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ぼんやりクラブ Jun/14/2019 02:59

個人的な創作上の「夏」について

最近小学校の近くのマンホールが、まるでSNSにアップしてくれと言わんばかりに溢れていました。生まれて初めて目にする光景でした。彼らの通学路の坂道は小川のようにせせらいでいました。(どうやらプールが始まった影響で、そうなったらしいです)

個人的な創作上の「夏」について

創作によって『現実で体感し得る「夏」を越えるような感動・刺激を与えたい』という欲求がいつもある。作品を通して、リアルで感じる夏以上の「夏」を作り上げたい。

実際には、「暑い」「蝉がうるさい」といった感覚程度のもので、能動的に何かアクションを起こさない限り、いわゆる
【+゚:。+Summer Vacation!+゚:。+ 今年の夏は"思いっきり"楽しんじゃおう♪】
系の経験はできない。

しかし、それでも夏が近づくと高揚するし、何かを期待してしまう。
それは幼少期の「夏休み」に対するイメージが根強く残っているからなのか、それとも別の本能的な何か理由があるのか。その原因はよく分からない。

特別感はあるが、特別なことは何もない

その個人的半端な感情は「創作」という行為とすごく相性がいい。
特別感はイメージにつながる。
また、特別なことが何もないという現実は、その足りない部分を想像して補おう、という力を働かさせる。「こうだったら…」という理想を描きたいという欲求につながる。

だが、どうあがいても現実には勝てない

創作の上では、たとえば最高のシチュエーションで最高に美しい花火を何千発でも打ち上げることができる。創作なので。
けれど、その夜空に映る鮮やかな色彩や、胸の奥まで響くような爆音、周囲の人々の歓声や、屋台から流れてくる匂い、川辺の少し湿度を含んだ空気、そういうものを直接五感で感じることはできない。

だがしかし、創作物の描く夏は素晴らしい。

創作物でしか感じられない「夏」
ここに価値がある。
逆に言えば、現実では絶対に感じられない夏を体験できるのは「創作物」だけである。(あとは妄想。ワンチャン夢)

単純に雰囲気(空気感)が魅力的。

すべては"暑い"が生み出す

イメージでいえば、暑いので外側へ発散し広がる感じ。
逆に冬は寒いので、内側へ小さく縮こまる感じ。

夏の暑さで、気分がアゲアゲ↑ギラギラ★ハイテンションになりやすいのは間違いない。
※おそらくセロトニンとかその辺の関係で。
そして、そこに拍車をかけるようなイベントの数々。
海水浴やプール、バーベキュー、夏祭り、あれやこれやと気分が開放的になるものばかり。これは「人間がそうしたい」という欲求の表れに違いない。
夏には、そういった人々を開放的にする力があることが分かる。※個人の感想です

夏場は日没が遅いので、活動時間が長くなりやすい。
すなわち、外にいる時間も長くなりやすい。
さらに日が暮れてからの方が涼しいので、むしろ行動が活発になったりする。
夜から始まる屋外でのイベントが多く、普段静かな田舎でも夜中まで賑やかだったりする。そのちょっとした非日常感も個人的にポイントが高い。
そして、その喧騒と、そこから離れたときの周囲の静けさの差。
たまりませんな。
https://www.youtube.com/watch?v=pYk8Tk_qr40
学生は夏期休暇期間となる。
学校生活からしばし解放されるあの時間こそ、「夏が特別である」という印象をもたらす要因だ。そう強く感じる。

自由工作研究で植物を育てたり、星を見て「夏の大三角形」について学んだり、あるいは親戚の家に遊びにいったり、普段できない体験をする機会も増えるので、ますます夏の印象は強まるばかり。生物も活発になるので、蝉やカブトムシなどの虫採りや魚釣りに夢中になったり。

