何よりもまずはお礼をば。
8/19に(長かった)第15回ウディコンが終わりまして、
拙作「BerriesWitch」はありがたいことに総合12位を頂くことができました。
遊んでくださった皆様の投票があったからこその結果です。
本当に本当にありがとうございました。
――と、いうことで、ぼんやりと振り返っていきましょうか……。
本作について
投稿作品は「【34】BerriesWitch(ジャンル:育成SLG)」
このゲームを作り始めたのは2020年10月ごろ。
過去記事にも記載がある通り、当初はウディフェス公開予定の作品でした。
今回のテーマは「十」だそうで,
「ほーんプラスかぁ...」とかおもってたら「じゅう」でした.なんでもウディフェスの開催が10回目だからだとか.なるほど.しかしまぁありがたいことに「自由な発想」を許していただけるみたいなので,「プラス」と読もうと十を重ねて「#」にしようと「銃」と同音異義語を探してきてもよいわけですね.
「十」を斜めにして「×」.植物同士を掛け合わせる...みたいな?
過去記事からの引用ですが、おおよそ上記のような思いつきと、当時夢中になっていた某ソシャゲに影響を受けた結果、果実育成SLGと相成った訳です。
開発のスピード感としては以下の通り。
2021/10 ~ 2021/12
果実育成のシステム、画面UIはおおよそ完成。
不足はあったものの、この時点で育成部分だけであれば遊べるようになっていました。振り返ってて思ったんですが、UIはこの時点からほとんど変更してないですね。
確か、品評会システムもガワだけはできてたはずです。
~2022/3
品評会の実装、UIの調整
品評会のUIもこの時点からほとんど変わってないですね。この時点で、あとはストーリーさえ実装すれば完成したようなもの!と思ってました。ウディフェスには間に合わないとしても、次年度のウディコンorウディフェスには出せるだろう……なんて考えてました。
~2023/6
地獄の空白期間。(ほとんど開発が進まなかった。というより制作しなかった……?)
新年度から大きく環境が変化したことや、立ち絵のイラストを実装しようとしてかなり時間がかかった(無駄にした)ことが災いして、ゲーム制作どころかゲームで遊ぶことからすら離れてしまっていました。
イラストの件は後述します。自分も考えをまとめたいので。
~2023/7末
残機能の実装、ウディコン投稿
とりあえずイラストを描くことを諦め、完成させることだけを考えて動いてました。幸いほとんどの機能は実装済みだったので、ひと月ほどで片付きました。いったん完成までさせてから絵を描き始めればよかったなぁ。
空白期間を除けば制作期間は半年強といったところでしょうか。
自分の作業ペースや、自分にとって 苦しい/楽しい 作業を把握できた気がします。
失敗・反省
頂いた感想や、開発中に感じたことを踏まえての反省です。
チュートリアル周りで進行不能バグが3件ほどあったようです。
チュートリアル部分は操作を強○する場所が多いのですが、週ごとの操作回数制限やオートセーブ機能と、チュートリアルのイレギュラーな操作は食い合わせが悪かったようです。
「チュートリアルを中断しても、途中からやり直せるように!」と息巻いて実装を進めてましたが、そこまで長いチュートリアルでもないので「チュートリアル中はオートセーブ無効」としてしまうのがいちばん簡単な対応だったかもしれません。(根本のバグは別途解消が必要ですが、少なくとも詰むことは無かったかなぁと思ってます。)
あとは……テストプレイするときにちゃんとテスト観点をまとめればよかったなぁと。チュートリアル部分については、2年前の実装当時の目視テストを行った程度だったので。
(正 / 誤(実装してたもの))
・じきに(直に) / 時期に
・どうりで / どおりで
・~そうそう〇〇 / 早々
長年の勘違いって怖いですね。。
ちょっと似た分野の話として、文章を書く際の「禁則処理」ってのもあると思うんですが、それは詳細までは調べてないので、書き方の不備はまだあるかもしれません。
ただ、三点リーダー(…)を偶数個使うってルールは、途中から気になり始めたので目に付いた範囲で直してます。このルール知ってから商業ゲームのテキスト見ると、「うわ、ちゃんとやってる」って思います……。
一回気になり始めるとなかなか忘れられないもので、他の作品のテキストを見たときも「あっ……」って思うことがありました。(さすがにそれで点数を下げる気つもりはないし、指摘するってのも重箱の隅をつつくようで……、躊躇しちゃいました。)
