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2023年 02月の記事 (4)

梅谷理花 2023/02/27 19:30

『月1道壱一族』SS「藤と縹の困惑」

今回の投稿では、「大樹のこころを聴かせて」の世界観をショートショートでお伝えする「月1道壱一族」が復活です!

今日は主人公の涼音と黒幕兼メインヒーローの縹悟が出てきます。

では早速、どうぞ↓

~~~~~
 宗主との食事は、いつも憂鬱だ。
「今日は練が来ていたんだったね」
 予定を確認するかのようなこの言葉は、あたしへの興味からきているわけじゃない。
「……たいした話は、してない」
「そうか」
 会話が途切れる。宗主はただ、相談役の彼らにあたしがなにか変なことを吹き込まれていないか、それを監視したいだけなのだ。
 黙々と箸を動かす微かな音だけが部屋に満ちる。
 なにも話すことはない。あたしにも、宗主にも。
 これで契約上は夫婦だっていうんだから笑える話もあったものだ。
 まだ一ヶ月も経たないのにこんなに苦痛で、この先の人生どうなるんだろう。
 そんなあたしの心を察したかのように、宗主は箸を置く。
「私には……君が、必要だ」
「……わかってる」
 その言葉にはどんな意味が隠されているのか。
 そんなこと、知りたくもなかった。
===
 彼女との食事は、ここ最近戸惑うことが多い。
「今日は鳶雄が来てたの」
 話題は以前とさして変わらないのに、その瞳は好奇心で光っているように見える。
「といっても、なんでもない話しかしてないけど」
「そうか」
 会話が途切れる。彼女にどう接したらいいかわからないのは今に始まったことではないが、彼女のほうにはなにか心境の変化があったらしい。
「縹悟は今日はなにをしてたの?」
「私? ……いつも通り、役目を果たしていただけだよ」
「そっか」
 彼女を縛っている自覚はあるから、微笑みを向けられるとむずがゆい。
 そんな私の心を読んだかのように、彼女は小首を傾げた。
「あたし、なにか変なこと言った?」
「……いいや」
 その瞳は私のどんな姿を映しているのか。それを知るには、まだ私に勇気が足りない気がした。
~~~~~
いかがだったでしょうか。

来月の投稿もお楽しみに!

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梅谷理花 2023/02/20 19:30

【限】新連載「さくらじぇんぬ!」先行情報公開

今回の記事では、有料会員さま限定で、2023年4月Web連載開始予定の「さくらじぇんぬ!」について先取り情報をお見せしようと思います。

……といっても、まだ全然細かいところが固まっていないのですが……(苦笑)。

まあ、それはさておき。今出せるところをばばんと出しちゃいましょう。

【 うめぼし 】プラン以上限定 月額:300円

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梅谷理花 2023/02/13 19:30

大樹のこころを聴かせての攻略対象に関する「もうひとつの要素」とは?

~前回のおさらい~

「大樹のこころを聴かせて」では、「五行思想」が重要な要素として、攻略対象たちと関わりがあります。

「木・火・土・金・水」と対応して「青道家・赤道家・黄道家・白道家・黒道家」という家があり、攻略対象の苗字になっています。

~おさらい終わり~

さて。では、攻略対象たちに関係のあるもうひとつの要素とはなにか?

ずばり、それは「共感覚」です。

といっても、「大樹のこころを聴かせて」ではあまり科学的な裏取りを行っておらず、どちらかといえばファンタジー的な、異能力のような位置づけになっています。

さて、では今作における「共感覚」とはどんなものか。

作中では、「ひとつの感覚をふたつ以上の感覚で知覚すること」と定義しています。

道壱一族の共通点は「共感覚をもっていること」で、五つの家の棲み分けは「共感覚を引き起こす感覚」によってなされています。

そう、五感も五つ。五行思想の元素にあてはめることができちゃうのです。

「木・火・土・金・水」の順に「視覚・触覚・味覚・嗅覚・聴覚」になっています。前回示した色と攻略対象とも組み合わせてみると、こうですね。

「木」――視覚の共感覚――青道縹悟
「火」――触覚の共感覚――赤道蘇芳
「土」――味覚の共感覚――黄道晃麒
「金」――嗅覚の共感覚――白道練
「水」――聴覚の共感覚――黒道鳶雄

タイトルの「聴かせて」って「聴覚」の「聴」ですよね~(白々しい)。でも黒幕兼メインヒーローは視覚の共感覚の縹悟ですね~おっかしいな~~(白々しい)。

とまあこんな感じで、なにかと「五」と「感覚」が関わってきます、「大樹のこころを聴かせて」。

どんなふうに話が展開するのか、楽しみになったでしょうか。(原作を読めばおおよそ察しがついちゃいますけどね……)

それではまた次回、お会いしましょう。

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梅谷理花 2023/02/06 19:30

なんで大樹にはイケメンが5人いるの?

題名の質問に早速お答えしましょう。

乙女ゲームだからだよ!!

※嘘です
※原作はWeb小説です

インディーズの乙女ゲームといえば、攻略対象は多くて2〜3人といったところが主流の昨今。

いまさらだけど、なぜこの梅谷理花というやつは攻略対象が5人もいる「大樹のこころを聴かせて」というゲームを作ろうとしているんだ?

そこには深いようなそこまで深くないような理由があるのです。

それはずばり、

「設定の都合上どうしても5人にならざるを得なかったから」。

…………。えっとですね。

「五行思想」ってご存知でしょうか。きっとご存知でしょうが一応改めて説明させていただきますね。

万物は「木・火・土・金・水」の5つの元素にあてはめることができる、というのがざっくりした「五行思想」の考え方です。

たとえばこの元素を色で表すと「青・赤・黄・白・黒」。おや?

「青」道縹悟(2022/12/05紹介)
「赤」道蘇芳(2022/06/13紹介)
「黄」道晃麒(2022/11/07紹介)
「白」道練(2022/09/12紹介)
「黒」道鳶雄(2022/08/15紹介)

なんと、攻略対象たちの名字にこれでもかと入っているではありませんか!(白々しい)

そう、彼らは「五行思想」と、もうひとつの要素とは、切っても切れない関係にあるのです。

だから5人に……なっちゃったんですよねぇ……(遠い目)。「三行思想」とかなかったのかな……(ない)。
※記事執筆時まだまだシナリオが書き終わっていない

特に隠していたわけでもないしちょこちょこ書いてはいたのですが、ちゃんと解説した記事を書いていなかったので、今月はそんな「大樹のこころを聴かせて」攻略対象たちを形作る要素についてお話ししたいと思います。

「五行思想」のほかの「もうひとつの要素」は、また来週。

それでは次回もここでお会いしましょう。

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