ぬるぬるの話(1)
ぬるぬる感は結果
さて、ざっくり『天翔のマーキナリエ』および英訳版『Soaring Machinariae』ご紹介の土台部分のお話をしてまいりましたので、ぼちぼち内容の話題に移っていきたいと思います。
昨年6月のアツマール版公開時よりありがたくもおおむねご好評をいただいていると思っている本作ですが、中でも「ぬるぬる動く」と評されるところを多くみております。
作者の僕の立場から言うと「ぬるぬる動いている」のは結果であります。アクションゲームとしての属性をもつ本作、特に個人的にもまあまあ気合を入れて作っていましたので、手数をかけるところは決め打ちでやれることはやっていく方向でと「バトルの気持ちよさ」に重きを置いて可能な限り作り込みました。プレイヤー的にはここがこう動いてくれたら気持ちいいと感じるだろうと思う点ひとつひとつを積み重ねた結果、ぬるぬる動いてるねという印象をもってもらえたということになります。
アニメーション
第一の要素としては、キャラのモーションをはじめとしたアニメーション。何を当たり前のことをって感じですが。
これはアイリスの歩行モーションですが1ループ6コマの動作になっています。ツクールデフォの歩行グラフィックが3コマであることを考えれば倍のコマ数で描画していることになります。ちなみに6コマという数はスーパーファミコン時代のアクションRPGを参考にしています。
なお僕は絵も描けなければドットも打てませんのですべて素材の加工で作っています。1モーション6コマ×4方向はだいぶしんどいです。
しんどいので攻撃モーションにいたっては斬りで3コマ、突きで3コマです。意外と少ないと思われるかもしれませんが、省略のポイントをおさえつつ他要素との合わせ技でなんとかしています。
エフェクト
グラフィカルなエフェクトは2種類活用していて、まずはツクールデフォの機能にある「アニメーションの表示」です。剣の軌跡やヒットマークなどを表示しています。ちょっとリッチに見えるようにAnimationFrameRateプラグイン(ツキミ様作)を採用して時間あたりのコマ数は増やしています。
もうひとつ、さまざまな細かい演出用にパーティクル表示を取り入れています。ParticleEmitterプラグイン(ツキミ様作)
ヒットエフェクトの飛沫のような飾りの他、ダッシュ時の土煙、水場を走るときの水しぶき、ファイアブラストの火の粉、草を斬ったときに舞う葉っぱなどなどいろんな場面で活用しています。
合わせて改めて見るとこんな感じです。
ちょっと開発中の古いキャプなんですけど
簡単ではありますがビジュアル面ではだいたいこんな感じで、ドット絵としては無理ない範囲でベースを用意してあとはエフェクトでの演出でそれらしくしているというお話でした。
そしてさらにここから「動き」という別のアプローチとの融合という話になるんですが、そこまでやると長いので別途続きということで追ってご紹介します。お楽しみに。
天翔のマーキナリエの英訳版がSteamにて配信決定!
2021年6月11日 Gotcha Gotcha Games様より発売です。