催○ガール


大嶋信頼 著『催○ガール』

著者は様々な自己啓発本を何冊も出版されている現役の心理カウンセラー。

主人公のJK 夏目明日香が書店で偶々ミルトン・エリクソン(催○の大家)の本を
手に取ることがきっかけで始まる『催○』そのものをテーマにした珍しい物語です。

そして、高校生の少女の、悩みや心の機微を描いた、しっかりとした青春小説でもあります。

夏目ちゃんにとっての『催○』は、
スラムダンクの桜木花道における『バスケット』であり
はじめの一歩の幕ノ内一歩の『ボクシング』であり
ちはやふるの千早の『競技かるた』
ゆるキャン△における『キャンプ』
俳句ガールにおける(以下略

青春時代に出会う、それまで知らなかった異文化との
邂逅の物語でもあります。

現役のカウンセラーの描くある種、独特な心理描写。
催○や暗示の説明と効果、主観による時間の感覚の変化、
ふと眠りに落ちる瞬間や起き抜けのまどろみ、 
ゾーンにばっちりはいってゆく感じ、
そして催○をかけたり、かけられたり…

この様なシーンが何度も丁寧に描かれていて
読者の無意識をやさしく引っ張り出してゆく。
そして、引き込んでゆく。

実際この物語を読んでいるだけで、催○にかかったような感覚になった
というような感想もチラホラ見かけます。

被暗示性やエンパシー、イメージの視覚化が強めな人は
かなりの確率でそのような不思議な感覚に持ってかれると思います。

そして、催○を軸とした青春群像の面白さに加えて、読んでいるうちに自然と説明されている催○のハウツー的な要素もふんだんにあるので、催○をテーマに作品を作ってるものからしたら一挙両得の小説であり、素晴らしい物語でした。

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