第13回:書いた台本を誰かにみてもらおー!(進行豹
こんばんわです! 進行豹でございます!!!
新井健史&進行豹のお送りする 新シリーズの第一弾!
『商用フリーの100円ループ環境音 VOL.1 温泉湯船環境音(録音地:福島県飯坂温泉)』
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ284159.html
をつかって、わたくしシナリオライター進行豹が、
初挑戦となる音声編集を含めてまるっと一本の無償公開バイノーラルボイスコンテンツをつくってみよう! というコーナー!
『バイノーラル音声作品をつくってみよう!』
前回の第12回
https://ci-en.net/creator/4364/article/294251
では求人掲示板を使ってのイラストレイターさん募集強化などをしてみました。
その甲斐あってかイラストレイターさんからのご応募をいただくことができ!
これで、イラストをどなたかにお願いできる、ということは確定いたしました!
プロジェクト、大変順調でございます!!!
のですが、募集終了も、音声収録もまだちょっと先のこととなりますので、この空き時間を利用いたしまして、
わたくし、短めのシナリオを一本執筆いたしました!!
何のシナリオか――というと。本企画で制作するバイノーラルボイスドラマ『両腕骨折温泉』のヒロイン、
伊澄みずきちゃんをお演じくださる声優さんへの収録御礼の一部として原稿料があてられることとなります、
同声優さんから執筆ご依頼いただきました、バイノーラルボイスドラマ台本、でございます(ややこしい
わたくしはありとあらゆる原稿を、それがどのような大至急依頼をいただいておりますものであれ『初稿』としてご提出いたします。
もちろん、初稿=ご納品稿となっても問題ないようには執筆しておりますのですが、
基本的には
「原稿提出」→「ご確認いただき、修正必要な点等をチェックバックいただく」→「修正稿をご提出」
を繰り返し、問題点がゼロになったらご納品、というプロセスを減ることで、クライアントさんにご満足いただくと同時に、わたくしも納得できる仕上がりのものをご納品することが理想――と考えておりますからです。
かなりのボリュームと複雑さを持つシナリオに一発オッケーをいただけて、誤脱だけとってご納品――と運ぶこともあれば。
短い作品なのに事前のすり合わせ時点での誤解が生じてしまっており、誤解が生じていることを双方気づけずにやり取りを重ねてしまう……的なハマり方をし、四稿、五稿と修正が重なっていくこともございます。
どのような過程を経た原稿にせよ、『この完成度でご納品したくない』という仕上がりで納品をせざるを得なくなる……的な経験は、少なくともゲーム/音声作品シナリオにおいてはただの一度もございませんので、わたくしはつくづく、クライアントさんとのご縁にめぐまれている書き手なのだな、と存じます。
で。
今回のクライアントさんは、現役バリバリ一線級の声優さんなので、どんなお戻しをいただけるのか、わたくし内心わくわくとしておりました。
「演者さんがどういう視点で、どういうポイントを重要視して台本チェックをくださってるのか」を、ひょっとしたなら、お戻しいただく内容から学ばせていただくことが叶うかも――と、考えておりましたがためです。
そうして。
初稿をご提出し、お戻しをいただいたその瞬間に、わたくしは自らの希望が叶ったことを理解――いいえ、体感いたしました。
「あーあーなるほど!!!!!!!」
って感じです!!!!
以下、クライアントさんの許諾をいただきました上で、
<修正前の原稿>
<いただいたお戻し>
<修正後の原稿>
を、いくつかご紹介できればと思います。
/////////////////////////////
■ リスナーさんに、耳で聞いたときぱっとご理解いただけることを重視してのお戻し
<修正前>
「……それだけに、きちんとした構成作家さんの脚本(ほん)で演りたいなぁ、とか
<いただいたお戻し>
※追加で「できれば」を立てて言うことで、へりくだってお願いするキャラ感を出してみたいのと、
ユーザーさん的に、業界用語っぽさよりも一般的な読み方のほうがすんなり頭に入るかなと思いました。
<修正後>
「……それだけに、できればきちんとした構成作家さんの台本で演りたいなぁ、とか、
///
■ セリフと効果音との相乗効果を生むためのお戻し
<修正前>
;SE カーペットの足音、駆け寄ってくる
;1/前
「聞いてよね? 聞こえたよね!!? ね、おにいちゃん台本とか書けたりしない!?
コミケで同人誌とか出してるんだから! 台本くらい――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
<いただいたお戻し>
→この台詞の前に足音SEで駆け寄ってくるので、SEと同時に「ねぇねぇねぇねぇ!」と言いながら9→1まで近寄る演出はどうでしょう?
<修正後>
;SE カーペット、力入ってる足音
;9/前遠→;1/前
「ねぇねぇねぇねぇ、おにいちゃん!!」
「聞いてたよね? 聞こえたよね!!?
ね、台本とか書けたりしない?
おにいちゃん、同人誌とか出してるんだし――(呼吸音)(呼吸音)え~!?」
///
■ 効果音&セリフのわかりづらさを補うためのお戻し
<修正前>
;SE 軽快なキータイプの音 30秒ほど
「(集中した呼吸とニュアンスを20秒)――。ん。で、これをタイプしてメール――送信!!!
<お戻し>
→(1)「ん。で、これをコピペして、メール――送信!!!」
(2)「ん。で、これをマネージャーに……送信!!!」
※「タイプ」を音で聴くと若干伝わりにくいので、1,2のいずれかで如何かなと思いました。
<修正後>
;SE 軽快なキータイプの音 10秒ほど
「(集中した呼吸とニュアンスをを10秒)――よーし。ん……っと(呼吸音)(呼吸音)――誤字脱字もなし! 完璧!!!」
;$=SE マウスクリック音
「これをマネージャーにメールで――$――送信!!!
よーしおわった!!!! 書けた! できた!!! チェック待ちまでひとだんらくだー!」
■ 言葉探しのセンスのよさゆえのお戻し
<修正前>
「……綺麗。えへへっ、悩んで苦しんでクサクサしてたの
<お戻し>
→「悩んで苦しんで"じめじめ"してたの~~~~」
※「クサクサ」の辞書の意味は確かにヒロインの状況にぴったりなのですが、少々聞きなれない表現かと思いまして…
梅雨っぽさも表現できそうな「じめじめ」(または「うじうじ」?)だとどうでしょうか。
<修正前後>
「……綺麗。えへへっ、悩んで苦しんでじめじめしてたの
/////////////////////////////
――伝わりますでしょうか?
いただきましたものたち、『音と言葉が流れよく、わかりやすく、リスナーさんのお耳に、脳に届くように』というポイントを細やかに検証されてのお戻し、なのでございます!
つまりはクライアントさんが、普段からそのような点をご意識の上で、キャラクターに声と魂とをお与えくださってる、ということですので――
わたくし、大きな学びを得させていただくと同時に。同台本を、そして『両腕骨折温泉』を、きっと素晴らしく演じていただけるであろうこと、大きな喜びとともに確信した次第でございます。
こちらの台本につきましても、クライアント様からなんらかの発表があり次第で追随でご紹介させていただきます!
どうぞご期待&ご聴取可能な方におかれましては、ぜひぜひぜひぜひお聴きいただけましたら嬉しいです!!!
&これこのように
「書いた台本を『台本が使われれる媒体における表現がどのようなものか』ということに対し、見識を有してらっしゃる方」に見ていただくのは台本のクオリティアップに寄与する可能性が高い行為かと存じますので、可能であればばしばしとそのようにしていくとよいのではないかと存じます!!
というわけで、本日のところはこの辺で。
次回更新はあさってかしあさってになるかと存じます!
それでは!!!