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シャルねる 2023/12/28 08:09

13話:吸血鬼の文化?

「えっ、せ、セナ? な、なんで舐めたの?」
「ご、ごめんなさい……」
「あ、いや、別に大丈夫だけどね?」

 セナが謝ってくるから、私はそう言った。
 普通に噛んで血を吸われるだけだと思ってたから、びっくりしただけなんだから。

「吸血鬼の文化とか、私は知らないからさ。何かするなら、先に言っといてくれると、嬉しいかな」

 私は次から、予想と違うことが起こってびっくりしないように、事前に教えてくれるように頼んだ。

「ぶ、文化、ですか?」
「え……うん。何か、吸血鬼的に、舐めなきゃいけない何かがあったんじゃないの?」

 思わずといった感じで、そう聞いた。
 だって、そうじゃないんだとしたら、舐められた意味が分からないから。

「あ、はい! 文化です! 吸血鬼の文化です!」
「うん。そうだよね」

 まぁ、分かりきってた答えだけど、聞けてよかったよ。
 
「それで、もう血を飲むの?」

 飲まれるのなら、心の準備をしておかないと。痛そうだし。
 牢屋では指だったし、状況が状況だったから、痛みなんて考えてる暇がなかったけど、今は結構落ち着いてるし、普通に首元は痛そうだしね。
 まぁ、多少痛いくらい、セナの為と思えば全然大丈夫だけど。

「も、もうちょっとだけ、舐めていいですか?」
 
 セナは顔を赤らめながら、遠慮がちにそう言ってきた。
 いくら文化で仕方ないとはいえ、舐めていいのかを聞くなんて、恥ずかしいよね。
 ……だから、最初舐められた時は聞かれなかったのかな?

「うん。もちろんいいよ」

 私の返事を聞いたセナは、すぐに私の首元を舐めようとしてきた。……それを私は避けた。

「や、やっぱり待って」

 だって、大事な事を思い出したから。

「せ、セナ……わ、私臭くない?」
 
 そう、昨日は水浴びすらできてなかったし、今日もまだ、体を拭いてない。……絶対に臭い! 今の私を舐められるのなんて、流石に恥ずかしすぎる。
 ……いや、セナに拭く前に血を飲みたいってお願いされたから、拭いてないんだけどさ。……舐めるなんて聞いてなかったから……

「私はマスターの匂いだったら、どんな匂いだって好きです!」

 セナはそう言いながら、私の首元を有無を言わさずに舐めてきた。

「あっ、ちょ……」

 う、嬉しいけどさ! 答えになってないし。
 それに、そういうことをする時は、事前に言ってって言ったばかりなのに、何も言わずに舐めてきたし。

「ますたぁ……」

 セナは私のことを呼びながら、体をくっつけてきて、私が逃げられないようにしながら、痛くない程度にギュッとしてくる。
 
「せ、セナっ……」

 私は首元を舐められ続けて、力が抜けてきたから、体をセナに預けた。

「ますたぁ……美味しいです。好きです……大好きです……」
「まっ、だ、飲まないのっ?」

 声が少し高くなってしまいながら、聞いた。
 すると、セナが私の首元を噛んだ。……それを理解した瞬間、私は思わずセナの背中に腕を回して、抱きついた。
 ただ、首を噛まれたはずなのに、全然痛くなかった。

 セナはチュウチュウと音を立てて、私の血を吸っている。
 指の時はこんな音立ててなかったから、わざとなのかもしれない。
 
 そして、セナはしばらく私の血を飲むと、私の首元から口を離した。
 飲み終わったはずなのに、セナは私に抱きついたまま離れない。……それどころか、息も荒い気がする。
 そういえば、牢屋の時も、息が荒かったような……

「セナ、大丈夫?」
「は、い……だい、じょうぶです」

 全然大丈夫じゃなさそうな声で、セナはそう言った。

「ほ、ほんとに大丈夫なの?」
「は、い……このまま、ますたぁに、くっついてれば、大丈夫です」

 …暖かいし、セナがくっついてる分には全然いいんだけど……体を拭きたいから、少しでいいから離れてくれないかな?

