ProjectRepadars 2022/05/29 10:43

あやよさんSS「ちょこちょこ大作戦」

□前書き


2003年ごろに作られた個人誌に収録されたSSです。こちらもボイス化されドラマCDにも収録されましたが、封印指定となりました。

□ちょこちょこ大作戦っ!

 折りしも季節は、バレンタインデー。
 彼氏の居ないあやよさんとトモコさんにとって無縁の一日が、今回の舞台でありました。

「トモコちゃん、トモコちゃんやべぇーっす、超大変ですっ!!
 凄げーえ転校生が現れたんですよ、あんた椅子に腰掛けてポッキーなんか口にしながら鼻くそほじくってる場合じゃねえっすよっ!!」

「いや、転校生がどうとかなんてどーでもいいんだけど。
 それよか、あやよぴょんが興味を持つなんて、転校生はどんな生物なんだ?」
 ほじほじした鼻くそをピーンと飛ばしながら、トモコはあやよの一大事を斜め路線でだるそうに耳を傾ける。

「名前が、ウマナミーゼ君って言うアメリカ人ですっ!
 コイツはすげい太っくて熱くて、どろろんどろろんな股間をしているに違いませんぜ旦那っ!!」

「馬並み………ネタ?」
「失礼な女ですね、ネタじゃねえっすよっ!!
 とにかくあれが物凄いとかそんな感じの噂で、フルネームではウマナミーゼ・ニヤ・レマッセダンナーだってばよっ!!」

「馬並みに犯れまっせ旦那。ますますネタじゃねーかっ!! おいおい姉ちゃん、人をからかうのにも限度という物があるぜ。仏の顔も三度まで、そろそろこっちの我慢も限界ってなもんだ。
 よう姉ちゃんよ、ここらでお前のパパリンがうちの組にどれぐらい借金を抱えているのか………そろそろ理解してもいいんでないかい?」

「ひぃー、代貸さん許してください。お父ちゃんの借金の事は待ってくれるって……」
 パシッと教科書を丸めた物で攻撃を加えられたあやよは、そのまま床にしゃがみこんでおいおいと泣き始めた。
 ここは教室で学校生活を送っている最中だと言う事実は、単なる杞憂に過ぎない。

「待たせている側の態度がこれじゃあねえー、お前さん。
 本当に、期日までに足並み揃えて返済できる宛てはあるのかえ?」
「は…はいぃぃ…まだですぅ」
「ほほう。まだ定まっていないとな。ならば、お前の身体で利息分を払ってもらうまでだ………そーれー帯がくるくる廻っていくぞー!!」

 怯えるあやよに楽しそうなニヒル笑いを投げかけ、トモコは適当な男子のズボンから引き摺り下ろしたベルトで机を勢いよく叩く。あやよは、お芝居に出てくる遠先心中の私死んじゃいますな女形のように、よよと泣きながら高速回転を始めた。

「あーれーお代官様~くるくる目が廻っちゃいますぅ。
 でも、どうせなら気持ちよくしてくださいですぅー、ついでだから極太って感じな物でグリングリンしてくれるとお買い得な気分が味わえるっすー!!」

「ひょー、ひょひょひょー。
 快楽にのた打ち回るがいい、淫乱白痴のお前にとって相応しい場所は、牝奴○が最後に捨てられる家畜場だー。手足をちょん切られて自分の糞を食らいながら空しく逝き続けるがいいーっ!!」
「トモちゃんスカトロジーっすか、過激ですぅ………。
 ああっ、そこじゃなくてもっと下の方を攻撃して欲しいであります隊長。ミドルサイズじゃなくて、ファットマンを打ち込んで欲しいであります隊長っ!!」

「日本人に日曜日も土曜日もないっ、月月火水木金金だっ! 贅沢は敵、アメリカ人は串刺し、非国民は特〇警察が拉致するっすっ!!」

「逝けっ、沢島一等兵っ!!!! この象が踏んでも壊れないカンペンケースを股間に埋めながら焼夷弾となってラバウルの地に果てるがいいっ!! 貴様は人間魚雷だ、神風となれ、汝は神風なりっ!! トラトラトラっ!」