たくさんの経験を目の前にする少年少女たち。
彼らにとって、夏休みはキラキラとした宝箱そのものだった。

涼をとる

これも夏の大事なエッセンス。
※近年はエアコンがないと死ぬレベルだけど
団扇や簾や扇風機。アイスやカキ氷。あとは風鈴。
それから、海や川やプールで水に触れ合うことも多い。
外の空気が熱い分、水の冷たさは滅茶苦茶心地よく感じる。
また山や森も場所によっては涼しいので避暑地となる。

何といっても怪談は欠かせない。
日本の夏の伝統的なもの(風物詩)=『和風』
これとタッグ組んでの和風伝奇ノベル・ホラーノベルは多いと思う。
伝統や文化に関係して言えば、夏祭りは定番中の定番。
これこそ夏を演出する最高の題材。
なぜなら、夏祭りは期間限定だから。
他のどれもこれも、やろうと思えばいつでもできるけど、夏祭りはどうしても夏しかできない。その特別感が、大切な要素だと思う。

夏の花火大会も同じで、そのひとときのためだけ、といった「限られたもの」に対しては、ものすごいエネルギーが集中する。祭りや花火大会を催す側の人々からすれば、長期に渡って前々からその日のための準備をするわけで、少なくとも関係者たちの熱気は当日その瞬間にMAXまで上昇するはず。学生でいう運動会・文化祭の準備期間~当日までのそれ。そういった熱は次第に来場者にも伝播していく(祭りは特に)

限られた時間だからこそ、特別な想いを抱く。
あるいは、限られた間だからこそ、想いが募ったり爆発したりする。

空に消えてった打ち上げ花火のように、瞬く間に過ぎ去っていく夏。
そのクールダウンするような静けさ、どこか切なさ漂う余韻も魅力的。

やがて気温は下がり、季節は秋へ。

すべては"暑い"が生み出す

高まり下降していく気温の起伏そのものが、まるで一つの物語のように思えたりする。
夏そのものが物語。
創作との親和性が高く感じられるのは、そのためだろうか。

そのためだろう。

最初から起伏があるから物語にしやすいんだね。

最近まで考えていたシナリオがボツになったので、またネタ出しから始めないとけいない。
もしくは、墓荒らしのごとく没シナリオから何か利用できそうなものがないか、わっせわっせ掘り起こし探し出して、そこから広げていくか。

ちなみに夏系の作品は夏にあわせて公開したい欲があるんですよね。

どうしようかな。

創作サークル ぼんやりクラブ
Webサイト:http://bonyari.club/
Twitter:@bonyari_club

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ぼんやりクラブ Jun/07/2019 10:29

シナリオ的に考える少年漫画(バトル漫画)

こちらの記事をぺろっと眺めました。

https://news.nicovideo.jp/watch/nw5425848

「主人公の強さは、努力ではなく血筋によるもの」

「もともとエリートだったというオチが多く、努力だけで強くなった主人公が…」
あーじゃこーじゃ書いてあります。

シナリオ的考えて、なぜ、そのような展開になるのか?

「努力」というものが現実の人間の世界のそれを基準にすると、どうしても限界がある。許容範囲を越えるには、それ相応の器があったほうが説得力が増す。

「努力して、努力して、努力して…」
敵に負けたり、挫折したり、紆余曲折あるにしても、その度に、際限なく強くなっていく展開はそれこそ薄っぺらいし、都合が良すぎる。ぶっちゃけ、どこかで頭打ちしてほしい。
(というか、努力だけでどこまでも強くなれるってことは、そもそも最強の素質を持っているってことではないのか!?)

