新井健史&進行豹 2020/06/14 23:34

第19回:耳で聴く!!! 『リテイク音源と差し替えよう!!!』 (進行豹

こんばんわです! 進行豹でございます!!!

新井健史&進行豹のお送りする 新シリーズの第一弾!
『商用フリーの100円ループ環境音 VOL.1 温泉湯船環境音(録音地:福島県飯坂温泉)』
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ284159.html

をつかって、わたくしシナリオライター進行豹が、
初挑戦となる音声編集を含めてまるっと一本の無償公開バイノーラルボイスコンテンツをつくってみよう! というコーナー!

『バイノーラル音声作品をつくってみよう!』

前回の第18回
https://ci-en.net/creator/4364/article/330156


では、スタジオ収録しました音を、ついに編集開始しました!


今作ヒロイン、伊澄みずきちゃん役の声優、水野七海さんのお声&お芝居と、みんれっくスタジオ太田さんのレコーディングのおかげで、極めてノイズ少なく、整音ほぼほぼ不要! だったおかげではございますのですけれど!

それでもやはり、「はじめてにしてはなかなかなのでは!?」と、わたくしてきには思わざるを得ない出来でございます!


ので、ここはもう一段階レベルの高い作業!

『リテイク部分の差し替え』をやってまいりましょう!!!



リテイクとはなにか?

それは Re-テイク。

つまりは「録リ直し」のことでございます。

たとえば

「お蕎麦が食べたい! うどんじじゃいや!!」というセリフがあったとして。

声優さんが香川県出身の方だったりして。

ちゃんと読んでくださってるつもりなのに、無意識の恐るべき働きで

「うどんが食べたい! お蕎麦じゃいや!!」と発声されてしまったり――みたいなことが、現場では実際起こり得るのです!

そのとき、気づいた誰かが「セリフ違いですね」と指摘をすれば、録りなおし――リテイクが発声します。

一番最初の読みミスしたテイク(本線)がtake1ですので、一回目の修正テイクは「take2」となります。

読みミスが万一重なってしまった場合には、take3、take4――と、OKテイクがあがってくるまでリテイクが重なっていきます。

もちろん台本そのものにミスがあり。演者さんが気づいてご指摘くださっての、「台本修正にともなうリテイク」、などが発生してしまうこともあります。
あるいは、想定していたよりも演者さんが声を張ってくださり、収録ボイスが音割れになってしあう――等の、エンジニアさん都合でのリテイクが発生してしまうことだってございます。

ミスが一個もない現場はもちろん理想なのでしょうが、それはなかなか実際には難しいものですので。

『もしミスが発生してしまっても、間違ってもいやな顔をしたりカリカリしたりしない』というのは。
大変に大切なこころがけのひとつなのではないかなぁ、と、わたくしは、自分の経験からは思ったりもいたします。

台本修正にともなうリテイクいただいたときなどには本当に痛感しますが
「ミスしてしまった人間が一番いたたまれない思いをしてるし反省してる」ケースがほとんどかと想像しますので。
そこに誰かが追い打ちをかけてしまっても――ほぼほぼほぼほぼ確実に、いい結果は出ないかと存じます。



で。

そういった単純ミスの修正以外にもリテイクが発生することがあります。

それは『いただいたお芝居の方向性についてのご相談をして、<修正しよう>との合意にいたった場合のリテイクです』

これについては、言葉で説明するのがとても難しく思われましたので。

お断りされるのを当然のこととした上で、今回のヒロイン、伊澄みずきちゃんをお演じくださった声優の水野七海さん @mzn773 に

『take1とtake2を並べて聞いてもらって、その辺のご説明させていただいくのって、やっても平気でしょうか?』

とお伺いしたところ。

『よござんす』との趣旨のご快諾をいただけましたので!!!

こちら!  たいっへん貴重でありがたいことに!!!

『リテイク前』『リテイク後』の、両音源を並べてお聴きいいただきながらのご説明をさせていただくことが叶いました!!!!

この辺ご興味お持ちくださってた方がいらっしゃいましたら!

水野さんに五体投地かなんかで最大限の感謝を捧げつつ! ぜひぜひヘッドホンかイヤホンご装着の上!
お聴きいただけましたら幸いです!

では、take1=<リテイク前>を流します。

……素敵です。みずきちゃんの元スポーツ少女らしさ、快活さをまっすぐに魅力的に出してくださっています。


ただ! これは『萌えコンテンツ』であり、しかもものすごく短い作品ですので――
“できるだけ早期に、みずきちゃんを「かわいい」と思っていただく必要がある”と、わたくしは判断いたしました。

そうして、その判断をベースにいただいたお芝居を聞きますと、

「みずきちゃんの強気さと快活さが、押し付けがましさに聞こえてしまいかねない」

という懸念を覚えてしまいました。


ですので、水野さんにその旨ご説明し、

「もう少し、『両腕を骨折させちゃって申し訳ないという気持ち』がより色濃く表にでてるみずきちゃんをいただくことって可能でしょうか?」

と、ご相談してみました。

と、水野さん、すぐにわたくしがお伝えしたかったことをご理解くださいまして。

リテイクいただいたお芝居(take2)が、このようになりました。

――素晴らしいです!!! 「こういうこと!!」 って感じです!!!

