癒し音響研究所 2020/04/16 08:07

RIP

少し前、世間でコロナが騒がれる前

父が逝った。

元々心臓が弱く、不摂生により糖尿、晩年は認知症を患い、最期は肺炎だった。

私は父とあまり一緒に暮らしたことが無い。

最後に居を同じにしたのはかれこれ15年ほど前だろうか、

決して不仲というわけでもなく、

ただ「どう接していいかがわからない」

そんな関係だったように思う。

15年ほど前、一緒に暮らしていた時

父は認知症と糖尿の影響で仕事を辞め、それでも新たに働こうと日々履歴書を書き、面接のアポを取っていたように思う。(なんと勤勉なことか)

認知症と一言で言ってもの症状は様々で

症状が進行した人はそれこそ記憶喪失のようになったりもするのだが

当時の父の症状は幸いそれほどでもなく

「服の裏表がわからない」

「部屋の電気の付け方がわからない」

といった物であったように思う。どこか少しおかしい、そんな程度だった。

その後私は家を出て、また数年合わないうちに多少症状が進行したのか

数年前、施設に入ったと連絡を受け、見舞いに行った時には

時間の感覚がおそらくおかしくなっていたと思う。

その頃の私はすでに作曲を仕事にしており、

ヒーリングミュージックというものの存在も知っていた。

施設の部屋で噛み合わない会話をしながら

父の認知症を治療、と言わずとも改善させる音楽が作れないか、と思ったのが

そもそも癒し音響研究所という活動を始めたきっかけのような物だったように思う。


認知症は脳内に悪性のタンパク質の塊が出来、脳内の信号のやりとりを阻害する事が原因で起こる。

それならば脳の血行が良くなればそもそもタンパク質など押し流せるのでは。。。

いやいや脳内の信号はつまり脳波だ、それなら脳波を操作するような音があれば。。。

そもそも脳はほとんど水分だ、特定の振動を送る事ができたら。。。


そんな事を考えるうちに、ヘミシンクや純正律、ソルフェジオ周波数さらには瞑想や真言などなど

様々な技術と知識を吸収していった。


危篤状態だという連絡をうけた。iphoneにヘミシンクを使用した楽曲をいくつも入れ

病院に向かったのだが、結果は肺炎だ。脳波操作の出る幕はない。


数日後、葬儀屋の霊安室で遺体と対面した時、どうして良いかわからずとりあえず光明真言と不動明王真言を唱えた。あっているのかわからないけどその二つだけ覚えていたので。

結局真言は死者ではなく生きている者に効くわけで、おかげでその後待ち受ける雑多な処理を取り乱すこともなく黙々とこなす事が出来たように思う。

父の人生は果たして幸せな物だったのだろうかと考えてみたが、それも無粋なことだと思ってやめた。座禅でお世話になっているお寺でよく和尚様がいうのだが

結局幸せという「物」はない。幸せだと思う当事者がいるだけだ。結局当事者にしかわからない。

自分が幸せだと思えば幸せ

不幸だと思えば不幸

全ては心の置き方なのだろう。

__________________________________

長くなってしまいましたが、どこかで独白させて欲しかったので。


私自身はというと、幸か不幸か、坐禅や仕事柄よく聴くヘミシンクの効果か

父の死に少しも動じることなく日々の暮らしに戻っています。

どうぞご心配なく。


父には間に合わなかったけれど、

未来、何処かで困っている誰かのため

より効果のある特殊音響音源を制作したいと思いますので

今後ともよろしくお願いします。

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