効果的な情報」を宣伝すること。
言い換えれば、ターゲットの置かれた状況での思考(シーンモデル)をイメージして、効果的だと思う情報発信をすることが(事故的な)嫌悪や不快感を軽減する方法なのかもしれない。
そう考えると、ターゲットのシーンモデルが推察しにくい状態のタイムラインで、プロモーションすることは(事故的な)嫌悪や不快感につながってるのではないだろうか。
※もしかするとTwitterのプロモーションに嫌悪感覚える一因になってるかもしれない


そう考えると、SNSで見ている人が多いと言われる時間帯でもターゲットのシーンが推察しにくい場合では上手く刺さらない、もしくは真逆の反応になってしまうリスクもあるのではないかと思った。
もちろん、このプロモーションの仮説には穴が多くあるので有効性は怪しいが。




ただ、タイムラインにおけるシーンモデル問題は個人的に結構当てはまるので、時間帯やシーンごとにOKなユーザーリストを作ってホームTLの代わりに利用するのを検討してみようと思った。


やはり、メディア特性論に関する思考実験は面白い。

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