サンプルエピソード制作
お疲れ様です、komarinetです。今回はサンプルエピソードの作成について書きたいと思います。
■サンプルエピソードって何?
サンプルエピソードとは、プロジェクトに参加してくれるライターさんに「こういうお話を書いて欲しい」という具体例を示すためのものです。サンプルを読むことで、
・作品の雰囲気
・根底に流れるテーマ
・キャラクターの特性や関係性
を、より深く把握することができます。
■サンプルの必要性
これまで作ってきたフォーマットやキャラクター詳細では以下のようなことが記載されてます。
例えばーー
Aという人物。
野球部に所属している高校一年生で、誰より練習をしているけどチームの中ではあまり主張しないタイプ。身長は173cm体重72kg、一人称は”僕”で、趣味は将棋。二人の妹がいて、亡くなった父は元プロ野球選手・・・とか。
確かにこれでもある程度は伝わりますが、
「Aはさ、本当は山田先輩より速い球、投げれるんだろ? どうして名乗り出なかったんだ?」
A「一年坊が生意気言っても悪目立ちするだけだよ。僕は野球が出来ればそれでいいんだ」
と、実際に動いている様子をみたほうが参加ライターさんに世界観や人となりをリアルに伝えることができるのです。
複数のライターさんが一貫性のあるキャラクターを成立させるのはモノマネをするようなものだと僕は個人的には思います。
誰かの物真似をするときに説明書を読むより、実際に動いている様子を見たほうがやりやすいですよね。
設定資料の穴が見つかるのもこのフェーズです。フォーマットに様々な状況が掛け合わさることで想定していなかった場面がでてくるためです。
■5人いれば5通りの受け取り方があるということ
”実際に動いたキャラクターを見たほうが把握しやすい”
サンプルストーリーを作る際に、この事実をフォーマットメンバーは目の当たりにすることになります。
フォーマットメンバーは設定を一緒に作り上げ、誰よりも設定に対する理解があるはず。なのに、それぞれが、作った主人公たちはそれぞれ少しずつ違っていたのです。
自分が思っているものよりキャラクターの口調が勇ましかったり。想定していた人物像より甘えん坊だったり、コミュニケーションが不得手だったり。また、予想より裕福そうだったりと、色んなズレが確認されました。まるで平行世界の同じキャラクターみたいに。
これではまずいので、各々が作成したストーリーにお互い指摘をして、その溝を埋めていきました。
その修正回数、1話につき平均5回。もちろんストーリー自体の矛盾やリーダビリティの修正等も含みますが、このくらいしないとたった5人のライターでもキャラクターに対する理解を統一できないのだなと思いました。
オープニング、そしてストーリーの第一話〜第五話はフォーマットメンバーがそのようにして作っており、他のメンバーに対するサンプルとしての機能も持っています。
そういう目で読んでみるとまた違った面白さがあるかもしれません。
さて、そんなストーリーに登場するキャラクターは、どのように作られ、どのような特徴を持っているのでしょうか。次回は、僕たち5人のフォーマットメンバーがお互いの「スキ」を詰め込んだ主役キャラクターについて深掘りしていきたいと思います。
お楽しみに!・・・とその前に。
年内の「ゾンりか」Cien記事はこれにて最後になります。皆様、いつも温かく見守ってくださりありがとうございます。
どうか良いお年をお過ごし下さい。
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