即興の創作〜IRIAM学園


どうも、おはこんばんちわ!!
チーム・ハナヤマダ代表の華山馴田(式神Vライバーかやま🎴の依代)です。
今回は、ふと思い立ち、即興で創作小説を作ってみました。

大体の流れを思い立ったのは、今朝ですw
今朝のうちに、なんとなくの話の流れ、敵キャラ、この話のラストシーンまでを脳内で作り上げました。

って事で、ひとまず読んでくださいまし。
IRIAMの同期達を登場させてみました。

ちなみに、鮫山理奈さんが大活躍です。

え?かやま?
モブですwww


【これまでのあらすじ】

IRIAM学園は、Zizaiコンツェルンが経営する「みんなが繋がる学園」。
和気藹々と、みんなが学園生活を送っていた。
が、そこに突如現れた、海を司る神、ポセイドンの分身と自称するVライバー「補正・ドン(ぽせいどん)」により、学園そのものを補正させられてしまう!
その力に屈したライバー達は、次々と倒れてゆく。。。
そこに立ちはだかった、ライバー達。
それは、2年11組。
通称「Jack_junks」の面々だった…!!
しかし、補正・ドンの圧倒的な力にJack_junksのメンバーもジリ貧になって行く。
戦闘力で一番期待されていた軍人・冬季ルイは、みんなの壁となり倒れ、その煽りを受け、夜顔、ゆい、かやま、みつきが倒れてしまう。
四ノ宮華美の圧倒的お姉ちゃん力も補正・ドンには通用せず、やがて、こはねの刀も折れてしまった。
残る3人、ぽむ、マリン、理奈は、補正・ドンに勝利できるのか…!!!!


『第11話〜シャークエクスプロージョン』
「ふっふっふ、ふわあーっはっはっは!!
この補正・ドンの補正力の前では、如何なる力であろうとも、対抗することは出来ぬ!!
Jack_junksとやら、このワタシを倒すことなど笑止千万!!
お前たちも補正され、記憶を無くし、まっさらになってしまうが良い!」

断崖絶壁の上で、補正・ドンの高らかな笑い声が響いた。
そう、補正・ドンに補正されてしまう、それはすなわち、今までのライバーとしての記録だけでは無く、記憶までもがなくなってしまうことを意味する。
今までの活動の中で培ってきた、苦労、実績、戦った記憶、支えてくれたリスナー、仲良くなったライバー、そして、同期の仲間たち。
その全てを失う事を意味していた。

「どうしよう…」

マリンの声が震える。
マリンの歌の力も、補正・ドンには軽くいなされてしまっていた。

「ほんとにやべー奴じゃん、アタシ達、ヤバいって!」

ぽむも、わかっていながら思わず口をついてしまう。
成すすべがないことを、ぽむもわかっていた。
ジョウロには戦闘力を期待できないし、何よりこの海辺の断崖絶壁には、タンポポが生えていないのだ。
補正・ドンの言うように、成すすべが無いことはわかっている。
が、しかし、そう簡単に屈するわけには行かないのだ。

「………。」

そんな中、理奈は補正・ドンを見据えたまま、何かを考えているようだった。
そして、チラリと倒れた仲間たちを目の端に入れる。

「みんなを守るため…だもんね」

と、理奈がボソッと呟く。

「…理奈ちゃん?」
「なに?聞こえないよ?」

マリンとぽむが、同時につぶやく。

「大丈夫、私が…私がなんとかする。」

理奈が声を張り上げた。

「補正・ドン!」
「ん〜?」

余裕があるのであろう、補正・ドンは、口元に浮かべる笑みを崩さず、理奈に目を向けた。

「何だ?まだこの補正・ドンに立ち向かってくると言うのか?
ふはははは!諦めることを知らないとは。
Jack_junksと言うのは、揃いも揃って、ポンコツばかりか!
盾になったは良いが、仲間を巻き込み倒れてしまう軍人に、自らの力を過信し、通用しない力を振るう小娘共!
そして、戦う力のないオヒメサマ。
しかも揃いも揃って、顔だけは諦めていない。
それはポンコツを通り越して、ただのバカだな」