ピクチャのイージングにも同じようなこと思ってます。
今回はすべてマウス操作ということで、直感的なUI/UXを心掛けました。もっと具体的に言えばソシャゲのボタン配置やエフェクトを参考に画面を作成しました。――と、言うことはですね、ソシャゲには存在しない操作については別途考慮が必要だってことです。
右クリック君、君のことだよ。
本作では、各種メニューからホーム画面への遷移(戻るボタン)と同じ操作を右クリックでもできるようにしていました……が、多分気づいていない方のほうが多そうです。
「全部マウス操作は辛い」という感想をいただいたんですが、上記の機能を示してさえいれば、ある程度楽苦痛を取り除くことができたのかなぁ……と。あとは、連続してクリックされ得るUI同士の距離をもう少し狭める、みたいな工夫の仕方もあったかもしれないですね。
一方で、ソシャゲでは当たり前だけど、マウス操作になったことでできないと思い込まれてしまった操作もある気がしています。具体的には以下の二点。
・イベントの文字送り時にクリックで文字を瞬間表示する機能
・果実長押しで詳細表示する機能
双方ともに割と当たり前の機能な気がしていたんですが、ここら辺もちゃんと説明してあげないといけなかったみたいです。特に長押しについてなんですが、マウスクリックを長押しする機会なんて考えてみればほとんどない(≒直感的ではない)ですよね……。
「文字送りが遅くてストレス」とか「売却時とかに果実の詳細を見たい」みたいなコメントについてはもしかしたらこの機能を示してさえいればなぁ……と。
文字送りについては本当に遅かった可能性もありますがね。(三段階くらいで調整できるようにすればよかったかなぁ)
特に画像・音声系ですね。SEとかBGMとか、イベント時の背景とか。
あとはこれさえ入れれば!!みたいな時間を2週間くらい続けた気がします。2-3日くらい集中すれば終わると思ってました。あるあるだと思うんですけど、イメージ通りの素材を見つけるまで延々とネットサーフィンをする時間、猛烈に体がムズムズしますよね。
公開直前に、「やべ、フォントってttf形式しかだめだった!」ってね。
友達とビデオ通話しながらテストプレイしてもらうまで、本当に意識の外でした。
ttf形式じゃなくても、PC自体にインストールされてればゲーム内に表示されるっぽいですね。
で、同じフォントのotf形式からttf形式に変えたんですけど、「同じフォントならまぁ形式変わっても問題ないでしょ~~」って思ってたら、画面の表示位置が少しずれるわ表示できない文字があるわで、投稿直後に冷や汗かきながら修正しました。
当然っちゃ当然なんですけど、フォントによっては常用外漢字等対応してないことがあるんで……皆さんは同じ轍を踏まないようにご注意くださいませ……。
「欲しかった」って声が多かったんですが……、俺も欲しかった……っ!
ロアとトルテまで、なんなら表情差分まで作ってたんですが、いかんせんイラストを描いたのが初めてだったもんで、「練習しなきゃ!」とか「キャラデザむずい!」とか七転八倒しながらやってたら遂には起き上がれなくなっちゃいました。
立ち絵ばっかりは外部素材を使いたく無かったので、泣く泣くシルエットに……。
というわけで以下のポスト(ツイート)は没案供養です。温かい目で眺めてください泣
https://twitter.com/Labyrith_Hyde/status/1424643913357303811?s=20
https://twitter.com/Labyrith_Hyde/status/1424686730028871689?s=20
こだわった個所
自分のゲームについて語るのは、なんだか手前味噌な感じがして抵抗があるんですがね。どうか後生ですんで、こういうタイミングだけは目をつぶってください。
- UI/UX
反省点の欄にも書きましたが、今回のゲームはソシャゲを参考にしつつ、ほとんどのボタンや画面内オブジェクトを自作しました。その結果(不十分な点もあったとはいえ)直感的な操作や、雰囲気の統一感を出せたのではないかなぁと思っています。所謂トンマナってやつですかね。
余談ですが、ボタンは全部パワポでポチポチ作りました。もうやりません。(サイズの調整が死ぬほど面倒だったから)
できるだけ動きのない個所を作らない
これもUI/UXと言えばそうなんですが。
