投稿記事

2022年 11月の記事 (1)

流れ雪月花 2022/11/25 21:01

ポケモンSVは凄いぞ!

今回は感想回です。ゲーム制作の記事も2ストックできてるんですが、最終調整に手こずっているのです。結構大きな事をやってます。


調整中の物を一部チラ見せ。多分これは次々回になるかな。

たまにゲームの感想回をやるのは、「良い所を分析して吸収したい」と言う意図があります。ゲームの本当に優れた所は当たり前に受け入れてしまって気づきにくい。そこを掘り下げる為のモノなんですね。具体的な要素のネタバレはなるべくしない様に注意しますが、PVに出てる内容以外も触り程度には触れるのでゼロではありません。と言うか、普段よりちょっと深く触れているかもしれない……それでも良かったらどうぞ!




ポケモンSVは凄いぞ

結論から言うと凄く良いRPG作品でした!最近の任天堂作品全般に言えるんですが、昔からのシリーズの当たり前をアップデートして今風に合わせる、と言うとても難しい事にチャレンジし、成功しています。今回はそのアップデート部分を中心に解説していきます。


ちなみに今回の主人公はフローラル。自作ゲームで飛兵役として登場している子です。自分は大体男キャラでプレイするんですが、ポケモンやどうぶつの森の様に男キャラが可愛すぎる時だけ女の子を使っています。男キャラはカッコよくしたいのだ。

ストーリーが凄い

まずこれ。既存の作品と一線を画しています。ポケモンと言うゲームは、ジム戦をこなしてバッヂを揃えてチャンピオンになる、と言うシンプルなラインのゲームで、シナリオ部はその流れに絡まるフレーバーです。後年の作品になるにつれボス格は壮大な事を言いだしますが、基本的には全員主人公に直接対決で負かされ、野望が潰える立場にあります。

何でもポケモンバトルで解決する、この淡白さがポケモンらしさでもあり、マンネリ感がある部分でもありました。基本的にはずっとホビー漫画のノリなんですよ、コロコロにありそうなミニ四駆とかビー玉で世界征服しそうなヤツがいるアレです。


しかし、今回はそのホビーな世界観を脱却しています

宝さがしというテーマを元に3本のストーリーラインが用意され、それぞれ少しづつ内容が異なります。どれも最初は小さなお話なんですが、徐々に謎が謎を呼び、やがてそれが一つになりクライマックスでは世界を巻き込む大きなうねりとなる……それでいて最初から最後まで宝さがしというテーマは外さない。これは見事としか言いようにありません。終盤は不穏すぎてメガテンをやってる気分になりました。登場人物もなんかロウヒーローとかカオスヒーローっぽさがあるのだ……

オープンワールドが凄い

さらにこれ。広い世界に多種多様なポケモンがみっちり敷き詰められた様な世界です。昔のポケモンはどこいってもイシツブテとズバットが出てくる、とか序盤は炎ポケモン全然いない、とかその手のゆるい不満があったと思うんですが、今回その心配は一切ありません。新しいポケモンが次から次に捕れるので、育てたいポケモンが溢れていくという贅沢な悩みが発生する程に生態系が豊かです。


どこにでも行けるので、急に強いポケモンが出るゾーンに行く事もできます。かなり乱暴にパワーレベリングする事も可能です。この辺はちょっと良し悪しありますが、自由さは過去随一です。ただ単に自由なだけでなく、ジム戦、ヌシ戦、スター団との対決、と短期的な目標が完備されていて、自由すぎるオープンワールドにありがちな「ダレて投げ出す」危険性もかなり抑えられています。レベルキャップやライド、技なんかがご褒美になっているので、自然と進めたくなる様に作られています。

逆に言うと、この目標以外が薄いのでストーリーのボリューム自体はそれほどありません。街の施設もかなり少な目で、服を買い替える楽しみみたいなのは剣盾よりずっとパワーダウンしています。ユニセックスの4種類の制服しか着れないので、女子でもスカートも履けません。無念なり。

相棒が凄い

世界は広いんですが、ファストトラベルや乗り物の性能が高い為、実際は狭く感じるくらいです。ゼルダBOWの世界が異様に広いのはリンクの機動性が低い事も一因です。走ったり登ったりするとすぐ疲れるからね。今作のライドポケモンは走行、跳躍、水泳、滑空、壁登り……とスタミナゲージ無しで走り回れるのでテンポがいいです。アルセウスではそれぞれ対応するライドポケモンが違うのでいちいち手動で切り替える必要があり、テンポを損ねていたのですがその辺のストレスもありません。世界を思う存分駆け回る原始的な楽しさが味わえます。


山頂からふもとの街まで滑空し、ビルの上に着陸した時の全能感……たまらん。性能的に無理してるせいか、背景の人とかが死ぬほどカクカク歩いてたりする弊害はあるんですが、この自由さと比べたら些細な問題です。

流行の取り入れが凄い

今作のポケモンはあらゆる意味で凄く新しいです。これは良い部分悪い部分があります。例えば、近年話題になりがちな物理演算ゲーム。Surgeon Simulatorみたいなヤツですね、あれが要所にミニゲームとして組み込んであります。代表的な物にサンドイッチづくりがあるんですが、具材をパンに載せていく際に物理演算を使っている為、欲張ると挟まりきらなくて転げ落ちてロストしたりします。そして、最後には完成した物がドーンと表示され、みんなで一緒に食べるシーンが再生されます。