「はぃぃぃぃ、上官殿っ!! 沢島一等兵は海の藻屑と消えるっすっ!! 爆弾を落としてくださいっ!!」

「よしきた、貴様は軍人の鏡だっ!!テイクオフ、グッドラックっ!!!!」

 トモコさんは隣に座っていた男子のカンペンを奪い取り、とっとと中身をぶちまけてあやよさんに手渡す。
 そのままあやよは、スカートを捲り上げて戦う準備を整えたっ。

「おうっす、ハードな股間ケースっすねっ! だがあちしは鬼畜米軍には負けないっすっ!! あたしは古風な昭和の女として生きているっすよっ! 召集令状がなんだ、学徒動員がなんだ、全ては戦争に勝つため、鬼畜米軍を滅ぼして占領してやるっすっ!!」

「よしっ!! 逝けっ!! お前は火の玉になるんだっ!! 熱い股間で空を飛んで風船爆弾となって米軍の飛行機を破壊してしまえっ!!」

「イクっすっ!! ああ、銀色のカンペンケースがズロースを通り過ぎて股間に進入してくるっす、ヤベーってばよっ!! トモコちゃんこれは、癖になってしまうかもしれねぇーっすっ!! あぁぁぁぁ、股間に金属の冷たさが舞い降りてきてヒィィって感じであぁぁっ、と、と、トモコちゃんあちしは何で教室でカンペンケースオナニーさせられてんっすかぁぁぁっ!!??」

「考えるんじゃない、感じるんだっ!! 貴様が今感じているものは物理感覚面での表層意識の変化に過ぎないっ! 些細な問題であり杞憂だっ! 安心しろ、オレは何も知らない関係ないっ!!」

「おぉっ!! カンペンケースオナニーに物理感覚面での表層意識の変化なんていう高等技術が組み込まれているとは新たなる発見ですぅっ!!!! これでノーベル物理学賞も頂きっす、中間子なんいてクソだってばよっ!!」

「ちっ、戦後の終わりまでたどり着いたかっ! よし来た、次はA級戦犯だっ!!
 陛下の名誉をお守りするため、不平等な裁判で鬼畜米軍に対して戦争は私一人の決断でやりましたと叫んでから首をくくって死ねっ!! 貴様は不名誉国民として処刑されるのだ、絞殺刑だっ!!」

「そ、そんな上官殿っ!! 自分は日本国民のために精一杯の努力をしてきたというのにこの扱いっすかっ?? スタッフサービスに電話っす、おー人事呼んで欲しいっす!!」

 トモコは、これまた隣の席の男子の体操服入れを漁り、何故か入っていた長繩を取り出してあやよに手渡した。これは単なる妄想ではない、日本という国が存続するかどうかをかけた大切な駆け引きを含んだ裁判なのであるっ!!

「はぅ、不名誉な死刑っす。ついにはSMプレイにまで手を染めるとは勘弁御免ですぅ。カスとり本のピンナップぐらい飾らせてから死なせてくださいっ!!」

「いかんっ、貴様が無様に死ななければ陛下のお命が危ういっ! つべこべ言わずに死ねっ! 死ね死ね死ね死ね、死ななければ天皇制は維持できないんだっ!!!」

「あぁぁ、最後にせめて、せめて一杯の酒を飲ませてから殺してくださいっすっ!!」

「よろしい、最後にぶどう酒を飲むことを許そう。さぁ、その扉をくぐって飛び降りるのだっ!!」

「はぁふはぁふ、これは思いっ切りファンタグレープ味のぶどう酒っすねっ!!
 もう少しアルコール成分を含んで欲しいって言うか、製造者コカコーラってファンタじゃねぇーっすかっ!! ちぃ、もう少しでお国のために死亡する所だったっす、てゆーかそんなんじゃなくて転校生が来たって話っすよっ!!」

「へ? 別にそんなのどーだっていいんじゃないの」
「あ、それもそーっすね。所詮は鬼畜米軍っすからね」
「じゃ、そーゆー事で」
 終わり

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