 私は体を拭く時だけ、セナに離れてもらおうとしたところで、やめた。

「ますたぁ、ますたぁ、ますたぁ……」

 セナが体を私に押し当てるようにし、とろけるような声で 私のことを呼び続け始めたから。

「せ、セナ? 今日は、もう寝よっか」

 何となくだけど、今のセナに肌を見せるのはマズいと思った私は、セナとベッドに移動して、布団に一緒に入った。
 息が荒く、何かを我慢しているような様子のセナを布団の中で抱きしめながら、私は目を閉じた。

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シャルねる 2023/12/27 08:08

12話:夕食

 宿も取れたということで、私たちは夕食を食べに、お店に来ていた。

「セナは何を食べる?」
「私は大丈夫なので、マスターが食べてください」

 ……いやいやいや、いくら私でも、それは無理だよ。
 だって、私何もしてないんだよ? セナが働いて稼いでくれたお金で、私だけ夕食を食べて、セナが食べないなんてありえないでしょ。

「大丈夫ってことないでしょ。食べないと」
「マスター……その、私の種族を思い出してください」

 セナは小声で、他の人に聞こえないように、耳元でそう言ってきた。
 耳元で話されて、変な感じになっちゃったけど、それを無視して、私はセナの種族を思い出す。
 そっか、吸血鬼だもんね。……食べられないのか。

「そういうこと」
「はい。そうです。……それで、なんですけど……もし、マスターがよろしければ、後でマスターの血を飲ませてくれませんか? ……あっ、だ、だめなら大丈夫ですから!」

 セナは遠慮がちに、また耳元でお願いしてきた。
 
「もちろんだめなんかじゃないよ。部屋に行ったら、飲んでいいからね」
「は、はい!」

 だめなんて言うわけが無い。
 セナのおかげで私は今、夕食を食べられるんだから。

「じゃあ、私だけ頼むね」

 そうセナに言ってから、私は適当な料理を頼んだ。
 その際、私の分だけを頼むのを、怪訝そうな目で見られてしまった。
 あの人の目で気がついたけど、事情を知らない人から見たら今の私ってかなり性格が悪いよね。セナの前で私だけが夕食を食べるんだから。
 い、いや、他人の目なんて気にせずに、食べよう。

 そう思った私は、怪訝な目で見られながら、夕食を食べ終えた。
 そして、その間セナは、私の食べている所を幸せそうに見ていた。
 ……正直それが一番恥ずかしかったかもしれない。





「美味しかった」

 私はそう言いながら、宿の借りた部屋に入った。
 そして、部屋に入った私は、宿屋の人に貰ったお湯が入った入れ物にタオルを入れ、タオルをよく絞ってから取り出す。

「セナ、私が体を拭いたら血を吸っていいからね」
「あっ、ま、待ってください!」

 服と下着を脱いでから、そう言って私が体を拭こうとしたところで、セナが妙に顔を赤らめながらそう言った。
 
「どうしたの?」

 私は手を止めて、そう聞いた。

「あ、えっと……拭く前に、飲みたい、です」

 セナは耳の先まで真っ赤にしながらそう言った。
 いや、まぁ私としてはいいけど、そこまで恥ずかしがることかな? ……吸血鬼的には恥ずかしいのかな。

「いいよ」

 能天気にそう考えた私は、指をセナに向けながら、そう言った。
 あの牢屋で飲まれた時と同じ感じだよね。
 あの時はまさかセナが吸血鬼なんて思わなかったなぁ……そもそも、セナがこんなに強いことすら知らなかったし。