見出しの通りです。個人的に完全に静止した状態ってあまり好きじゃないというか、不安になるんですよね。多分ウディタをいじっている方も、マップ上のすべてのキャラチップが歩行をやめて完全に画面が静止したら、ちょっと不安になりませんか。
基本的には完全に静止する場所を作らないようにして、画面ににぎやかさを出してます。品評会のシーンも、脈絡なく画面の上下に果実を飛ばすことで、なんか「ゲームしてる!」って感覚になりませんか?なりませんか……。
オートセーブ
何度も何度も言って申し訳ないんですが、今回のゲームはソシャゲを参考にしてます。
というか、ソシャゲしかやってないわ最近。ってことは、セーブを意識的に行うという癖がなくなってしまってるわけでして……。不意にゲームをやめてもちょうどいいところから再開できるし、戦闘とかで敗北しても直前からやり直せる世界に慣れきってしまったんです。
ウディコン点数内訳
『BerriesWitch』
順位:【 12 】位 総得点:【 109.4 】点 【ダウンロード】クリック数:451
【部門別総獲得ポイント】
熱中 30.9点 + 斬新 13.6点 + 物語性 22.3点 + 画像音声 12.2点 + 遊びやすさ 22.9点 + その他 7.5点
【部門別 元ポイント内訳】
熱中度 平均 6.88 (8位:23点) + 合計 516 (15位:8点) + 中央値 7 = 得点 38
斬新さ 平均 6.37 (18位:13点) + 合計 478 (22位:5点) + 中央値 7 = 得点 25
物語性 平均 6.53 (9位:22点) + 合計 490 (17位:7点) + 中央値 7 = 得点 36
画像/音声 平均 6.31 (20位:11点) + 合計 473 (20位:6点) + 中央値 6 = 得点 23
遊びやすさ 平均 6.60 (14位:17点) + 合計 495 (20位:6点) + 中央値 7 = 得点 30
その他 平均 +0.91 (22位:9点) + 合計 68 (22位:5点) + 中央値 1 = 得点 15
頂いたコメント対して
プレイヤーの皆さんに恵まれたのか、誤字だったりバグ以外にはほとんどマイナスの指摘はありませんでした。――と言うとウソになるんですが。まぁありていに言えば人それぞれだなぁって思いながら読んでました。
例えば、「運要素が強くて苦痛」と「試行錯誤するのが楽しかった」ってコメントがあったとして、もうこれはゲーム側で出来ることはほとんど無いんじゃないかなぁと。育成SLGって、ジャンルとしては確立しているものの、あまり好んで遊ばれるジャンルじゃないと思ってるんですが、その経験の有無に起因する、慣れのふれ幅がプレイヤー間で大きいような感じがしました(難易度を下げることはいくらでも出来るは出来るんですが)。
ストーリーについても、「地味」とか「頭に入ってこない」とかあったんですが、その割には物語性の順位が言うほど低くないし……。意外とみんなストーリーちゃんと読んでるんだなぁって感心しちゃいました。本当にありがたい限りです。
イラストについて
以下、2021年3月の日記を一部編集して掲載。
絵を描き始めた。
>「絵がうまくなりたい」という漠然とした思いは、さかのぼれば中学生くらいからあったような気がする。ただ、当然ながら絵がうまくなるには練習が必要なわけで、その頃の自分は絵を描くことは特に好きではなかった気がする。さらに遡って小学生の頃を思い返せば、図工の時間は工作の時ほど心が躍り、絵具を準備しなければならない時ほど気分が沈んだものだ。そんなだから当然真面目に練習なんてしなかったし、そもそも絵がうまくなったところで何かやりたいことがあるわけでもなかった。
ただ、最近になって今度は「練習しなきゃな」と思い始めた。というのも、僕がゲームを作っていることはこれまでの日記にも記したが、絵が描けるか否かでゲームの質が大きく上下するのでは?と思ったからだ。
そりゃ「絵のうまさ=ゲームの面白さ」だなんて暴論を言う気はない。が、フリーゲーム配信サイトに並ぶ数多のゲームから、人々は、何を基準にDLするゲーム選ぶだろうか。(中略)
そんな中で、(ほかのゲームとほとんどシステムが変わらなくても)見た目を引くイラストがサムネイルとして飾られていたらどうだろうか。というのが僕の言いたいことである。
だから、人のゲームを見た時に「もっとビジュアルこだわれよ」なんて微塵たりとも思わない。あくまで僕自身が「ビジュアルを伴ったゲームを作りたい」と思っている理由を述べたに過ぎない。