「うるさいっ!!!!」

補正・ドンの声に拳を震わせる面々。
そこに理奈の叫び声が割って入る。

「わたしはね、今、ブチブチにキレ散らかしたわよ!アンタの…アンタのようなやつに、わたし達の…わたしの大事な物を、簡単に奪わせるわけにはいかないのよっ!!」

ユラリ…

理奈の体から、湯気のような、炎のようなモノが、一瞬立ち上ったように見えた。

「だめだ…バーサン」
「うるさいよジジイ!………ルイルイ、さめんきゅー」

ルイがかけた声に、背中越しに理奈が返す。
その声は、どこか笑っているようにも聞こえた。

「ばかやろう…1回500円…だぞ…」

ルイの声は、震えていた。

「あおちゃん…いつか、北海道コラボしようね」
「ダメだよ…理奈…。ちゃんと帰ってこなきゃ、許さないんだからね!」

夜顔の目の縁に、涙が浮かぶ。

「それと…」

口を開きながら、メガネを外す

「華美!」

宙を舞った理奈のメガネは、華美の手に納められた。

「私のメガネ、預かっといて。壊れちゃったら何にも見えなくなっちゃうからさ。」
「理奈…ちゃっ………」

涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔をしながらも、理奈から目を背けない華美。

「みんな…ありがとうね」
「理奈…」「お鮫ちゃん…」「鮫ちゃん…」「理奈しゃ…」「理奈ちゃん…」

「お別れの儀式は終わったのか?
まぁ、何をしたところで、お前たちの存在がまっさらになる事は変わらないがなぁ」

自分の有利を疑わない補正・ドン。

「さっきも言ったけど、わたしはね、今ブチブチに切れ散らかしてるのよ。今からアンタに、それを全てブチ込んでやるから!」

言いながら、一歩ずつ補正・ドンに歩み寄っていく。

「コレを使ったら、わたしは多分、今までのわたしではいられなくなる。
それでも、みんなを守るため、わたし達がわたし達でいる為に!
友達もリスナーも、足跡も思い出も!全部!アンタに奪わせは…しないっ!!」

理奈の体から立ち上るものが、段々と色濃くなっていく…!

「な、なんだこの力は!なんだこのプレッシャーは…!!や、やめろ!」

わずかに怯む補正・ドン

「それと!もうひとつ!!!!」

湧き上がる炎のようなオーラを身にまといながら、理奈は叫ぶ!

「わたし達は………賢いっ!!!!!」
『ジンベエ流奥義・シャーーーーーーク、エクスプローーーージョーーーーーーンッ!!!!!!』

理奈の体から凄まじい光が放たれる…!
そして、その光に補正・ドンが飲み込まれた!!

ドオオオオオオーーーーーン!!!!!!!

激しい爆発音と光が、断崖絶壁を包み込んだ。
爆発音に弾かれるように、Jack_junksの面々も吹き飛ばされた。


ポツ…ポツ…サアアアーッ


断崖絶壁に雨が振り始めた。

「くっ…あいたたた、みんな無事かしら?」

どのくらい時間が経ったのか、最初に目覚めた夜顔が、声をかけた。
どうやらみんな無事なようだ。
幸い、崖から落ちてしまったメンバーはいなかったようだ。

「あっ、補正・ドンは………えっ」

夜顔は、彼らが立っていたはずのところに目をやり、そして呆然とする。
崖だったはずの場所には、空が広がっていた。
あの、鮫山理奈が放った、シャークエクスプロージョンにより、補正・ドンごと崖が消え去っていたのだ。
そしてその縁には、四ノ宮華美が立ち尽くしている。

