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小槻の活動報告+姉いじ裏話【だれでも+無料プラン】

こんにちは、小槻です。
ちょっと前回の更新から間が開いてしまいました……(^^;)
ちょっと頭と目がちかちかしていて、画面を見られず、アナログ作業してました。
どうも自律神経ですね。むかしから人込みと季節の変わり目に弱い人間です。しかし、今年暑すぎて、今は十月中旬ともなろうなのだが、夏→秋なのか、秋→冬どちらの変わり目に自分はやられているのか!?


と冗談はさておき、おかげさまで復活してきました。アナログは好きなのですが、ネックがあるとすると、こうして活動報告ができないことでした。
これでまた楽しく記事を書けます!

限定記事で連載中の小説も書いています!
他の作品もせっせと載せていきたいと思います。
皆さまも、体調に気をつけてお過ごしください(^^)

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姉いじ裏話です!

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あなたの女

 アイラインを引き、マスカラをつける。思う。
 今が一番の“着どき”だと。
 今着るべきだと、いや着なければならないと思う。それは、きっと皆そうだった。





 メイクを終える。振り返って、食卓がわりのローテーブルに肘をついているあなたに、わたしはぎゅっと抱きついた。

「何?」

 朝は不機嫌なのは、どんな夜の後でも一緒だった。でもこんな日は少しでも抱きしめ返して欲しいと思った。
 親に、何か悪いことを言う前の子どもは「出ていけ」という言葉を内心恐れている。わたしもそうだった。

「キスして」
「やだよ」

 唇を、あなたの頬にほんの少しくっつけると、薄く赤がついた。まだメイク前の熱い肌。あなたは顔を背けてぬぐった。いつものことだった。それが今日はなにかとても傷ついてしまって、わたしは悲しい顔をしてしまう。わざとらしいのは嫌い。あなたは、少しばつが悪そうにもう二度三度、今度は丁寧にそこを撫でるとわたしを抱きしめた。強く抱きしめられると、胸がつまるように苦しかった。ひとつにまとめただけのつやのある黒髪から、少し辛味のあるハーブとシトラスの香りがした。頬をすりよせると、たまらない気持ちになった。

「メイクとれるよ」

 幾分目の覚めてきたらしいあなたが言う。声に気づかいの響きがそっとのっているのを感じながら、わたしは「うん」と頷いた。

「今日は遅い?」
「うん」

 あなたは知っていた。わたしの同僚が産休に入ったのだ。だからその穴埋めに、こんな休日にもわたしは行くのだ。あなたは中途半端に確認する。さぐっても仕方なくてただこわくなるだけのことを。だからわたしは確かめたくなる。けれど踏み出そうとして戻して、それの繰り返しだった。

「行かなきゃ」

 そう言って、わたしの体を離した。ついでのように、そっとわたしの目を覗き込む。
 きっとつり上がったアーモンド型の目。その勝ち気な瞳に、わたしの顔が映り込む。見たくなくて目を閉じた。するとあなたは今度こそわたしの唇をふさぐ。そうしてキスをしながら、わたしは結局あなたの首に強く手を回し直す。
 離したくない。
 でも、彼女はきれいだった。
 
 アイラインを淀みなく引くたび、マスカラを睫毛にのせるときに思うのだ。
「今がウェディングドレスの着どき」だと。
 そしてそれは彼女もそうだった。
 けれどそのたった一言が怖かった。言うことをためらうようになった。あなたとの距離をはかりかねて、わたしは混乱する。

 学生の頃、些細な嫉妬やすれ違いで喧嘩をしていた。あの時も必死だった。けれども、どれほどわたしたちは多くのものを持っていただろう?
 唇を離して、「行くね」と言った。急がなければならなかった。

「行ってくるね」

 もう一度繰り返すと、あなたが頷いたのがわかる。いつもそうだった。

「ねえ」

 靴を履こうとしたとき、あなたがわたしに不意に声をかける。肩越しに振り返ると、あなたは

「唇直しなよ」

 と言い、唇を少し誇示するように突きだしてみせる。それから悪戯っ子のように笑った。
 その笑みにわたしはうまく笑い返せたのか、わからない。無性に泣きたくなったから。

 男になりたい。
 いっそ男になりたいと叫びだしそうだった。
 あなたにすべてを与えられる、あなたにふさわしい存在になりたかった。
 けれどもあなたといる時のわたしは女だった。
 どうしようもないほど、あなたの女だった。

了.

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小槻の活動報告+「楔」のイメージイラスト【だれでも+無料プラン】

「兄様、朝です、起きてください」

+++

こんにちは、小槻です。

今日も今日とて、イメージイラストを描いたり、作品を移行したり、小説書いたりしていました。このあともう少し小説書きます。

【花あかり】、想像よりずっと感情の動きのある話になりそうです。もう少し静かに淡々と進む予定でしたが、あるキャラの動きがすごく激しく。いやーやっぱりキャラクターは、実際書いてみないとわからないとこありますね……。
今からすでに茅根のことが大好きになっているので、続きを書くのが楽しいです。まっすぐ咲けたらいいな、と思います。

茅根に限らず、書いているとキャラクターに愛情わいてきます。【好きだよ】の沢田についてもそうなのですが、違う視点だと全然わからなかった子が、書いていくうちに身近になって、書き終わるころにはいとおしくなるのは、すごく得難いというか、好きな経験です。
入り込みすぎてしまって、手が止まることもしばしばありますが、やっぱり書き終えた瞬間が一番好きなので、どうにかあそこまで行きたいものです。

イメージイラスト、少しずつ書きためていけているので、小説にくっつけて公開する時が楽しみです。とはいえ、自分のメインカテゴリーは【漫画】なので、漫画もせっせと公開して、面目躍如といきたいところです。
というわけで、今から姉いじ四話あげますね!

