久保田 正輝 Jun/14/2026 12:00

【全体公開】発注者は誰でもラフイメージを描けるわけではない

こんにちは!イラストレーターの久保田です。

イラスト依頼の話で、たまにこういう言葉を見かけませんか?

「発注者側も、簡単でいいからラフを描いたほうがいい。」

頼む側としては、本当に軽い気持ちでの提案なのかもしれません。
言葉だけで説明するより、棒人間でも構図があったほうが伝わりやすいことも多いです。

でも、これって実はすごく難しいことだったりします。

▼簡単なものでも、誰でも出来るわけではない

本人がこれくらい出来て当然と思っていることの後ろには、もの凄い壁があります。
そのことを、多くの人は無意識に見落としてしまいがちです。
僕もこの手の話題を見かけたとき、はじめてその事実に気づきました。

自分が当たり前にやっている仕事や趣味ほど、他人の苦労が見えなくなります。
これは「認知の歪み」の一種かもしれません。

ほとんどの人は自分の視点でしか世界を見られません。
だから、ある意味では仕方のないことでもあります。
お互いに悪気がないからこそ、すれ違いが起きてしまうんですね。

絵のラフもこれに近いのかなと思います。

描ける人にとっては、簡単なラフです。
でも描けない人にとっては、何をどう線にすればいいのか分からないものです。

▼才能の話

将棋の渡辺明九段が、才能について語っていた話があります。

ざっくり言うと、昔は自分より将棋が弱い人に対して、努力が足りないだけだと思っていたそうです。

でも、自分の子供に将棋を教えた時に、自分が子供の頃に自然とできていたことが、誰でもできるわけではないと気づいたそうです。

そこで初めて、自分には将棋の才能があったのだと感じた、という話です。

これ、かなり大事な視点だと思います。

もちろん、努力は大事です。
努力しなくていいという話ではありません。

ただ、ジャンルによる理解の速さや、何となく掴める感覚には、人によって差があるのだと思います。

イラストでも同じです。

絵が苦手な人は、それは怠けているからではなく、単純に向いている入口が違うのだと思います。

▼自分の得意ではなく、他のジャンルで考えてみる

イラストレーター目線だと、「ダンス」などで考えると分かりやすいかもしれません。

あなたがダンスの振り付けを依頼するとします。

そこで振付師さんから、イメージをつかみたいので、簡単でいいので一度踊ってくださいと言われたらどうでしょうか。

たぶん無理です。

さらに、相手からこの程度でいいので踊ってくださいと、軽く見本を見せられたらどうでしょうか。

いや、それができたら頼んでないです!となると思います。
少しムッとする人もいるでしょう。

これをイラストに戻して考えると、簡単でいいのでラフを描いてくださいという言葉も、人によってはかなりハードルが高いのだと思います。

▼とはいえ

とはいえ、発注者側も何も伝えなくていいという話ではありません。
イメージがまったくない状態で発注すると、描く側もかなり困ります。

なので、ラフが描けない場合は、別の方法で伝えるのがいいと思います。

たとえば、
キャラにしてほしいイメージのイラストを3枚集める。
好きな表情の画像を見せる。
避けたい雰囲気を伝える。

これだけでも、かなり助かります。

描けないなら描けないで大丈夫です。
その代わり、言葉や参考資料に力を入れましょう。

大事なのは、上手なラフを描くことではなく、頭の中にあるイメージを相手に渡すことだと思います。

▼まとめ

自分が簡単にできることは、誰しもが簡単にできるわけではないという話でした。

これはイラストだけではなく、将棋でも、ダンスでも、料理でも、文章でも同じだと思います。

だから、発注者はラフを描けない自分を責めすぎなくていいと思います。

一方で、描く側も、簡単でいいので描いてくださいと軽く言いすぎると、相手にとっては超重荷になっているかもしれません。

ラフが描けるなら描くと便利です。
でも、描けないなら、参考画像や言葉で伝えれば大丈夫です。

大事なのは、できないことを無理にやることではなく、伝わる方法を探すことだと思います。

以上、イラストレーターの久保田でした。
それでは!

※個人的感想なので話半分参考程度にお願いします。
※いいねや感想頂けると喜びます。

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