「華美!」

夜顔が、駆け寄るが華美は肩を震わせ、駆け寄った夜顔にしがみついた。
もちろん華美の手には、理奈のメガネが握られている。

「夜顔さん…理奈ちゃんが…理奈ちゃんが…」
「うん…うん…。」

華美の様子に、夜顔も言葉が出ない。
この状況を見れば、理奈がどうなってしまったのか、想像に難くない。
その様子を感じ、面々も崖の縁に立ち、呆然としていた。
雨に振られながら、ひとまずの無事に、ホッとする。
しかし、1つだけ、悔やんでもくやみきれないことが起きた。それは誰もが感じていた。

「理奈ちゃん……理奈ちゃああああん!!」

崖の上から叫んだ華美の声が、海に虚しく響き渡る。
と、その時…

ザパーン

崖の下の方からだろうか、自然の波とは違う、大きな水音がした。

皆が目を向けると、水面に大きな影が見える。
その影は、面々の無事を見届けると、安心したかのように身を翻すと、海の中に沈んでいった。

それは、ジンベイザメの様に見えた。


〜3日後〜

『きりーつ、礼』
「おはようございます。あれ、鮫山は今日も休みか」

あれから3日。
理奈は、今日も姿を見せていなかった。
いや、みんなわかっているのだ、恐らく理奈はもう姿を見せることがないであろう事は。

教師の声に11組の空気がやや重くなったとき

ガンッ ゴッ ガタガタっ

教室のドアが、派手な音を立てた。

「あいたたたた、もう、何でドアが開いて無いのよ!もう、ブチブチに切れ散らかす!」

「理奈!!?」

ガタガタッ

理奈の声に驚く夜顔、そして全員が思わずそちらを見ながら立ち上がった。

「あ、みんな…お、おはシャーク」

バツが悪そうな理奈を認め

「お、鮫山来たか。はい、11組は全員出席…と。」

そう出席を取る教師をそっちのけに、全員が理奈に群がる。

「理奈ちゃああああああ!!!」
「どわっ」

夜顔を突き飛ばさん勢いで押しのけ、涙と鼻水でくしゃくしゃの顔をした華美が理奈に飛びついた。

「ちょ、華美、きたなっ!」

「なんでなんでなんで!私めっちゃんこ心配したんだからあああああ〜!」

涙も鼻水もお構いなしに、理奈の胸に顔を埋める華美。
そんな華美を愛おしそうに撫でつつも、理奈の表情は、やや引きつっている。

「あ、そうよ理奈!あの後アンタどうやって…」

夜顔の問いに顔をあげながら

「いやぁ〜、わたしさ、シャークエクスプロージョンを使ったら、鮫力(さめりょく)使い果たしちゃって、ジンベイザメに戻っちゃったのよ。そんで、この姿に戻るのに、3日…かかっちゃって…ね。」

「もう…心配したんだから!2度とあんな事…あんな…」

言いながら理奈から顔を背ける夜顔、その目の縁には、光るものが見えた。

「あ、うん。ホントに、みんなゴメンね。」

「でも、無事で良かった。鮫山が無事じゃないと、さめんきゅーの使用料、払ってもらえないからな」

「うるさいよジジイ!」

おどけたルイに、即座に返す理奈。
いつものやり取りが響く教室に、ようやく笑い声が広がる。

「あ、そうだ華美」

「んえ?」

自身にしがみついていた華美を引きはがしつつ理奈は続ける。

「わたしのメガネ、持ってる?無いとあんまり見えなくてさぁ」

「あ、うん、持ってる…あ」

『あぁ〜』

全員が、残念そうなため息を漏らす。

華美の手にあった理奈のメガネは、華美の涙(と鼻水)に濡れていた。

「ちょ、華美!きたなっ!!!」

言いながら、理奈も笑顔になっていた。

今日も学園は、平和だ。


〜第11話〜 完。

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