まとまらない話ですみません。
投稿作業したら、小説続き書きます。そして、近日中に二話をあげますね(^^) 

ではでは。

以下、【楔】のイメージイラストです。

 ↓

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短編小説【楔】イメージイラスト

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姉とくらべられ、いじめられてきた妹が救われる話 四話

【姉とくらべられ、いじめられてきた妹が救われる話】四話














五話に続きます!
一話~四話途中までは加筆修正をしたものを載せさせていただいているので、ここからちょっと絵が変わります!

一話からまとめて読みたい方はこちら


読んでくださってありがとうございます(^^)

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朝をおこしに

 コンコン。
 よる、ふうこちゃんがねむろうとベッドにはいると、まどをたたくおとがしました。
 カーテンをひらくと、おほしさまが、まどのそとにいました。ふうこちゃんは、まどをあけます。おほしさまは、ふうこちゃんてのひらくらいのおおきさのからだをもっとちいさくして、

「どうかおたすけください」

 とふうこちゃんにたのみました。

「どうしたの」

 ふうこちゃんがたずねると、おほしさまは、かなしそうなかおをしていいます。

「わたしたちはまいにち、おひさまをおこしにいくのです。おひさまはおねぼうで、おこされないとおきないのです。ところが、おひさまをおこしにいくほしが、けがをしてしまいました。このままではあさがきません。どうか、わたしといっしょにおひさまをおこしにいってくれませんか」
「わかったわ」

 ふうこちゃんはおほしさまをたすけることにしました。ふうこちゃんは、あさがすきです。おほしさまのぴかぴかひかるよるもだいすきでしたが、あさがくるとわくわくするきもちになるのです。

「ありがとうございます。じゃあ、わたしについてきてください」

 おほしさまは、ちぢめていたからだをぱっとひろげます。そうしてからだをみぎにひだりにゆらしました。
 すると、まっくらだったよるのそらがぴかぴかとひかりだしました。ひかりはながいじゅうたんのようになって、とおくまでつづいています。

「このみちのさきに、おひさまがいます。さあ、いきましょう」

 ふうこちゃんは、ゆうきをもって、まどのそとにみをのりだしました。ぴかぴかのみちは、そらのうえにういていましたが、ふうこちゃんがあしをのせると、そこはちゃんとみちになっていました。ふうこちゃんはおうちのにかいよりもたかい、そらのうえにたちました。
 あしもとがぴかぴかとてらされて、ふうこちゃんのおきにいりのパジャマがにじいろにかがやきます。ふうこちゃんはわくわくとしたきもちになってきました。

「ヤッホー!」

 さけんで、とびはねると、ふうこちゃんのこえはにじいろのボールになって、ぴかぴかひかるみちをぴょんぴょんとはねていきました。おほしさまはうたいだし、ふうこちゃんのまわりをとびまわりました。

「さあゆこう おねぼうさんの あさをおこしに
わたしのひかりは みちをてらす
このこのこえは きんのにわとりよりも
おおきなこえさ」
 ふうこちゃんとおほしさまはとびはね、スキップしながら、ぴかぴかひかるみちをすすんでゆきました。

 みちは、やまのようになったり、たにのようになったり、まっすぐになったり、くねったり、いろんなみちになりましたが、ふうこちゃんはげんきにすすんでいきます。
 そうして、いちばんおおきなさかをのぼったら、とうとうおひさまのべっどにたどりつきました。そこは、おおきなおおきなあなになっており、そのあなのそこにおひさまはねむっているのです。ぐうぐうというおおきないびきが、あたりにひびいています。

「さあ、おひさまをおこしましょう」

 おほしさまが、ひらひらととびながら、ふうこちゃんにいいました。ふうこちゃんは、ぴかぴかひかるみちを、おおきくさんかいステップして、いきおいをつけると、

「お、は、よーっ!」

といちばんおおきなこえでさけびました。するとおおきなにじいろのミサイルがとびだして、あなのそこにいくつもむかっていきます。
 ちゅどーん!
 おおきなおとがしたとおもったら、あなのそこが、ぱあっとひかりかがやきました。ふうこちゃんはそのまぶしさに、「あっ」とめをとじました。



「ふうこ、ふうこ」

 めをあけると、ふうこちゃんはベッドのなかでねていました。

「はやくおきなさい。おねぼうさん」

 ママがふうこちゃんのかおをのぞきこんでいます。まどのそとをみると、おひさまがのぼり、あたりをまぶしくてらしていました。
 そのひのあさごはんは、おほしさまのようにきいろくぴかぴかかがやいたオムレツでした。


完.

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