つかぼん 2020/07/28 23:50

ヘビ貿易のゲームシステムについて考える

正直ci-enで自分以外の作品のレビューみたいなのってどうなんだろうと思ってたんですが、一応私の考えを書いている場所という視点では同じなので書いてみたいと思います。
自分のゲーム制作勉強のために…なるのでしょうか。
しかし1日1記事を決めているので、ちゃんとしたレビューを書こうにも1日で記事を出さないといけないのはしんどいですね(?

というわけでまーたヘビ貿易の話なのですが、以前は単純な感想、今回はゲームシステムをちゃんと見たいと思います。あと注意というわけではないですが、自分にとっては衝撃でも人によっては他で見たことあるシステムなのかも知れませんね。

とりあえずサササと気になる点を箇条書き。

・イベントが全て1回の行動で消滅する
・敵にHPが存在しない
・ステージのバランス調整
・優先度というデメリット

イベントが全て1回の行動で消滅する

コレが本当に凄まじい…1回で消えてしまうので、どうせならと割高でもまとめ買いやまとめ売りに意味が出てきますね。やることは選択肢から選ぶだけ、非常に簡単…ただ何をを選ぶかは非常に重要、やることはシンプル…しかし影響は深く。

敵にHPが存在しない/攻撃値が存在しない

やはり個人的にこのゲームの大きな衝撃はココ…HPを消費して敵が消えるので勘違いしそうなんですが、よくよく考えたらこのゲーム敵のHPやプレイヤーの攻撃力という数値というのが無いんですよね。いや腕力という基礎ステータスがありますけど、ソレを求めてくる敵は僅かであり…基本的にやってることはイベントを処理するのに自分が何を消費するのかになります。

というのも私は10ITEMSというゲームを作ってたんですけど、自分のHP数値を無くし、アイテム個数をHPに見立て…そしてHP数値は敵だけに使っていたんですよ。しかし敵にHP数値を与えるということは基本的な処理方法もHPに縛られてしまうということだったのですね。一応敵にHPがあっても処理方法のバラエティとしては、吹き飛ばしたり飛び越えたり状態異常にしたり…それなりにあるんですが、ソレはHPを無視するための処理なので…限界はあります。敵を倒すこと(消滅させる事やステージ上から取り除く事)自体は結局HPを0にしなければならないのですから。

このように敵にHPが存在しない上に、上記でも書いたイベントが1回で消滅するシステム…そして処理方法は何のアイテムを使うかどうか、もうコレは他のゲームでよくある「どうやってHPを減らすか」ではないんですよね。HPを減らすかどうかであれば結局敵に大きくダメージを与えるアイテムが大正義となるのは当然になってしまいますから。目的がHPではないんです、目的は目の前の敵という問題を処理できればいい。ただ全てのアイテムが敵を広く処理できるわけでは無く、ちゃんとその敵用で選択肢に出てくるアイテムは持っていないといけませんが。

出てくる武器や防具や兵器なども、具体的な攻撃数値が一切無く…あくまでアイテムとして消費した後に自分のHPも同時にどれだけ消費するかというだけ…個人的な話ですが、こんな発想できるのかって思いましたね…いやもうこのゲームそういうのだらけなんです。

アイテムとステージのバランス調整

そしてコレも素晴らしくて…以前の記事で1つのイベント(敵や扉など)に1〜5個の処理方法がある書いたのですが、ステージにもソレは現れていまして。例えば関門として一定毎に試練というかちょっとした難関があります。最初の関門では中ボスのような敵が通せんぼしているのですが、中ボス自体は先ほどの武器や防具や兵器が必要でも…その中ボスはあくまで門を守っているだけであり、本当の目的は門を通ることとなります。門も歩いて行くと…門の横をピッケル4個で通ったり、門横の小さな扉4枚をバール4個もしくはたいまつ8個で通ったり…門自体をロープ5本で渡ったり…超レアアイテムの最後のバール1個でこじ開けたりと、ステージ自体にも処理方法の豊富さが溢れているんですよね…そして使用数にはアイテムによっても違う、いやもう本当凄まじいなと。

優先度というデメリット

あとコレもなるほどなと思ったのですが、このゲームにはところどころに暖炉があります。そして暖炉はペットボトルを溶かしてプラスチックという素材にできます。このプラスチックはダイナマイトを作るための素材で後半多めに欲しくなるのですが…暖炉でできるこの素材変換行動は、ゴミや汚染水が手持ちにあると先にその除去行動が優先されるということ。最初の通りイベントは1回しかできませんので、当然使える暖炉の火も1回だけです。つまりコレ…普通ならこの暖炉も大体は選択肢にして何をしますかって作りそうなものなんでしょうけど、1回で消えてしまうルールと優先度というシステムがあるため1個でもゴミの入手がデメリットとして効いてくるんですね…まあそもそも選べたらゴミが何の障害にもならないわけですが、ソレを優先度を付けることによりデメリットアイテムに変えてしまうのは素晴らしいなと…というのもイベントが1回で消えるシステムじゃあなければゴミ燃やした後に再度暖炉使えば良いだけですからね、1回で消えることと優先度があってできるゴミのデメリットと言うのでしょうか。

とりあえず

今パッと浮かんだのはこんな感じでしょうか…なんというかコレだけのアイテムやステージバランスを1人で考えたのかと思うと非常に大変そうだとは思いますが労力以上にアイデアが凄まじいなと思いました。私自身、HPってゲームオーバー許容範囲の器の数値としか見てなくてあんまり好きじゃあなかったので10ITMSではプレイヤーにHP数値を使わなかったんですけど…それ以上に敵にHPを使わずコレほどのことができるのかと本当衝撃でした。自分の頭の中がどれほどHPと敵を倒すことに縛られていたのかと思い知らされました。

私がゲームを作るのっていうのは(10ITEMSやリアルタイムオンライン対戦アイテムバッティングゲームなど)大体…如何に敵をHP以外でも処理できるようにするかが敵処理の発端だったんですね。敵にHPは作ってはいますが、別にHPでも敵は倒せますしHP以外でも敵は処理はできますよというもの。
しかしヘビ貿易というのは名前の通り、もっと単純に…色んな何かを渡して何かを得る(そして消滅する)というもの…なのでこのシステムにはそもそも別に敵のHPなんか存在しなくてもいいわけです。発想の根本が違うんですね…いやもう凄まじいゲームというか素晴らしいゲームというか、正直もう尊敬しています。桜降る代に決闘をというボードゲームがあるんですが、あちらもカードの効果のバリエーションが凄まじいんですけど…このヘビ貿易もバリエーションがえげつなかったです。

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