ゲーム制作者はそのほとんどがさっき言ったマップチップやアイコン等、無料・有料を問わず配布されているもの(これを素材と言い、配布している人を素材屋と呼んだりする)を使用することとなる。マップチップ程度なら被っても、そこまで大きな痛手ではない、と思う(最近だととあるネトゲとコンシューマのエンジンが同じせいで、フィールドの質感が似ているなんてことが話題になったが。これをパクリと呼ぶ人はよほどの考えなし以外はいないだろう)。ただ、それがキャラクターの立ち絵だったらどうだろう。異なるゲームで、自分の良く知るキャラグラが使われていたら、没入感が損なわれてしまうことは考えるまでもない。
ここまでいろいろと上から目線で書いたが、要は「自分で書いた神絵(希望)を権利や被る心配などを考えずにゲームに使いたい」ということだ。
すごい絵がうまい人をツイッターで見つけて、ホーム画面に「趣味でゲーム制作しています」という一文を見つけた時の焦りはきっと伝わらないだろう。そして、TLを眺める限りながらくゲーム制作をしていないことが分かったときの、劣等感からくる安心も、きっと伝わらないだろう。そんな自分を逃がすために絵を描くのである。
文体の恥ずかしさは置いといて、上記の内容がおおよそ私が考えていることです。
かいつまんで書くと以下の通り
ずーっと絵がうまい人に憧れてたけど、別段絵を描く理由も目的もなかったし、練習も(多少したことがあるとはいえ)長続きしなかった。ゲーム制作を行う上でも、ネット上にはありがたいことに高品質な素材が山ほどある。ただ、品質の高い素材ほど皆に使われるから、どうしたってほかのゲームと被る。それがマップチップとかならまだいいけど、立ち絵の被りはさすがに許容できないんじゃない?
だから絵を描こう、今気づけて良かった。まだ死ぬまで時間がある。
あと、自分で絵を描けば権利とか気にしないでジャンジャン使えるじゃん。
まぁ、「まだいい」とか「許容できない」というのはあくまで私個人の感想だってことは前提としてですね。やっぱりぱっと見の見た目って大事だと思うんです。今回のウディコンでいえば、【文無し行商人の遺跡探索】なんか、だーーっと画面をスクロールしてて目に留まった!って人いるんじゃないかなぁと。(と友達に言ったら、一目でジャンルがわからないから……って言われたんで、ほんとここら辺は人それぞれ!)
あれとまったく同じシステムのゲームで、サムネがゲームのスクショだけのものがあったとしたら、そもそものDL数が大きく変わりそうだなぁって。
でまぁ練習を始めて、割とコツをつかめてきて、これならすぐに立ち絵描けるかも!って思ったんですけどね。やっぱりそうなるとこれまでの人生で蔑ろにしてきた物事のしわ寄せがくるわけですわ。
髪型も服装も興味がない、ゲームばかりやってる子供だったんですが、そうなるとどういう髪型がかわいいの?とか、服ってどういう構造してるの?ってのがまったく直感的にわからない。なんなら2人キャラを作った時点で自分の中の引き出しにはキャラデザのストックがなくなってしまってモチベが下がり、時期的に絵の技量が上達しにくくなる段階に差し掛かってさらにモチベが下がり……てかゲームのほうもまだ未完成の要素あるじゃん、と自分で自分にトドメをさし、気が付いたら一年経ってました。
とまぁそんなこんなで、「苦労した結果、結局今回は実らなかったよ」という後味の悪い話ですが、性懲りもなく絵の練習は続けてるので、次は何かしら(もっと簡単に実装できる方法で)イラストをゲーム中に出したいと思ってます。
絶対に絶対に、ゲーム自体は遊べるようになってから絵を描き始めるぞ。
というわけで、なんか死ぬほど読みづらい文章になったかもしませんが、今回はここまで。重ねてにはなりますが、今回拙作を手に取ってくださった皆様、投票してくださった皆様、誠にありがとうございました。
今回、他の作品をプレイしてて、「セーブ忘れた!」って何度思ったことか。RPGというゲーム形態的にセーブ機能はあってしかるべきものなのかもしれないんですが、それはそうと巻き戻ってしまったタイミングでの徒労感は、フリゲにとっては割と致命的かなぁって思いました。セーブに特別な理由とか演出がないのであれば、区切りのいいタイミングでセーブが欲しいものです。
と、いろいろと語ってしまいましたが、要は、俺みたいなめんどくさい奴を黙らせるためにオートセーブを実装しました。(それがバグの原因になってるから世話ないな。)