「あ、あの、マスター……」
「ん? 飲まないの?」
「あ、あの時は緊急だと思ったので、指から飲みましたけど、ほ、ほんとは……く、首元から飲みたいです……」

 セナは更に顔を真っ赤にさせながら、言いにくそうにそう言ってきた。
 まぁ、私的には、そうなんだって思うだけだ。

「うん。いいよ」

 私は、首元の髪を退けながら、そう言った。

「あ、後ろ向いてた方がいい?」
「い、いえ、そのままで大丈夫です」

 セナはそう言いながら、私に近づいてくる。
 私は少し痛いのを覚悟して、目を閉じた。

「ひゃっ」

 すると、首元をセナに舐められた。
 噛まれて痛いのを覚悟していた私は、びっくりしてそんな声が漏れてしまった。

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シャルねる 2023/12/26 08:06

11話:嫌なわけないから!

「えっ、も、もう狩って来たんですか!? あ、でもそうですよね」

 ゴブリンの耳を持って、ギルドに戻ってきた私たちは、受付の人に、依頼を終えたことを伝えた。もちろんゴブリンの耳が入った袋を渡しながら。
 すると、受付の人は最初は驚いていたけど、何故か直ぐに納得した様子を見せた。

 ……? この人から見たら小娘二人なんだから、ずるいことをしたとか疑ったりしないのかな。
 ……んー、まぁ、ずるいことなんてしてないから、私たちとしては良いんだけどさ。

「依頼の達成、確かに確認しました」

 そう言って、受付の人は報酬の銀貨二枚を渡してくれた。

「……セナ、もう少し依頼、受けれそう?」

 今の私たちの全財産は銀貨一枚とどうか四枚。……一晩くらいなら、安宿で泊まることが出来ると思うけど、衛生問題とかがあるし、そもそも夕食を食べるだけでなくなっちゃいそうなくらい心もとない。
 だから、私はまだセナが疲れてないかを聞いた。
 もしセナがキツそうなら、全然安宿でいい。私はどうせ何も出来なくて、セナに頼りっぱなしなんだから。……セナにはなるべく無理をさせたくない。

「はい! 私はまだまだ大丈夫ですよ!」

 そう言うセナに疲労の色は見えない。
 だから私はそんなセナに甘えて、依頼を受けた。




「セナのおかげでかなり稼げたよ」

 あれから何個か依頼を受けて、今の手持ちは銀貨四枚と銅貨四枚だ。

「マスター、私はまだまだ依頼を受けれますよ!」
「セナの気持ちは嬉しいけど、もう暗くなってきてるし、宿を取って一緒に休も?」

 セナが働いてばかりで、私は全然働いてなんてないから、一緒に休む必要なんてないんだけど、私だけじゃ何も出来ないし、仮にできたとしてもセナは私が働いてたら休んでくれないと思う。だから、一緒に休もうと誘った。

「ま、マスターと休む……ふへへ」

 セナは私にくっついて来て、だらしない笑みを浮かべた。
 ……う、うん。まぁ、セナはいっぱい働いたしね。そんな感じに顔が緩むこともあるよ。
 まぁ、そんな顔でも元がいいから、可愛いんだけどさ。

「あ」
「どうしましたか?」
「いや、宿の場所を聞くのを忘れたと思って」

 冒険者ギルドの時は、セナのおかげで何とかなったけど、流石にセナでも宿の場所は分からないもんね。
 
「あそこじゃないですか?」
「あ、ほんとだ。石の宿って書いてある」

 石で作られてるわけでも無いのに、石の宿って言う名前のセンスはどうかと思うけど、まぁなんでもいい。
 外から見た感じ、そんなに汚いようには見えないし、普通にいい宿かもしれない。

「入ってみよっか」
「はい!」

 そう言ってセナと私は、石の宿に入った。
 うん。中もちゃんと掃除がしてあって綺麗だね。……後は部屋の中だけど、見せて欲しいと言ったところ、断られた。
 怪しくない? ……もしかして汚いのかな。