~~風邪までひいてほしくないんだ。

までは、take1と同じ方向性の、スポーツ少女らしい一本気さを見せてくださり。
けれど「ぁ」と小さなニュアンスを挟むことにより、『みずきちゃんの気づき≒思いやり』を表現くださり。
そのあとの柔らかで、ちょっと恥じらいもまじってきたお芝居で『みずきちゃんの女の子としての可愛らしい一面』を出してくださる。


結果、ぐぐぐぐぐ!!!! っと! みずきちゃんの表情が豊かになり、「魅力、可愛らしさ」を表出させていただくことができました!!



で(わたくしの認識の中で)大事なのは。

このリテイクをいただいたことにより、

『わたくしが認めているみずきちゃん像』を、『水野さん』(および、エンジニアくださっている太田さんと)

『ご認識いただけ、すりあわせていくことが出来た』ということなのです。


ここでリテイクいただくことで、水野さんの中のでのみずきちゃん像にもよりやわらかな一面が加わり、そのあとのお芝居全部が、その方向に変化します。


いただくお芝居の中にはもちろん、脳内のイメージを遥かに上回る素敵なものもございますので、そうしたところはありがたく活かさせていただき。

「ここは直していただいたほうがよりよくなりそう!」という点に関しては上記のようにご相談して、その要がやはりあるならリテイクをお願いして。

そのようにして、収録にかかわる全員の共同作業として、一本の音源を完成させていくのが――スタジオ収録ではないか、と、わたくしとしては感じております。



「ん?」と思うところがあった場合に

・その都度止めたほうがいいのか
・メモ等しておいて、あとでまとめて確認をした方がいいのか

等は、演者さんや、スタジオさんの方針によって、ケースバイケースかと存じます。


ので、収録前にそこも確認しておいて、『収録の進め方』を全体共有しておくのも、とても大事なことでしょう。
(スタジオ側のディレクターさんがついてくださるなら、その辺のことは一番最初にやってくださるかと思いますので、おまかせしましょう。もしわかんないことがあったら、収録前に確認しておきましょう



と、話が盛大にそれてしまいましたが、いまやるべきは編集です。

take2の方がやはり「より、もっていきたいヒロイン像と合致する」ことが編集段階でも確認できましたので、本線の当該部分を、take2と差し替え編集いたします。

収録済みの音源をどのような形式でいただけるかも、スタジオさんとのお打ち合わせ次第ですが、今回の収録においてはこのような形式でいただきました。


01,02が収録前のテストの音源。
03が、頭からしっぽまで、まるっとtake1の音源が入っている音源(本線)。
で、04以降が、それぞれのリテイク音源です。

みんれっくスタジオ太田さんのように丁寧なお仕事をくださるエンジニアさんなら、

収録台本に、『どのトラックにどのテイクが入っているかをめっちゃわかりやすく書き込んでくださってるので』(そして何度も何度も書くように、録り音ほんっと綺麗ですので)
編集においてやることは


1: 収録台本を見て、リテイク部分がどこなのかを確認し、リテイクいただいた音源を聞いて確認する

2: 本線の音源から、リテイクいただいた部分に相当する部分をカットする

3: リテイクいただいた音源をコピーして、同じ部分にはりつける

4: 修正音源を前後通してきいて、違和感なくつながっていることを確認する

のみとなります。

万一違和感出てしまった場合にどうするかもケースバイケースとなりますが、そうならないよう

『リテイクいただいたときは、前後とのつながりをその場で確認しておく』のが、一番安全なやり方であることも、一応付記しておきます。

ただ、リテイク多くなってしまったときに全部でそれやってると、エンジニアさんのご負担も大きくなるし、演者さんをおまたせする時間も長くなるし、総収録時間=スタジオレンタル料もかさむしで、かなり厳しくなってきます。


ので、「あ、ここ前後のつながりどうだろう」というのを、エンジニアさんや、いてくださればスタジオディレクターさん、あるいは演者さんご本人にお伺いして、その辺の感覚磨くというのも(わたくし自身が出来ているかは別の話として)大変に大事なことかとも思います。



で、そのように音声トラックが修正できたら、
前回ミキシングしたトラックの旧音声トラックと差し替えて、ミックスしたものをきいてみます。


<修正前>

<修正後>


うん!!! やはりぐっと良くなっていると、わたくしとしては感じます!!!

これこのような感じでリライク音源を本線音源に実装していって、ペラ音等のノイズもあわせて除去していけば『ボイストラック』は完成します!

けれど、『ボイストラック』『環境音トラック』だけでは、ASMR作品としてはなかなかに成立しづらくなってしまうでしょう。

なんとなれば。
ASMR要素の、ボイスと並んでのキモとなる。

『効果音トラック』が、すっかすかだからでございます!!!


のでので次回は 

「足りない効果音を録ってみよう!!」をやりたく思います!

ただ来週はお仕事ぎちぎちにつまりますため更新まで、間あいちゃうかもしれません!!

一番遅くても24日水曜までにはと思いますので、どぞ、のんびりめにお待ちください!!!


それでは、また!!! 

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