救えない筐体を見るたびに思う
救えないもの(命)もある。
ブラウン管に接続している真空管。
この部分を交換すれば、生き返らせることもできるだろう。
でも、それって「ありえないこと」に近い。
生きている人間から心臓を持ってきて、
死にかけの人間に移植する、みたいな話なんだ。
困ったことにこういった専用品に近い真空管は
当然生産していない。リプロダクト品もない。
ないなら作れよって話もできないよな。
いくら自作精神が強いオヤカタでも、こればかりは作れない。
真空管部分が生きているモニターは、
モニター基板に致命的な故障がなければ「生きている」わけで、
元気なモニターから真空管を奪ってくるわけにはいかん。
救えるのかもしれない。
しかしそれは、途方もない苦労と費用と、問題があるとしたら。
「救えない」といって諦めるしかないんだ。
筐体のブラックジャックみたいな先生がいるかもしれないけれど、
手術料が払えねえ。
オヤカタが魔法使いならなぁ、と思うね。
なにが悪いのかっていうと……
ここまで書いておいて順序が逆だろうけどさ。
ブラウン管の裏側ってこうなってるんだよね。
ブラウン管本体。ここに真空管が付いていて、
手前に置いてある小さな基板が差さって、
こいつが映像や光の加減を制御する。
そいつを制御し、通電などの管理をするメインボードが
ブラウン管の下に敷いてあるって感じだ。
で、最初の画像はブラウン管が割れちゃってるパターン。
右手前のガラス部分が割れてめくれ上がってるだろう。
どうも焼けてて傷んでる感じでね。
とんでもない電圧がかかるから、亀裂があれば
そこからでも壊れちゃうのかなぁ。
おそらくははじめから製造過程でなにかあったんだろう。
経年劣化で死んじゃった、ということかなぁ。
真空管が真空じゃなくなったなら、もう救いようがないんだね。
無念だ。無念としかいいようがない。
それでもオヤカタの素人工作で直せるものはドンドン直す。
12月だけで3台救ったんだ。
きっと、まだまだ救える命もあるはずさ。
なんか書いてる内容が医者みてーになってきたな。
ゲーセンの話題のはずなんだけどな(笑)