「マスター、この宿はちゃんと掃除が行き届いていますよ」

 セナがそう耳元で言ってきた。
 なんで分かったのかは分からないけど、セナがそう言うのなら、大丈夫だと思う。

 そう思った私は、一泊いくらかを聞いた。
 すると、一人部屋で銅貨八枚、二人部屋で銀貨一枚と銅貨二枚だと言われた。
 私は普通に二人部屋を借りようとしたんだけど、セナに止められた。

「マスター、一人部屋にしましょう」
「? お金ならあるよ」

 セナが稼いでくれたお金だけどさ。

「で、でも、節約出来る分は節約した方がいいと思うんです! 私とマスターなら、一人部屋のベッドでも、ふ、二人で眠れると思うんです。……も、もちろんマスターが嫌……なら、私は、床で、寝ます……」

 セナは言葉が終わるにつれて、声が小さくなり、目から涙がこぼれ落ちそうになっていく。
 そんな顔されて嫌なんて言えるわけない。そもそも、嫌じゃないし。

「嫌なわけないから! すみません。一人部屋でお願いします」

 だから、私は慌ててセナに嫌じゃないことを伝えながら、一人部屋を借りた。

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シャルねる 2023/12/24 08:05

10話:どれだけ過保護なの!?

 ゴブリン討伐の依頼を受けた私たちは、森の中に来たんだけど……魔物どころか、動物すら現れない。

「……セナ、魔物が出てくるように、セナのオーラ? って言えばいいのか分からないけど、抑えられない?」
「……ごめんなさい。これでも抑えてる方なんです」

 セナは申し訳なさそうにそう言う。
 まぁ、それなら仕方ないよね。……でも、どうしようかな。……セナが居なかったら当然魔物は寄ってくると思うけど、セナが居ないと勝てないんだよね。

「セナ、ゴブリンの位置とか分からないの?」
「それは分かります。でも、近づくと直ぐに逃げちゃって……」

 逃げるって言っても、ゴブリンよりセナの方が早いはず。……と言うことは、私が居るからセナがゴブリンを倒せないのか……

「セナ、私のことは一旦はいいから、ゴブリンを狩ってきてよ」
「だ、だめです。マスターから離れて、その間にマスターに何かあったらどうするんですか!」

 セナは私に抱きついてきて、絶対に離れないとアピールしてくる。

「ちょっとくらい大丈夫だから」

 セナなら直ぐに戻ってきてくれるだろうしね。
 そもそも、セナのおかげで近くに魔物は居ないんだから、ここから動かなかったら、少しくらいはほんとに大丈夫だと思う。

「で、でも……」
「どうせお金が無くちゃ生きていけないからさ。……私が戦えれば一番良かったんだけど、戦えないから……」
「そんなことないです! ……分かりました。すぐに戻ってきますから、マスターはここから動かないでください」

 セナは私に抱きつくのをやめて、そう言う。
 
「うん。お願いね。……あ、それと討伐部位証明は左耳だからね」

 私はセナにそう言いながら、耳を入れる用の袋を渡した。

「分かりました。直ぐに戻ってきます!」

 セナはそう言って袋を受け取ると、一瞬で私の前から姿を消した。
 ……さっきは大丈夫って言ったけど、セナがいなくなると一気に不安になってきた。
 
「大丈夫。セナなら直ぐに戻ってきてく――」
「マスター! ただいま戻りました!」

 そう言いかけたところで、セナが戻ってきた。
 
「いや……え? えっと、セナ?」
「はい、どうかしましたか?」
「ゴブリン、ちゃんと狩ってきた?」
「もちろんです!」

 そう言ってセナは自信満々に袋の中を見せてくれた。
 そこには気持ち悪いくらいゴブリンの耳が入っていた。

「……すごい、ね」
「はい!」

 私はそんな言葉しか出てこなかった。
 だって、セナがゴブリンを狩りに行く前に、あれだけ私を心配するくらいだから、何かがある可能性があるくらいの時間がかかるんだと思ってた。……なのに、一瞬で戻ってきた。……いや、こんな短時間で戻れるのに、あれだけ心配するってどれだけ過保護なの!?
 
