『コレクターズ』を読んで
『コレクターズ』を読んでください。実に文学的な本です。
本好きの忍と、服好きの貴子の二人が送る百合っぷり4コマ漫画です。
これほど真理に近づいた作品が果たしてこれまであったでしょうか。
真理その一。
「本の置き場に困って蔵書の一部を捨てるなら、未読の本から捨てるべき」
一度読んだ本は自分にとっての外部記憶装置となります。脳の延長のような存在です。それに対して、未読の本は自分とまだ接点がありません。主人公はこれを作中で「シナプスが繋がっていない」と表現していますが、まさにその通りだと思います。
すでに読み終わった本なら、後日記憶を引き出すためにそれを参照する可能性がありますが、読んでいない本にそのような機会はありません。
真理その二。
「二十三の私には二十三の私に、二十四の私には二十四の私に似合う服があるの」
だから毎年服は増えていく、という話の続きです。
やっぱり若い頃にしか着れない服は多いです。周りの目も気になるし、それ以前に自身も歳を重ねるごとに老けていき、似合わなくなってくるのです。
一着あれば次の年に着られる服もありますが、翌年には翌年の流行が訪れます。
他にも様々な名台詞が出てきます。
「人柄は装いに現れる」
「人柄は本棚に現れる」
などなど。
忍は人を知性で、貴子は品性で測る人柄が現れています。
この凸凹コンビでないと出せない掛け合いがいろいろあります。