500〜1000枚で1100円！！
今回はゲーセンに訪れる次なるピンチ、お金のはなしだ。
キーワードは銀行・両替・硬貨だな。
ゲーセンと銀行のはなし
まあ、パッと思いつくのは借り入れですか？
ってはなしだと思う。
オヤカタは体がカスだから借りられねえ。
民間の保険も入れないし、自動車ローンも蹴られる。
賃貸住宅も保証人を2名立てないと……。
そんなわけでリバース自体はオヤカタに投資してもらって、
そのお金で借りて建ててるんだ。
自己資金もぶっこんでるけどね。
でも、そんなこっちゃない。
もっと身近なゲーセンと銀行、そしてお金のはなしをしたいんだ。
硬貨必須のゲーセン事業
ゲーセンって、硬貨を入れるから楽しいんだよな。
少なくともオヤカタはそうだ。
リバースの修理工房にある筐体に、
大好きなゲームを入れても「ちっとも」やる気が起きない。
グレート魔法大作戦は相変わらずリバース店内に
ポケットマネーを入れて遊んでるんだから世話がない。
で、最近はキャッシュレス化だなんだといって
硬貨を減らそうって流れになっている。
そのせいでゲーセンはダメージを負いはじめている。
大手ゲーセンであればキャッシュレス決済機なんてものを
導入するのかもしれないけれど、中小では不可能だ。
すべての筐体にそんなものを入れていると、
相当のインカムが吹っ飛んじまう。
ましてや手数料も取られるし、現金で遊ぶプレイヤーの足も遠のく。
そこでよく対案として出されるのが、オリジナルのメダルや
トークンで運用しようというものだが、これも難しい。
1000円で10枚メダルが出て、それで遊べますってことにするにも、
やはりコイン投入のセレクターって部分を改造することになる。
手間もそうだけれど、1台数千円という話になってくるんだ。
さらには、メダルのサイズって大抵決まっていて、
パチスロ用の25や30、それより小さい23とあって、
他店で使われているメダルが使えちゃったりするんだよね。
みんなも見たことないかな？
メダルゲーム、特にメダルを押して落とすような
プッシャー機で目につくことが多いんだけれど、
セ◯のゲーセンなのに、ナ◯コのメダルが混ざってるとか、
近所のパチスロ屋のメダルが……っての。
これってお店にとって丸損なわけだから防犯上もよくないし、
他店のメダルを選り分ける作業は苦痛でしかない。
さらには、小規模な店なら両替後にメダルを使い切らずに持ち帰る
ということが起こると、メダルを再鋳造しなければならない。
この調達費もかかるし、両替回数＝売上にならないから
売上管理が難しいってことにもなってくる。
頭の痛い問題だよね。
そこで発案されるのが「フリープレイ方式」だ。
ゲーセンじゃなく、ゲームミュージアムってヤツだな。
博物館のように入館料、入店料を頂戴する方法だ。
でもこれって一見さんはお断りなんだよね。
入店料が1000円、2000円で遊び放題になるわけだけど、
どんな店かわからない状態で払って入るのは難しいよね。
また、対戦相手がいないかもってときには入らないって選択肢が出る。
となると、超常連、完全身内だけのゲーセンになるってことだ。
東京なんかにある一時のイベントスペースでの運営なら
これでいいんだけど、リバースにはちょっと馴染まない。
リバースは地域の人間の交流の場、なんていうとカッコつけだけど、
そもそも田舎には遊ぶ場所があまりないから、
ヒマなときに寄れる休憩所にしたいって意図があるからさ。
身内だけで完全に固まってるのは望ましい形じゃないんだ。
悩ましいね。
ジワジワとしのびよるダメージ
キャッシュレスで小銭を持たない時代がくると、
当然全国のゲーセンは売上減になるだろう。
国際線のラウンジにガシャポンが大量に並んでいるのは、
訪日外国人が小銭を使い切りたい（両替手数料もったいない）からだ。
そういう使っちまうか〜って軽いきもちが抑制されれば、
ゲーセンのライトなユーザーは特に、ヘビーユーザーでもかなり、
遊びにくくなると思う。
また、先の画像のようにゲーセンはみんなから預かったインカムを
お店の口座に入金して記帳するってところも多いはずだ。
管理が圧倒的に楽になるからね。