 私はそんなセナの気持ちが嬉しくも、恥ずかしくなり、血飛沫ひとつ浴びてないセナの頭を撫でて誤魔化した。

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シャルねる 2023/12/23 08:05

9話:種族なんてどうでもいい

「私は吸血鬼ですよ?」
「え?」

 セナは当たり前の事のように、自然とそう言った。

「冗談じゃなくて?」
「はい」

 ……セナが吸血鬼? ……あの物語とかで出てくる、あの吸血鬼? ……本人の口から言われても、全然信じられないんだけど。
 そもそも、日光の下を普通に歩いてるし。

「それがほんとだとしたら、なんで日光の下を歩けてるの?」
「私はマスターに作られた存在ですから、始祖のようなものだからですよ」

 ……全然意味がわからない。
 なんで私が作った存在だと始祖になるの?

「……もしかして、マスターは私が吸血鬼だと、嫌……ですか?」

 私が微妙な反応をしたからか、セナが悲しそうに、そう聞いてきた。
 そんなセナの様子を見て、私は慌てて答える。

「ううん。嫌じゃないよ」
「ほんとですか?」
「うん。ほんとだよ」

 だって、セナの種族がなんだろうと、セナはセナだもんね。
 それに、人間なんかより、よっぽど吸血鬼の方がいいよ。……まぁ、セナが人間であっても、セナであるならなんでもいいんだけどね。
 だからほんとに種族なんてどうでもいい。
 セナに向かってそう言うと、セナは恥ずかしがりながらも、嬉しそうにしていた。

 そして、セナに案内してもらい、私たちは冒険者ギルドにやってきた。

「マスター、ここで合ってますか?」

 セナは冒険者ギルドの見た目を知らないからか、そう聞いてきた。

「うん。ありがと、セナ」
「はい! 役に立てたなら良かったです」

 セナにお礼を言うと、私はギルドの中に入った。
 中に入ると、一気に中にいた人たちの視線が集まった。
 思わず私の足がすくみそうになった所で、セナが手を繋いでいる手に少し力を入れて、ギュッとしてくれた。
 うん。……大丈夫。私にはセナがいるんだから。……何も怯える必要なんてない。
 私はお礼の意味を込めて、セナの手を握り返すと、受付の人の所に向かって、堂々と歩き出した。

「この子と冒険者になりに来ました」

 受付の人の前に立ち、私はそう言った。
 すると、受付の人は驚いた様子を見せてから「かしこまりました」と言って、作業をしだす。
 
「おいおい、こんなガ――」

 後ろから何か声が聞こえたと思ったら、突然何かが倒れたような音が聞こえた。
 私はびっくりして、後ろを振り返ると、大きな男の人が倒れていた。

「マスター、ただの酔っ払いです。気にしなくても大丈夫ですよ」
「そうなの?」
「はい」

 まぁ、それならいいか。
 普通に体が大きくて、怖いし。関わらない方がいいよね。

「は、発行が終わりました」

 何故か受付の人が怯えながら、冒険者用の身分証を二枚渡してくれた。
 そして、そこにはEランクと書かれていた。
 確か、EランクからSランクまであるんだよね。……まぁ、私たちは身分証代わりに使えて、二人で不自由なく暮らせるくらいお金を稼げればいいから、Cランク位を目指せばいいかな。

「はい、こっちはセナの分ね」
「ありがとうございます!」
「じゃあ、適当な依頼を受けよっか」
「はい、任せてください!」

 私は、セナが喋る度に周りの人達が怯えるのを不思議に思いながら、セナと一緒に依頼を受けた。


あとがき

こちらの作品もよろしければどうぞ
『お姉ちゃんで遊んでたらいつの間にか取り返しのつかないことになっていた』
https://kakuyomu.jp/works/16817330656141389969

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