マユとイト後日譚 『夏へ至る君の風』（前編）

皆様、こんにちは。高帆按樹です。
最近すごく暑くなってきましたが皆様どうお過ごしでしょうか。
私は最近”飲むお酢”にハマっています。継続して飲んでいると疲労を感じにくくなって、日中パワフルに活動できるようになったのでオススメです！

マユとイト 後日譚

さて、本日から二回に分けて、フリーゲーム『マユとイト』の後日譚を投稿していきます。
本編から5年後の世界で、彼女は何を思うのか。

無料プランに加入すると前編をすべて読むことができるので、まだの方はこの機会にご加入ください！
アカウントを持っていない方も、各種SNSアカウントを使って簡単に登録できますよ！

『夏へ至る君の風』（前編）

暑い。暑すぎる。まだ6月だというのに、真夏のような暑さだ。こんな日は、涼しい部屋で冷たい麦茶を飲みながら読書をするのがいいだろうか。そんなことを思いながら、自宅へと歩を進める。
「ただいまー。」
玄関のドアを開けると、涼しく快適な空間が私を迎え入れてくれる。
この家に来てから、もう5年目になるだろうか。幼い頃、父親に捨てられてしまった私は、偶然近くに住んでいた研究者――ハマお姉さんに拾われ、共に暮らしていた。私にとっては幸せな日々だったけれど、お姉さんはいわゆる人体実験に、私を使っていたらしい。らしい、というのは私に当時の記憶も傷も、何も残っていないからだ。忘れてしまったのか、それとも忘れたいと心が無意識に思っているのか。どちらなのかは分からないが、そんな私を保護してくれたのが、ヒエンお姉ちゃんとゴリお兄ちゃんだった。今はお姉ちゃんの家で一緒に暮らすことになり、平凡だが幸せな毎日を送っている。