2023年4月21日 低栄養について

一ヵ月ほど空いてしまいました
年度末・年初は何かとやることが多いのでということにしておいてください(言い訳)




最近の日本人(特に高齢者)の栄養状態が非常に良くない状態に陥ってきています
ここ数日で栄養失調(本人は栄養を摂っていると主張)の高齢者が立て続けに来店されています


本人曰く、多くの人が「お昼に管理栄養士が監修している弁当を食べているから、栄養状態は良いはずだ」と言われますが、実際にその弁当を食べているのは平日の昼間だけだったりします
その弁当の質がどういったものかは分かりかねますが、基本的に弁当ですので、三食食べることを想定して作られていると思います
つまり、栄養バランスが良い弁当を昼のみ食べていたら、一日で必要な栄養素の33%しか補えないという計算になります

料理を作るのがメンドクサイ・買いに行くのがメンドクサイ・起きた時間が遅かったので朝食を抜いた
などは頻繁に聞く話で、昼間は栄養バランスの良い食事をしていても、朝食と夕食の分の栄養素が補給出来ていない状態になっています

本人は管理栄養士の作った弁当を食べているから栄養バランスは良いと思い込んでいても、実際には必要な栄養素の33%しか摂れていない状態が続くことで知らないうちに栄養失調になっているようです



最近来られた人で多かったのは「入院した後に調子が悪い」という人で、恐らく入院中に筋肉量と体力が減り、運動できなくなった・・・という可能性が非常に高いです

病院で血液検査をしていると言われますが、アルブミン値まで調べていないか、アミノレバンなどを投薬しても栄養素が足りない可能性が高いと思われます

一ヵ月ほど入院すると、健康な20代の人でも体調不良を訴えることがありますので、高齢の人だと入院前に戻るのは難しくなってくるのでしょう



では低栄養だとどういう症状が出てくるのかと言いますと、
(栄養が無いので)日常生活に支障が出てきます
眩暈や頭痛といった栄養失調とは無縁のような症状もありますが、典型的なのが「手足の浮腫み」です(特に足)

体の末端の水分は膠質浸透圧で血液に戻って体内を循環して、余分な水分は腎臓で濾過されて尿として排泄されますが、
低栄養→アルブミン値が低い→膠質浸透圧が低い→血液が末端の水分を運ぶ能力が無い→浮腫みが出る


数日前に腹水の症状を訴える人が来店されて、今の日本人でここまで栄養状態の悪い人が居るんだと思いました
餓鬼のイラストは手足が細くてお腹が膨れていますが、餓鬼のイラストは低栄養の状態を表しています

つまり、その当時はそういう人が当たり前に居たということです
今の日本ではお目にかからなくなりましたが、その状態になったら即入院してるんでしょう

もちろん、肝硬変や腎機能低下の可能性もありますが、病歴や食事内容を確認すると低栄養を疑わないといけない人が非常に多いです

自分ではちゃんと食べているつもりでも、全然栄養素が足りていない人が多いです
特に低所得者になるほど、たんぱく質を食べれずに(高くて買えない)、糖質の食品ばかり食べる傾向にあります
そのため、低所得者は糖尿病の割合が高くなっています


コロナ禍の影響で冷凍食品も増えましたが、栄養補給という意味では色んな食材をシッカリ食べるのが重要です
特に高齢者や女性は必要量を食べない(食べれない)人も多いので、保健薬での補助が必要になってきます(サプリメントでは栄養素の含有量が少ない物が多いので、医薬品の栄養剤(保健薬)を飲んでください)

独り暮らしの人も料理をするのをめんどくさがって食べない傾向になります
外食や総菜では糖質過多・塩分過多になりやすいので、自炊を推奨します

実際、料理を作る&後片付けはメンドクサイのですが、健康でいるためには必須ですので自炊してください


特にタンパク質が圧倒的に足りて居ません
目安として60kgの人は60-90gのタンパク質を摂取してください

自分の体重/1000が最低限必要なたんぱく質量
1.5倍ぐらい多めに摂っても問題ありません

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