すると、その都度高額な「硬貨取扱料」と「入金手数料」を
別個にとられちまう。
しかもゆうちょ銀行がはじめたのは硬貨の取り扱いだけで
下記の金額ちょうだいしますってヤツだから始末が悪い。
500〜1000枚の入金で1100円、以降500枚ごとに550円加算
毎日のことになれば、たかが1100円、2200円でも、
月で3〜6万とかだ。
あ、リバースはそんなにインカムないから
毎日入金したりしねーけど（恥ずかしい）、
やっぱり週に1度くらいは1100円取られるわけだ。
月に5000円〜だろう？ 馬鹿にならねえぞ！！
こんなことにみんなから預かっているインカムを浪費してたら
店頭に立てねえよ。顔向けできねえ。
まだまだ基板が欲しいから、がんばって支えます！
なんていってもらってるのに、オヤカタが丼勘定で
鍋底に穴の開いたような商いをしていちゃいけねえ。
いけねえんだけど、本当に厳しい事態だよね。
ゲーセン以外でも商店主とかは苦しんでるんじゃないかなあ。
ゲーセンは50円、100円だけれど、1円、5円なんてなってくると、
501円ぶんの1円玉を入金すると、1100円取られるんだもんね。
差し引き599円の損失ってこった。
……（こんらんしてきた）
さらには「両替」の問題もある。
売上を入金する一方で、両替機に入れる100円玉も必要だからだ。
つまり、棒金とかでゲーセンに持ってこなきゃいけない。
これにだって手数料はかかる。毎日1000枚、2000枚と必要なら
結構な金額が流出する。
業務両替なんかをされてガッツリ減らされると、それで何千円、
何万円って単位で損失になることもあるだろう。
そりゃあピリピリもするよなぁ。
今後は硬貨をたくさん持ってきてもらっても、
逆にたくさん持ち帰られても、ゲーセンにはダメージになるってことだ。
これはね、ゲーセンの人間に取って生き地獄だと思うよ。
なぜって、プレイヤーを監視するようなテンションになるからだ。
善意で硬貨をたくさん持ってきてくれる人も、
両替しすぎちゃったって人も、
どちらにもニラみを利かす店員が出てくると思う。
表情や態度に出さなくてもね。
そして、そういう店員、店長は、
「どうして遊びにきてくれる人をニラまなきゃなんねえんだ！」
って葛藤すると思うんだ。
その昔、世紀末リーダー伝たけしって漫画があったけどさ、
「猜疑心」だよな。
こんな最悪の心を植え込む外道ども……
とかいうセリフを思い出したよ。
人間、苦しいだけなら耐えられるんだ。
孤独なだけでも耐えられる。
でも、人と上手くいかなくなったり、
信じられなくなったら厳しい。
キャッシュレスになって、金・金・金の世の中じゃなくなるなら
みんなもよろこぶことだろうさ。
しかし、実態は真逆だ。
より一層、カネに執着しなきゃいけなくなる。
オヤカタはお金をたくさん持っていたいとは思わないから、
手元にきたら居心地悪くてすぐに手放しちゃんだけれど
（それでいつも怒られるけど）、だからといって
お金を稼ぐことも、使うことも悪いことだとは思わない。
でも、このキャッシュレスの流れは経済効率とかいう
見かけは綺麗なオトナの言葉で、もっと懸命に走れと
ケツを叩かれてるような気がしてなんねえ。
結局、さらに大きなカネ・カネ・カネの競争に巻き込まれて、
キャッシュレスで煩わしい小銭とおさらば！ だとか、
もっと人間らしい仕事や暮らし、自由が手に入る！
とはならないんじゃないかと思ってる。
稲作も車もインターネットもそうだけど、
便利になったら楽になるとは限んねえもんな。
まあ、進歩の否定まではしたかないんだけど、
進歩の結果、ほとんど全員が不幸になる競争ってのはねぇ、
トータルで損なんじゃねえかとは思うよ。
ま、こんな哲学な話題はよそに任せるとしてだ。
経済効率のために徐々にしめつけて、
現金商売をギブアップさせるのがゴールなのかもしれないけれど、
これはなかなかの○問だぜ。
ゲームの故障やトレンドの変節、若者人口の減少といった
ゲームにまつわる事柄以外から、とんでもない刺客がやってきた。
この怪物をやっつけるにはどうしたらいいものか。
まだまだ頭を捻らなきゃならねえな！！