なので、「実は、こういう血筋で…」という設定があったほうが、シナリオとしては安定感があるし、前もって伏線をはっておけば、短調なレベル上げ的マンネリシーンを無くすことができる。

そして、その宣言が入れば、『ふわ~っとしれ~っと【努力】によって、なんとなく成長してしまう』…なんてことにはならず、思いっきり限界を越えて強くなるような、最高に盛り上がるシチュエーションを堂々と描ける。

とりわけバトル漫画は「強くなる」ことが前提だと思うので、最初から最後まで「強くなる」という展開が尽きないはず。
だから、あの手この手で「強敵との闘い(勝利の経験による成長)」「修行(能力/技術獲得による成長)」「感情の変化(精神的な成長)」みたいな成長パターンを入れて、その都度主人公を「強くさせていかなければいけない」。

作者的には、ここが大変だと思う。毎回毎回、強くさせる展開を用意しなければいけない。それもワンパターンでは飽きられるので、仲間とか、第三勢力との関係とか、世界情勢とか、感情的な部分とか、過去の生い立ちとか、アレコレその他の要素を盛り込んで、新しいシナリオを提供していかなければいけない。※その方が面白いので

だとすると、やはり起承転結でいう「転」的な、劇的に状況が変わるような何かが物語にはあったほうが作り手、受け手、どちらにとっても都合がよいので、たとえば主人公の過去と絡める形でその強さの所以を説明するような、そういった見せ場をつくることはすごく理にかなっているように思う。単純にシナリオの構造がしっかりする。

余談:多分だけど

少年漫画、バトル漫画の読者層や「数字的」な意味で、本当に主人公が努力だけで強くなっていくものは、彼らにとってスケール感が小さかったり、あるいは地味な印象を与えてしまうのかもしれない(要はより現実的なストーリー・あるいはその成長が腑に落ちないものとなる)ので、「人間離れした強烈なインパクトのある物語」の方がやっぱ受けるんだと思う。(アニメ化された際、映えるし)

バトルを盛り上げる要素としての、頭脳戦だったり、感情表現、心理描写を多用したり、独特の演出でみせてくるような内容だと、どちらかというと「動」より「静」になるので、ところどころ織り交ぜる程度にしないと勢いがなくなってしまうのかもしれない。
※個人的には、こっちの作風も大好きです。

創作サークル ぼんやりクラブ
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ぼんやりクラブ May/23/2019 00:00

帰ってきた井戸端会議室NO.2

創作リハビリテーション中のぼんやりクラブMADOROMIの雑記です。

前回と今回は、フリー画像素材サイトで適当に選んだ画像から創作的な考察、想像(妄想)をするというリハビリを行っています。


イカれたメンバーの紹介

私です。

フリー素材が元ネタの自作キャラ。ねずみのぬいぐるみ。子供っぽい。

フリー素材が元ネタの自作キャラ。礼儀正しい。

完全オリジナル自作キャラ。口が悪い。

これらのキャラの登場作品

デジタルノベル『静かに翳る』紹介サイト


お題



「やっぱ擬人化しちゃうよね。ものだから」

「するな」

「え~~・・・」
「赤血球と白血球をイメージしたモニュメントを(多分海外で)作ってる現代美術家がいて」
「展示開始する数週間前にその近隣で5人の失踪事件が起きていて」
「すっげぇバカなお巡りさん方が

『あ、あのモニュメントも5つだったな!?』
『どう考えても怪しいぞ!?』

って騒ぎ立てて、すぐさま業者に連絡してクレーンでモニュメント引き剥がして、地面を掘り始める」


(長くなりそう)

「いや、もう続きはない」

「色や形じゃなくて、状況から想像を膨らませたいですね」

「3Dアクションゲームの空中ステージみてぇだな」

「そう言われたらそう見えてしまって、そこで完結する。どうにも広がりようがない」


「じゃあ、ここはひとつ普通にパズルのピースと捉えてみよう」

「この5ピースは、パズルの一部分ということですね」

「トキが繁殖しまくって、再び全国の各地でその姿を見られるようになった」
「で、じわじわブームがきて、トキをかわいくデフォルメした子供向けのアニメが始まり、たちまち人気になってじゃんじゃんグッズ化されて、その一つとしてパズルが作られるようになった」

