Muu Dogg Studio Nov/13/2024 20:49

11月13日のコラム:Epiphanyの作りかた その3【一部無料】

どうもムサシです。

ユーザーのみんなとしばらく「Epiphany」の余韻を引きずろう。がコンセプトの無料連載「Epiphanyの作りかた」
今日は第三回です。

まずは

オープニングSE「いつかの白昼夢 Epiphany Ver」

Xelferyくんから「いつかの白昼夢」のパラデータをもらって、8月くらいから作り始めました。
とはいえ朗読劇直後のライブのブレスト会議にはもう参考資料としてポニキャンの方々に聞かせていたので、2〜3日くらいで作ったんじゃないでしょうか。

オープニングSEとか、オーバーチュアみたいな言い方をしますが、ライブの開幕はこういう「なんだかよくわからないけど凄まじくかっこいい曲」が流れるのって、その後の演奏に気持ちを没入させていくために絶対必要だと思うんですよね。
非日常でいきなりぶん殴られて、衝撃で呆然としているうちに一曲目の「Into Gray」が始まる。みたいなのをやりたかった。
今回のライブは白昼夢の音楽の力を、熱を届けるという目的があったので、意外と重要な役どころになった気がします。

もともと「いつかの白昼夢」は白昼夢の青写真の制作の前半で作ったティザー用の曲だったので、全曲は網羅できていませんでした。
それもあって、ここまで関わってくれたすべてのミュージシャンへの感謝を込めて「Two Blanc」「凪いだ海のように」「恋するキリギリス」「夏のタイムカプセル」などいろんな楽曲の要素を混ぜ合わせて、アンセムのような感じで作りました。
曲の尺もこれでもかと伸ばしました。
演出としてかなり上手くいった気がします。

続いて

ステムデータ作り

ライブで演奏をしたことがないほとんどの人からしたら、データ作りってなんぞや、バンドが演奏する以外に音いるんかい。と思われるでしょうが、実はこれがないとライブは成立しません。

「Into Gray」を例に出すと、あの曲はギターが常に2〜4本鳴っているし、ピアノとは別にシンセやグロッケン、ストリングスが絶え間なく差し込まれる。
コーラスもハモもたくさん鳴っていて、シンセドラムの音も入っているし、効果音的な部分で言うとノイズをあえて鳴らしたり、パーカッションのループが鳴っていたりしている。
yukiちゃんの音声が切り刻まれてリズム楽器のように使われているセクションもあります。

5人のメンバーが出す音以外の、楽曲の世界を構築するための音が、一番音数の少ない「栖鴉の綿」でも10音くらい。一番音数の多い「Two Blanc」で100音以上鳴っています。

もちろんそれを楽器隊だけで表現するのは不可能なので、これを曲のテンポと完全に同期させて流してくれる6人目のバンドメンバー、マニピュレーターというエキスパートが存在しています。

同期音源をただ出すだけなら一本のデータにして流してしまえばいいのですが、リハの中で「このセクションはギターの同期を切ってきこりさんの演奏だけにしよう」とか「ここはハモりも全てなくしてHinanoさんの歌のみにしよう」とか、そうした細かい演出的な判断を僕らがするたびに、ややこしいデータ処理を瞬発的にこなしてくれるのがマニピュレーターの坂井さんの仕事。

そうした音の抜き差しに限らず、最終的な会場の出音のバランスまで考えて、構築するところまでやってくれる超プロフェッショナルです。

そして9月末の最初のバンドリハに向けて、14曲すべての楽曲のデータを作家さんから回収して、マニピさんが処理しやすいように全曲のデータを整えていくのは、もちろんラプラシアンのサウンド担当である僕の仕事です。

ただ、このステムデータ作り、8月から着手していたはずなので、1ヶ月以上の期間費やしました。
作家さんからもらうデータはパラデータという一曲の中で鳴る音がすべて細分化されたものであり、マニピさんに渡すステムデータはそれを極力わかりやすくまとめた共通言語的なデータになります。

ステム作りは言うなれば、リハを円滑に進めるためのマニピさんとの共通言語作りですね。

このコラムでもその作業の大変さを毎日のように書いていたら、いつもコラムを読んでくれている作曲家の友人が、自身でライブのサウンドプロデュースをする時のデータ作りのガイドラインを見かねて送ってくれました。

彼の協力がなかったら、きっと僕は今もまだステム出しをしていたと思います。嘘です。

最後は

譜面作り

ステムデータの準備と並行して、バンドのみなさんとの共通言語となるマスター譜面もかしこくんと分担して14曲分作りました。
音楽家は譜面が得意かと思われがちですが、家にこもってDAWをいじり続けている作曲家なんぞ、めったに譜面に触れません。

こうしてみるとなかなか重要な音楽資料ですね。
あくまでバンド全体で息を合わせるためにコードと小節数とキメなどが見渡せるために作った譜面なので、メロ譜やTAB譜ほどの解像度はありませんが、14曲分のデータがあるので何かのタイミングで販売するなりしても良いかもしれません。


今日の無料部分はここまで。

明日の「Epiphanyの作りかた」は、プロモーションや動画周りのことを書けたらなーと思っています。

このあとの有料部分は引き続き最近のタスクについて書いていきます。

それでは。

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