【全体公開】なぜ「スランプの悩み」はプロに相談するとズレやすいのか
こんにちは!イラストレーターの久保田です。
SNSや配信中の質問などで「スランプを脱出するにはどうすればいいですか?」といった相談をプロの絵師さんに投げかけている方をよく見かけませんか?
憧れのあの人なら、きっと魔法のような解決策を知っているはずだと期待してしまいますよね。アドバイスを求める姿勢自体は、とても素晴らしいことだと思います。
ただ、こと「スランプ」に関しては、少し話が変わってきます。相談する相手を間違えると、かえって自分を苦しめる結果になりかねないんです。
今日はそんな「プロに相談しない方がいい理由」について、僕なりの視点でお話ししたいと思います。
▼プロ側の正直な気持ち
まず、大前提として知っておいてほしいことがあります。
それは、第一線でずっと描き続けているプロの方にこの相談をしても、いまいち話が噛み合わないことが多いという点です。
これを他のジャンルに例えて、ものすごく簡単に解説します。
例えば、ある人がゲームの「スーパーマリオ」が大好きで、毎日遊びたいと思っているとします。でも、ある日なぜかやる気が出なくて、プロのゲーマーにこう相談したとしましょう。
「マリオが大好きで毎日プレイしたいのですが、最近スランプでやる気が起きません。どうしたらいいですか?」
これを聞いたプロ側は、きっと困惑してこう思うはずです。
「……やりたくないなら、他のことすればいいのでは?」
そうなんです。
プロにとって「描くこと」は呼吸をするのと同じくらい当たり前の習慣になっていたり、あるいは単に「仕事」として割り切っていたりします。
マリオを遊ぶのに「やる気」が必要な状態の人と、放っておいても勝手に遊んでいる人とでは、前提条件が違いすぎるんです。
無理をしてまでやる必要はないですし、嫌々やればやるほど、そのことが嫌いになってしまいます。
▼プロを目指しているなら話は別
とはいえ、もしあなたが「将来は絵を仕事にしたい」と考えているのであれば、話はもう少しシビアになります。
厳しいことを言うようですが、プロの世界では「スランプ」をお仕事の言い訳に使うのはかなり危険です。なぜなら、これらが理由で「はい、そうですか」と納得してもらえることは、現実的にはほぼないからです。
例えば、近所で火事が発生して、慌てて「119番」に電話した場面を想像してみてください。
そこで電話に出た消防署の人が「すみません、実は今スランプ中で、出動するモチベが上がらなくて……」なんて言ったら、絶対に許されませんよね。
プロとしてお金をいただくということは、どんなに調子が悪くても、最低限のクオリティを納期通りに届ける責任を負うということなのです。
お腹が痛くても、嫌なことがあっても、マイクを握れば完璧な笑顔を見せるアイドルのようなプロ根性が必要になる場面も出てきます。
「やる気がある時しか描けません」という状態のままプロの門を叩くのは、かなりハードルが高いんです。
▼解決方法
じゃあ、どうすればいいのでしょうか。
僕からの提案は「スランプになったら、スランプになった時のための練習」をしておくことです。
これは、どれだけ絶不調で、心に余裕がない時でも、安定して「80点」くらいの成果を出せるように訓練しておくという考え方です。いわば「心の防災訓練」のようなものですね。
筆が進まない時に「どうすればやる気が出るか」を悩むのではなく、「やる気がないままでも、合格点ギリギリの絵を仕上げる手順」を確立してしまうんです。
この「なんとかする力」を身につけるチャンスだと思えば、スランプも悪くはないように思えてきます。
▼まとめ
スランプで悩むのは、あなたがそれだけ真剣に絵と向き合っている素敵な証拠です。
でも、それをプロに相談しても「根性で描け」か「休め」の二択になってしまい、根本的な解決にならないことが多いのです。
まずは自分の今の状態を「成長痛」だと捉えて、優しく受け入れてあげてください。
そこから、最低限でも合格点ギリギリの絵を仕上げる練習をしましょう。
その技術を身に着けるだけで、だいぶ楽になるのではないでしょうか。
以上、イラストレーターの久保田でした。
それでは!
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