「ほぇ」

「赤と白で連想するものがトキだった」

「擬人化したり人間を介在させないと、出来事とか現象になるね」
「起こったことを客観的にありのまま書いた、なんだろう、Wikiのような感じ? でも、物語のガッチリとした骨組みとして重要な要素だなぁと思う」
「要は、作品世界の状況説明の部分」


「ここに人間の考え、感情を織り交ぜると更に面白くなるんですよね」

「作家の作風によって、そのバランスはバラバラで、
『感情を軸にして、たまに説明を入れる』
『説明を軸にして、感情をたまに入れる』
『どっちも同じくらい入れる』
ってパターンがあると思う」

「視点の違いが関係してんじゃねーの?主人公視点なのか、第三者<神>視点なのか」

「そうっすね」

「一人称で設定すると、過去を語るって前置きがない限り、その主人公が未来を知るすべがないから、リアルタイムで物語が進行するなかで、なんか感じたり、考えたりする流れになる。できるのは、未来への予測と過去の振り返り」
「あ、超能力者だったら別」

「三人称で設定すれば、世界全体の一部分として主人公達の感情を表現できてしまう。過去・未来関係なく、世界の状況の一つとして、主人公やその他登場人物の感情の動きを説明することができる。神様視点なんで、世界の真実や、未来の出来事も断言できてしまう」

【一人称】
私は、創作意欲が消えてしまい、死んだも同然だ。
きっとエッグは、こんな俺のことを蔑んでいるだろう。
↑私の視点なので、エッグの心の中がわからない。
次の日、公園で人だかりを見た。
↑主観的かつリアルタイムでの状況把握しかできない。

【三人称】
MADOROMIの創作意欲はすっかり消え果てていた。
だが、創作は彼の全てであった。
エッグは彼をいつも心配していた。
夜な夜な涙を流し、泣きはらした後は泥のように眠る日々を送っていた。

↑神の視点なので、本人やエッグの心の中を代弁できる。
翌日、MADOROMIは、公園で事件の真相を目の当たりにすることになるのだった。
↑客観的で時間軸を飛び越した状況説明ができる。


「なんか急に解説し始めたぞ」

「今は、こういうところの感覚すら怪しい…。でも、書いていて思い出してくる」
「ガチの作家志望の方には全然及ばないけど、それなり考えて執筆してきた」
「一文一文に力を込めていた」
「まぁでも、デジタルノベル作り出してから画像やサウンドや演出面までも作業に入ってきて、結果器用貧乏に磨きがかかって完成度の低い物が出来上がちゃったなぁ」

そして、再び今後の方針について語り始める


「これからは、企画と大まかなシナリオを作って、グラフィック、サウンドは誰かにお願いする形になると思う」
「サウンドはすでにそうなってたし、グラフィックも自分で描くとクオリティにムラができるし、そもそも上手くないし、外注するかなぁと思ってる」

「何か、企画はできそうですか?」

「やっぱね、それなりのモノを作りたいんですわ」
「そりゃあ、ここで書いてるようなレベルでいいなら、じゃんじゃん量産していけるだろうけどさ、それはとても出来ませんわ」

「今まで積み上げてきたものがある以上、思い切りハードルが下がることはないよ」
「妥協しないとどうしようもないところまで来てはいるけどね」


「でも、いい方向に行ってるんでしょ??」


「物理的、精神的に作業不可能だったり、単純に無気力だったり、ストレスで苛立ったり、そういうのはあるけど、死なない限り、前進していると思ってもらっていいよ。時間が解決することもあるし」


「はよ次!」

お題



「ありきたりだけど、王道RPGのようなネタで」
「何百年も前に、世界を恐怖のどん底に陥れた魔王が復活した!こいつを封印するためには、5つのアイテムが必要となる!」

