【全体公開】イラストレーター業界は5年前にはもうレッドオーシャンだった
こんにちは!イラストレーターの久保田です。
最近、SNSを見ていると「これからイラストレーターを目指すのは厳しいですか?」という言葉を目にします。確かに周りを見渡すと、とんでもない画力の人たちがゴロゴロいて不安になりますよね。
今日は、僕自身の経験も踏まえながら、傾向と対策を僕なりに紐解いてみたいと思います。
▼5年前の時点で、上手い人で溢れかえっていた
僕は5年前に勤めていた会社を辞めてフリーランスになったんですが、すでに状況は「真っ赤」な状態でした。生成AIが出てくるよりも、もっと前からです。
ピクシブやX(ツイッター)を開けば、そこにはすでに信じられないほど上手い人たちが溢れていたんです。
当時は「これ、僕の入る隙間なんて本当にあるのかな?」と、冷や汗をかいたのを覚えています。
▼上手い人が多い理由①
今のイラスト界隈は、SNSの普及によってレベルが爆発的に上がっています。どこを見ても神絵師と呼ばれる方々ばかりで、まさに神絵師のバーゲンセールの時代です。
例えば、10年から20年前くらいのライトノベルの表紙を、今の基準で一度眺めてみてください。当時はトップ層だった作品でも、今のSNSのトップ層と比べると、技術的な密度が全く違うことに気づくはずです。
今の神絵師たちが、もしもこの画力を持ったまま過去にタイムスリップできたとしたら、間違いなく覇権を取っていたでしょう。
もちろん、ごく少数ですが、今見ても「この人は化け物だ…」と震えるような、時代を超越した天才もいます。ですが、平均的な「上手さ」の底上げは、本当に凄まじいことになりました。
これは、情報の共有スピードが上がったことで、技術の習得効率が劇的に良くなったからだと言えます。おそらく今は、イラストの上手い人がもっとも多い時代です。
▼上手い人が多い理由②
あと、これは僕が個人的に感じていることですが、ソーシャルゲームの登場がこの流れを加速させた大きな要因だと思っています。特に「アイドルマスター」がソシャゲでリリースされたあたりから、服装の描き方の主流が大きく変わりました。
それまでは、いかにもアニメ的な、少しデフォルメの強いデザインが一般的でした。
ですが、キャラに色々な私服を着せるのが主流になり、現実寄りな形状が好まれるようになりました。
例えば、学生を描く時にも、以前のような記号的でぼっこりした大きな靴ではなく、現実的なローファーやスニーカーを描くようになりました。
服のシワ一つ、布の重なり一つにも、現実の構造が求められるようになったんです。
結果として、描き手は強○的にデッサン力を磨かざるを得なくなった感じです。
少なくとも当時の僕は、現実のファッション誌やカタログを参考に描くことで、画力が底上げされたという実感があります。
こうした「リアルへの意識」が、業界全体のクオリティを押し上げたのではないでしょうか。
▼インフルエンサー的なイラストレーターを目指すなら
とはいえ、これだけ上手い人が溢れている中で、ただ「絵が上手い」だけで注目を集めるのは至難の業です。もし皆さんが、SNSで大きな影響力を持つインフルエンサー的な立ち位置を目指すなら、少し戦略が必要になります。
大事なのは、描いた人自身のストーリーやキャラクター性です。
上手くて当たり前の時代、単に「絵が上手くて性格が良い人」というだけでは、大勢の中に埋もれてしまいます。
ヒーローのように正義を語るのか、ヒール(悪役)のように毒を吐くのか、あるいは道化師のように皆を笑わせるのか。それを踏まえたうえで、どう歩んでいくか。
どこか少し「尖った部分」がある方が、ファンはつきやすい傾向にあります。
もちろん、これはしっかりとした画力があることが前提の話ですが、自分をどんな風に演出するかという、セルフプロデュースの視点が欠かせません。
▼表には出ないアーティスト的なイラストレーターを目指すなら
一方で、SNSで目立つことよりも、企業からの信頼を得て着実に仕事をしたいという方も多いはずです。いわゆる裏方として活躍する職人タイプを目指すなら、何よりも「信用」が第一になります。
派手なバズりは必要ありませんが、一つひとつの案件を丁寧にこなし、実績をコツコツ積み重ねていくことが大切です。特に、クライアントとのやり取りの中で、暗い印象やネガティブな雰囲気を出さないように気をつけてください。
この業界、思っている以上にコミュニケーション能力が重視されるんです。
いわゆるコミュ障を自称して、やり取りが滞ってしまうような方は、技術があっても圧倒的に不利になります。SNSで少しでもネガティブな発言をしたり、怒りを出したりするのも絶対に避けましょう。
企業の方は、発注前に必ずと言っていいほど個人のアカウントをチェックしています。
▼まとめ
イラスト業界は最近急に厳しくなったというより、僕の感覚では5年前の時点ですでにかなり競争が激しかったです。
そして今は、上手いだけでは足りない場面も増えたように思います。
だからこそ、必要なのは絶望ではなく、立ち位置の整理です。
前に出るのか、信頼で積むのか、自分はどこで勝負するのかを考えることをおすすめします。
上を見ればきりがない世界ですが、だからといって終わりという話でもないです。
戦い方を間違えないことが、たぶんめちゃくちゃ大事です。
以上、イラストレーターの久保田でした。
それでは!
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