【全体公開】賞金額では分からない「本当に食べていける業界」の見分け方
こんにちは!イラストレーターの久保田です。
ネットやニュースを見ていると、 「賞金総額◯億円!」 「史上最高額のコンテスト開催!」 みたいな話をよく見かけます。
こんなことってありませんか? すごい金額だなあと思う一方で、 「じゃあその業界、みんな食えているのかな?」 と、少し引っかかる感じが残ることです。
今日は、 大会やコンテストの賞金額から分かることと、 実は分からないことについて書いてみたいと思います。将来的な職業選びのヒントになればと思います。
▼賞金が高い=元気な業界、という常識
一般的によく言われるのは、 賞金額が高い業界は盛り上がっている、という考え方です。 そんな賞金額に憧れて業界入りを目指す人も多いのではないでしょうか。
たしかにこれは、間違いではないと思います。スポンサーが集まり、注目も集まり、 お金が動いているのは事実だからです。 eスポーツの大会などは分かりやすいですね。
これをものすごくざっくり言うと、 「大会そのものが派手な見せ物として成立している」 という意味になります。ここだけを見ると、 賞金額は業界の元気さを表す数字に見えます。
ですが競技人口やプロとして生活できる人口倍率は、業界ごとに超バラバラです。
▼数字には表れない「静かなお金」の流れ
ここで少し立ち止まりたくなります。 賞金が低い業界は、 盛り上がっていないのでしょうか。
たとえば映画や文学の世界です。 有名な賞でも、賞金額だけを見ると 意外と控えめだったりします。
でも、 映画業界や出版業界が小さな市場かというと、 そんなことはありません。 むしろ巨大な産業ですよね。受賞をきっかけに、 仕事が増えたり、 名前が広まったりします。
これは「経済的波及効果」と呼ばれるものです。 すごくざっくり言うと、 「あとからじわじわとお金が入ってくる仕組み」のことです。
つまり、 賞金は象徴であって、 本当のお金は別の場所で動いている、 という構造です。この違いを知らないと、 数字だけを見て判断を間違えやすくなります。
▼イラスト業界ってどうなの?
ここでちょっとイラスト業界の話をします。
イラストのコンテストや公募は、 正直、賞金額が高いものは多くありません。 数万円から、高くても数十万円という世界です。
それを見ると、 夢がない業界なのかな、 と思ってしまう人もいるかもしれません。
でも、現場にいると、 少し違う景色が見えてきます。 賞金は低くても、仕事はたくさんあります。企業案件につながったり、 継続の仕事が生まれたり、 IPに関われたりします。
※IPというのは「知的財産」のことです。 ざっくり言うと、 「キャラクターなどの著作権を使ったビジネス」のことです。
表には出にくいだけで、 水面下ではちゃんとお金が回っていたりするんです。
地味ですが、 生活するにはこちらの方が大事だったりします。
とはいえイラスト業界の平均年収は、日本全体の平均年収に比べて低いので、ここはちゃんと把握しておかなければなりません。人口比率もクリエーター業界の中では少ないですが、競争率は高い感じです。
▼「賞金狙い」のプレッシャーに疲れたら
業界の話をしていると、とにかく賞金の高い大会を目指そう、という流れになりがちです。
気持ちは分かります。目標として分かりやすいですし、夢がある言葉でもあります。
ただ、その考え方が、いつの間にか自分を苦しめてしまうこともあります。
勝てなかったら意味がないのではないか。賞金を取れなかったら評価されないのではないか。そんなふうに考えてしまい、プレッシャーだけがどんどん膨らんでしまうからです。
もし、その重さで手が止まってしまったら、それは少しもったいないなと僕は思います。
賞金を目指すこと自体が悪いわけではありません。
ただ、賞金だけを基準にしてしまうと、業界や自分の価値を、必要以上に狭く見てしまうことがあります。
だからこそ、賞金は一つの指標として受け止めつつ、それ以外の価値にも目を向けないとあぶないなぁと僕は考えています。
▼長く住める「町」のような業界を探す
僕が個人的に見ているのは、 次のようなポイントです。
・仕事が増えていきそうか
・周りに、実際に食べていけてる人がどれくらい居るか
・新人が定期的に入ってきているか
すごく地味な指標です。 でも、とても大事なことでもあります。 お祭りが一日だけ盛り上がっても、 翌日から人がいなくなる町は、 長く住む場所にはなりません。静かでも、 人が住み続けている町の方が、 実は強かったりします。
大事なのは一発逆転ではなく、普通に暮らしていけるかどうかです。
派手な打ち上げ花火が上がらなくても、 食べていけている人が沢山いる。それこそが、本当に活気がある状態な気がします。
▼まとめ
というわけで、盛り上がっている業界についてのお話でした。
数字に振り回されすぎると、 自分の足元が見えなくなってしまいます。 それはちょっと、もったいないですよね。賞金額は、 業界を見るための一つの材料ではあります。 ただ、それが全てではありません。
派手な数字に少し距離を置いて、 人が残っているか、 仕事が循環しているか、 そんな視点を持つだけで、 気持ちは少し楽になると思います。
僕自身も、 完璧な答えを持っているわけではありませんが、業界を見るときの視点を ほんの少し増やすきっかけになれば幸いです。
焦らずに、数字の向こう側にある景色を見ましょう。
以上、イラストレーターの久保田でした。 それでは!
※個人的感想なので話半分参考程度にお願いします。
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