12.VRChatでゲームワールドを制作する【環境構築編】
概要
ボードゲームをオンラインで遊ぶため、VRChat上でワールド制作をしたいと考えました。
記事前半では制作に至った経緯、後半では備忘録として環境構築の手順を記載します。
制作したいワールドについては別記事にて投稿します。
VRChatを選んだ理由
オンラインで遊べるボードゲームとしてはBGAやBSW、steamやスマホアプリなどがあります。
BGAやBSWは既存のボードゲームがオンラインで遊べるサイト、steamやスマホアプリではボードゲームはマイナーです。
また全てに共通することとしてシステム制作のハードルが高いと思いました。
そんな折、VRChatならCatsUdonというシステムがあり、それだとカードゲームが作りやすい、ということで早速導入しました。
CatsUdonを断念
結論から述べますと、CatsUdonはだめでした。正確に言うとCatsUdonを使うならイチから作るほうがいいと思いました。
CatsUdonはTRPGを遊ぶことがメインであるため、サイコロ関係は多機能です。
カード関係については標準でトランプが扱えます。
シャッフルなど実装されているようですが、私の環境では無理でした。
(後日調べたところ、Unity上の動作はシミュレータであるため、VRChat上なら正常に動作すると思います)
加えて画像は公式の画像サーバに配置するらしく、それはなんだか申し訳ないな…と思ったため断念しました。
UdonSharpとの出会い
前提としてVRChatのワールドやアバター制作はUdonツールというものがあります。
プログラムしなくてもマウス操作(GUI)でできるUdonGraphは知っていましたが、C#と大差なく記述できるUdonSharpを知りました。
(Unityが扱える言語はC#であるため)
コードを記述できるということを知ったので、ワールド制作のハードルが下がり(≒モチベーションが上がり)ました。
Udonシステム自体でキャラクターやオブジェクトの動きを制御できるため、制作するべきはゲーム部分のみです。
具体的な制作方針
カードゲームを制作する場合、最低限次の機能がほしいです。
- カード自体の制作
- カードのセット
- シャッフル
- カードのドロー
カード制作は当たり前ですがゲームに使用するカードが必要です。カードの挙動はUdonシステムで扱えるため不要です。
カードのセットは衝立みたいなものです。これはVRChatではオブジェクトは無重力状態になっており、何かしら固定できないと非常に遊びにくいためです。
シャッフルやドロー機能も必要です。全員に同じカードをあらかじめ配るようなゲームなら不要ですが、ゲームに幅を持たせるため実装して損はしません。
続いて、デジタルならではの要素です。
デジタルゲームはアナログゲームと異なり、システム制御とランダム要素の追加ができます。
(TCGゲームをイメージするとわかりやすいですが、システム制御はダメージ計算や自動サーチ、ランダム要素はポケモンのコイントスやデュエマ3のランダム効果です)
システム制御はアクセシビリティ向上、ランダム要素は遊びの幅を広げるものです。
システム制御があるだけで遊びやすくなるため、是非とも実装したいです。
これらを踏まえると、現在制作中のゲームを実装するなら【シャイニングシティ】より【ぱぴすた】が向いています。
ただし【ぱぴすた】は無料版を作るのが難しく(【シャイニングシティ】は初心者向けルールがあり、無料公開が可能)製品版を無料で公開することになります。
またVRChatの特性上、コミュニケーションを取れるゲームのほうがいいので、そのようなゲームを作ろうと思います。
新たに制作するゲームの構成については、別記事で投稿しようと思います。
ワールド制作の備忘録
環境情報
VCC(VRChat Creator Companion) v2.3.4
Unity Hub 3.10.0
Unity 2022.3.22f1
手順
- VCCインストール
- Unity Hubインストール
- Unityインストール
- VCCとUnityの紐づけ
VCCインストール
VRChat公式にアクセスし、ログインします。
左側「Download」をクリックし、その後「Download the Creator Companion」でVCCをダウンロードします。
インストーラーに従いインストールします。
Unity Hubインストール
Unity公式にアクセスし「ダウンロード」よりダウンロードします。
インストーラーに従いインストールします。途中ログインが求められると思うので、ブラウザからユーザー登録が必要になります。
Unityインストール
Unity 2022.3.22からUnityをインストールします。
※現在(2024年12月11日)VCCの推奨バージョンはUnity2022.3.22ですが、Unity公式の安定バージョン(LTS)ではないため、Unity Hubからインストールできません。
そのため公式サイトから対応するバージョンのインストールが必要になります。
なおUnity Hubをインストールしたのは、Unityの管理を行うためです。これは将来的にバージョンアップされたときに対応しやすくなるためです。
VCCとUnityの紐づけ
VCCを起動するとUnityの紐づけを求められるので、画面に従い紐づけします。
あるいは左下の「Settings」からUnityを指定することも可能です。(おそらくUnity2022がインストール済みならMajor Version等は自動で入力されると思います)
プロジェクト作成
VCCの右上「Create New Project」をクリックします。
「World 2022」と書かれているものをクリックし「Project Name」「Project Location」を編集後(任意)「Create Project」でワールドが作成できます。
※ワールド作成記事を調べると「UdonSharp」や「Unity2019」のインストールが手順として紹介されている場合があります。
ですが、「UdonSharp」はVCCインストールで自動的にインストールされますし、Unityの推奨バージョンは先述の通りUnity2022.3.22です。