こ、こんなの子供は絶対喜ぶに決まってるじゃん……

みんなでサンドイッチを作って、キャーキャー言ってるのが瞼に浮かぶ……単なるストレスバカゲーで使われていた要素をここまで上手く料理するセンス。ブチ抜けておるわ。

さらにキャラクター。一部で大人気のナンジャモちゃんですが、これは明らかにVtuberです。


まあ作品内ではリアル配信者なんですが、雰囲気は全くVそのものなのである。彼女には気持ち悪いオタクのファンが付いてるんですが、その彼の風貌も明らかに既存のそれとは異なっています。


ポケモンの頭部を模した物が縫い込まれたツギハギの服を着た男……ゴールデンカムイに出てきた人の皮でツギハギの服を作っていた江渡貝くんみたい。髪型もなんか二階堂っぽいぞ……考えすぎかな……他にも一時ネットで流行した塩振りおじさんのパロディみたいなのがあったり、感性の若さみたいなのを随所から感じます。こういうの嫌いな人は嫌いかもしれませんが、自分は令和を切り取った感じはとても好きですね。今のクリエイターには、今にしか作れない物を作って欲しい、と言うのが自分の感覚です。

ただ……

勿論嫌な部分もあります。この作品はポリコレに配慮しているとかしていないとか議論になっていますが、個人的な感覚で言えばかなり強烈にしています。今までポケモントレーナーはカリカチュアされた一般市民でした。一般市民とは釣り人とか水夫、山男に理科系の男、近所のママさんにミニスカートのコギャル……みたいな感じです。これが表現していたのは「君たちが普段見ている人たちみんなポケモントレーナーの世界なのだ」という事だと思うのです。


しかし、この作品のトレーナーたちは違います。学生を自称する子供服姿のおじさんおばさん、ムキムキマッチョのジョースター家みたいなガタイのオカマみたいな女性、一人称がボクで長ズボンを履いたふとっちょのお婆さん……はっきり言って実生活で見た事無い様なタイプの奇人のバーゲンセールです。これが表現しているのは「これがこれからの時代の一般市民の当たり前の姿だよ」「今まではマイノリティが排除されていたんだよ」という事だと思うのですが、自分はこれにはちょっと疑問です。あまりに現実と乖離しているし、大多数のプレイヤーが好む要素を意図的に排除しているからです。

魅力的なブサイク論

これは特に自分の感覚の入った話で、世間的な正解だとは思っていない、という事が前提にある話です。


美しい上等なポケモンのスクショの間に自分の絵を入れるのちょっとキツいんですが、出す。最近描いたキャラクターで、これは明確にブサイクとして描いています。しかし、カッコ悪くは描いていません。自分の信念として、ブサイクを虚仮にする様な絵は描かない、と言うのがあるのです。

個人的な考えですが、ブサイクなキャラクターを魅力的にする一番のスパイスは、男らしさです。これは女性に置き換えると愛嬌になります。男は度胸、女は愛嬌、と言う言葉がありますが、これは真理です。

そして、今回のポケモンのモブが不気味なのは男らしさと女らしさを否定した点にあります。


中性的な魅力と言うのは、若く美しくないと発揮されません。美貌の青年は年を取ると性別不肖のオバサンみたいになりますが、男らしさは渋さになります。ルックスの良さと性別を活かした魅力は耐用年数が違うのです。

つまり、本質的には生まれ持った性別を活かした方が他人からの評価は高くなります。先ほどのスクリーンショットのおじさんも、例えばスーツを着てビシっとキメていたら全然気にならなかったと思います。しかし、それを要求するのはポリコレ的にはタブーです。今作は各所に差別、偏見、いじめ等の被害者が存在し、主人公にはそれを救済する事が求められます。他人の期待に応える事を優先し、自分の気持ちを押し殺しているキャラクターを救う話もある程です。制作が偏見と戦う事を本作のテーマの一つとしているなら、このモブの恰好には一貫性があります。なんかアタマの痛い話ですが。

ハードのスペック不足はある

先ほどもちょっと触れましたが、かなり性能的に無理しています。自分は正直ここの採点甘いですよ、滅茶苦茶甘い!気になる人は実況プレイを見た方がいいと思います。5分で雰囲気は掴めるので。

総論


色々挙げましたが、間違いなくスイッチを代表する傑作です。そして、流行りに寄り添いすぎた作品でもあります。今プレイするのが一番楽しく、後追いでは恐らくどんどん魅力が削がれていくゲームだと思います。他人がいないと一部のポケモンの進化もできないし、恐らくレイド戦も厳しい。気になっている方は早めにプレイする事をオススメします。年末年始に楽しむには、オススメの一本となっております。

この感想回は直近でもう二つ候補がありまして、一つはFE新作、そしてもう一つはタクティクスオウガリメイクです。

本当はSRPGを作る人間として、ポケモンよりオウガをやるつもりだったんですが、評判が悪くてちょっと日和った。ちょっと限定記事で理由を混ぜ込みながらオウガとかFFTの雑談をするので、興味があったら見てね。

フォロワー以上限定無料

無料プラン限定特典を受け取ることができます

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事のタグから探す

限定特典から探す

記事を検索