ウルトラヘブン


小池桂一(著) 漫画『ウルトラヘブン』

現在までに単行本が3冊創刊されている(多分)未完の作品です。

一部の方々に異常なほどのカルト的人気を誇る超寡作の漫画家。

漫画版の『AKIRA』のような緻密な書き込みによる作画と
唯一無二のコマ割りによる幻覚や神秘体験のビジュアライズ。

薬事法改正で、大幅にドラッグの使用が認められる事となった近未来を舞台に
自身もそれらを使用する、退廃的な、お薬売人青年の物語。


超越的な存在として描かれている登場人物の見た目が『ケン・ウィルパー』

元は大学教授で、量子力学を掘るうち脳の研究に行き着き、その後、瞑想センターを創出する事になる人物が、教祖『ラジニーシ』や、その筋でとっても有名な薬理学者『アレクサンダー・シュルギン博士』のような風貌。

作家の『ウィリアム・バロウズ』をモデルに書かれたであろう人物が差し出してくるドラッグのカクテルの名前が『ノヴァ・エクスプレス』
などなど

ソッチ系の蘊蓄のツボをくすぐる登場人物やシンボルのオンパレード。

ディズニーのようなファンタジーな幻覚は、ほとんどなく
幽体離脱や現実と幾何学を織り交ぜたような主観
エッシャーのだまし絵やアルチンボルドのような錯視
複視や残像の連続、白昼夢にデジャブやタイムリープ
観ている者が『その時』用に用意されたであろうコマ
(酔いにより浮き上がってみえたり不意に繋がったりする)
臨死体験に走馬灯、記憶や原体験、無意識のイメージを
ひたすら幻視する内省的なトリップが
これでもかと描かれております。

ハンターハンターの冨樫先生もびっくりの
10年程で3巻分の超スロー連載の、この作品の幻覚模写は
一部の情報によると、その時期時期に流行った代表的な
ドラッグのエフェクトの変遷と符合しており

後追いじゃない(色んな意味で)現役で追っていたガチ勢の方々は、
そうそうwコレコレwこのかんじwwwアルアル
みたいな感じで読んでいたんでしょうか(笑)

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