(写真上から)
「ほそながいタネ」
「ツブツブ」
「オレンジいろのこな」
「ターメリック」
「おおきなツブツブ」

「この5つのアイテムを魔法を封じていた塔に捧げると魔王を再び…


「つまんな」

「・・・」
「砂マニアのジジイ5人が集まってデス・ゲームを始める」
「テーブルに置かれた自分の命と同じくらい大切なコレクションの砂をのせたスプーンを手を一切使わず口で咥えて、どれか一つのスプーンに追加する」
「一切、砂をこぼさずに追加し、咥えているスプーンの中身を空っぽにできればチャレンジに成功」
「成功すれば、幻の砂を手に入れることができる」
「ただし、そのスプーンは生存者のものでなくてはいけない。そして少しでも砂をこぼしてしまうと、その瞬間チャレンジは失敗。即射殺される」
「チャレンジ開始までに3分間の時間が与えられる。3分間のカウントダウンの間に誰かがチャレンジしなければ、0秒を迎えた瞬間、全員が即射殺される」


「ほう」

「で、どうなるの?」

「一人ずつスプーンを咥えていくんだけど、何分爺さんだから、うまくできなくて、すぐスプーンを落っことして砂をぶちまけてしまう。あ、しまったという意味で『あっ…』って呟いた瞬間射殺される」

「これが5回続く」
「で、主催者が側近に向かって

『なんでこんな老いぼればっか集めてきたんだ!!』
『しっかりスプーンを固定できなきゃゲームにならないだろ!!』
『これはなんだ!!移し替える前に全員こぼしてるじゃないか!!』
『移し替えた相手のスプーンは山盛りになるから、そいつの死亡確率はほぼ100%になる!つまり、選んだ誰か一人を間接的に殺すことになる、というスリル満点仕組みになっている!!やり遂げなければ自分が死に、やり遂げれば、自分の選んだ相手の死に様を見届けることになる素晴らしいゲームなのに、なんだこの終わり方は!!』

「…みたいな、コメディのデス・ゲーム」

「書きながら、どっかで見たと思ったけど、インパルス板倉のネタであった」

https://www.youtube.com/watch?v=8XKX-tOarWY

ちなみにシュールな世界観のコントだと「かもめんたる」が好きです。
着眼点が独特でそれだけでも興味深い上に、お笑いとしても面白い素晴らしい芸人さんです。
https://www.youtube.com/watch?v=DydeKLsAzw8

早稲田大学のサークルで小島よしおとコントをしていた経歴がある二人です。
こういった意外な人とのつながりって面白いですよね。

今回はこれでおわり。

創作サークル ぼんやりクラブ
Webサイト:http://bonyari.club/
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ぼんやりクラブ May/21/2019 21:00

帰ってきた井戸端会議室NO.1

頭を使おうと思い「ボケて」あるいは「IPPONグランプリ」または「てさぐれ!部活もの」のようなことをやろうと思ったが、創作的な考察をしていく流れとなった……。

自己紹介


私です。

フリー素材が元ネタの自作キャラ。ねずみのぬいぐるみ。子供っぽい。

フリー素材が元ネタの自作キャラ。礼儀正しい。

完全オリジナル自作キャラ。口が悪い。

これらのキャラの登場作品

デジタルノベル『静かに翳る』紹介サイト


お題


「なんというか、左の子は邪悪そうなんだよね」
「そして、真ん中の子はズルそう」
「右の子は、ガチでヤバそう」

「左は、目元の陰りと、目尻のシワ、(写真の上で)突き出た耳…から、西洋の悪魔を連想してしまう」


「低級なやつな」

「真ん中は、表情から小賢しい感じがするんだけど、二人の肩に両手をかけ、かつ埋もれるようにして背後に身を潜めてる感じが虎の威を借る狐感を醸し出してる」

「右の子は、やっぱ瞳孔の感じで、<マジ>な印象が強い。口元は微笑んでいても目が笑ってない今風で言うサイコパス感がある」



「3人の関係性はどう思う?」

「なんかね、ふと思いついたのは…」
「左右は、真ん中を支える優秀な部下なんじゃないかっていうの」

「ほ~」

「基本的に、左が残虐なやつで、わりぃこと平気なの。それで楽しそうにやってくれる有能だから、普段使いしてる感じ」

(そんな私服みたいな…)

