感情か、論理か

結局、人間の意思決定は論理よりも感情に基づいて行われるのではないか、という考えが最近私の中で強まっています。
この考えが強くなり始めたきっかけは自覚している限りで二つあります。
一つは、転職していわゆるリレーションシップ営業というスタイルの仕事に就いたこと。もう一つは、『「感情」から書く脚本術」』という映画の脚本の指南書を読んだこと。

まず一つ目のきっかけについて。
私は現職含め三社経験していて、どの会社も有形商材のBtoB営業というのは同じですけど、各社営業スタイルが異なります。現職はリレーションシップ営業の色合いが極めて強く、業界全体がそのような風土です。要は昔ながらの古い体質の残った業界ということですね。逆に言うと、昔ながらのやり方でもそのままやっていけてしまう業界、ということなのかもしれません。一社目が印刷会社であった私にとっては結構それはカルチャーショックなのですが、世の中そういう業界も案外まだまだ多いのかな、とも感じています。

そして二つ目。
これはプロットで観客の興味を引くこともさることながら、まずは登場人物の魅力を訴えて共感を抱いてもらうことの重要性を説いています。
本を読んだだけで考えが変わるなんて恐ろしい話ですが、変わりつつあった考えを同じベクトルに補強する材料が入ってきてますますそれが強まった、という感じでしょうか。

昔は、というのは学生の頃は、今よりもずっと論理性に偏った頭をしていました。ところが仕事でも趣味でも「モノを売る」ということをしているうちに、結局人間の購買行動という意思決定は論理性よりも情緒性に依存しているのではないか? という考えがよぎるようになったのです。
マーケティングの細かい話をするとこんな簡単に一概に言えたことではありませんが、つまるところはこの二つの対立によってなされるものだと思います、人間の意思決定というのは。

行動主義では全ての意思決定は機械的に説明できるという考えですが、ねずみにも一匹ずつ生まれつき性格があるように、人間の一人ひとりにも個性があります。その上で、外界からの刺激とそれに対する反応を繰り返してどんな生き方をすれば効率がよいのか学習して形成されるのが性格です。先天的に有する性質と、後天的に得た性格は複雑に絡み合い、はたから見れば到底合理的には見えない感情的な行動が出力されうるのだと思います。
行動主義者に言わせれば感情による意思決定も機械的に説明できるのでしょうけど。

最近、興味深い指摘をいただいたので紹介したいと思います。

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