「でも、ここぞってときに、左が物凄い活躍する。0か100かしかない、極端な必殺型モンスター」

「えぇ…モンスターなんですか。じゃあ真ん中は何者なんですかね」

「実はアルバイト(見習い)で、ようやく2人を同時に【使役】できるようになって、その記念にこの写真をとった」

「バイトですか」

「彼の生まれ育った土地では割と、こういう仕事がメジャーで、時給も悪くないし、何よりやりがいを感じられるんだと思う」

「なるほど」

お題



「次、これ」

「なかなか難しいな」

「左にちっちゃい気泡が浮かんでるじゃん? 真ん中の左」

「うん」

「ぷくぷくってやって、1つだけ泡を出す練習をしているんだ」
「で、なんとなく嬉しそう」
「だから、1つだけ、それも割と大きいのが出せてちょっと喜んでる」

「てか、どこ? 水多すぎだろ」

「もしかすると、プクプクってする競技があって、その専用の池かもしれない」

「ひとりしかいないな。流行ってんのか?」

「競技者人口が少ないのか、彼が始祖か」

「逆もありうる。あのちっちゃい気泡の上に船が浮かんでいて、船があの男を浮かび上がらせたのだ(原理不明)」

「でも、下から浮き上がったなら、頭や顔に水滴が付いていてるんじゃないの?」

「ってことは、天から降臨して着水したんじゃ?」

「遠景の5本の柱の意味は?」

「実は、あの5本の柱に見えるものは、天から降臨した彼と同じ何か説」
「彼だけ降臨場所を間違えちゃって、池の方へ入っちゃった」
「で、彼は『え、こういうことあるんだ』って内心で思って、水没しかかってる自分の状況を面白がっている」

「距離的に見て、だいぶ遠くないか?」

「多分、呼び寄せた人と降臨した5人は、彼に気づいてないかもしれない」

「うーん、微妙」

「次」

お題



「なんだこのチョイス」

「ひとつ思い浮かんだのは、コイツはキュウリで」
「すげぇ、暇なの」

「?」

「それで、ものすごく面倒くさがり」
「自分は一切動かないまま鏡越しに後ろを見ようとするくらい超絶面倒くさがりなキュウリ」
「というか、鏡の方が気を遣ってキュウリに合わせてる」

「なんで、鏡は、こんなイビツな形なの?」

「気を遣いすぎて、やつれた」
「あるいは、進化して、こうなった」

「進化とは?」

「ほら、キュウリと接触してる長方形の部分は、立ち鏡のようにみえる」
「そして、てっぺんから斜めに伸びる部分と、中央からまっすぐ横に伸びる部分は、鏡を支える支柱にみえる」

「鏡は努力家で、毎日毎日一生懸命<鏡>をやっていた」
「するとどうだ、支柱まで、鏡化してしまった」


「あと、キュウリの二つの目玉は、目玉ではないかもしれない」
「キュウリの上で休んでいる、2匹の目玉系モンスターかもしれない」

(またモンスター…)

「ツガイだな」


「かもね。あるいは、2匹の上に浮かぶ、小さな緑の欠片を子供ととらえると、キュウリの上で暮らしている4人家族かもしれない」

「後ろの黄色とぼやけた黒い線が気になるんだよね」

「この黄色は有毒なガスで、このキュウリがこんな形になった原因なんじゃないかと思ったけど、違うと思う」

・・・


「背景だけ見えると、デスクトップ上にある『フォルダ』のアイコンのようにも見えてきたし、黒いぼけた線は、地平線から押し寄せるヌーの群れにも見えてきた」

「やっぱ、色はさておき、地上、水平線、空って、とらえちゃう」


「まぁ、ここまでだな」

※「ワニ」という選択肢はない


素材の画像:pixabay
※エッグの元ネタ、幻の麻野の出身地です。素晴らしいフリー画像サイトです。

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