ひよぺん幼稚園 Nov/17/2024 14:15

10.100戦して感じたドミニオンの弱点【雑記】

概要

ボードゲームとしてドミニオンは有名で、ドミニオンをベースにしたゲームはアナログ・デジタル問わず多数産まれました。
現に、私たちが製作している【シャイニングシティ】もドミニオンをベースにしています。
(【シャイニングシティ】紹介ページ>
https://ci-en.net/creator/25744/article/1205779)
ゲームを製作するうえでドミニオンについて考察したので、今回はドミニオンが抱える弱点について、自分なりの考えをまとめます。

はじめに

基本(初版)の2人対戦をネットで100戦したときの感想(昔話)をメインで話します。
そのため、第2版や拡張を加味すると印象が変わってきます。
(特に拡張によっては全く違うゲーム性になるため、また違った印象を抱きました)
拡張も踏まえた話は最後にします。

ドミニオンが抱える弱点

ルールが複雑

手番時にアクションカードと財源カードを使い、獲得したコインで新たにカードを購入。
デッキを強くしていき、勝利点カードを購入して、ゲーム終了時に勝利点が最も多い人が勝者。
…言葉で説明すると単純ですが、実際はルールが複雑と思います。
捨て札と廃棄の違いは皆が通る道ですが、それ以外にも「アクションカードは基本1枚のみ使用できるが財源カードはすべて使用できる」から始まり「手札はすべて捨て札にすること」「山札のシャッフルタイミング」…
細かいところを上げると「捨て札の確認はできない」こともあります。
一度覚えればドミニオン以外のデッキ構築型ゲームにも応用できますが、コミュニケーションを主体としたゲームを筆頭にいろいろなゲームが増えてくる中「ドミニオンを知っていれば他のゲームにも応用できるよ!」の言葉だけで誘うのは難しいと思います。

次に、何度か初心者へのインストを行った経験から見えてきたことについて話します。ここで言う初心者は「ボードゲームやTCG、デジタルゲームにあまり触れてこなかった人」です。

初心者向けでない

1)初期手札に勝利点があるせいで「屋敷が大切なカード」と認識、属州を買うゲームと認識しにくい。
ゲームの終了条件が「属州切れ」「3山切れ」なので属州を買うことはわかるが、8金と高額なのでなかなか買いにくい。
それだったら安い屋敷や公領でもいいのでは?となるのも頷ける。
基本的に属州以外の勝利点カードは買う必要がないのだが、どうやら「最初から3点持っている」というのは思った以上に安心感があるらしい。
同様に呪いは「邪魔な手札」よりも「-1点」のほうがストレスらしい。
2)勝利点カードが邪魔なことに気づくまで時間がかかる
属州を買えなかった結果別の勝利点を買う、というのも時折見られる。
勝利点カードはゲーム終了時以外意味がないので、ゲーム中は邪魔なカードである。
確かに勝者は属州の数ではなく勝利点の数で競うのは間違いではないので、指摘しにくい。
ドミニオンのルールには「属州やその他のカードを買って豊かな国を作る」とあるのでそれを説明すればいいのだが、そうすると次は圧縮の説明がしにくくなるので厄介。
3)圧縮することの恐怖(せっかく買ったカードが使えなくなることの意味不明さ)
属州は8金に対し、手札は5枚、なので銀貨、金貨と言った財宝カードが必要、までは説明しやすい。
だがその後の「不要カードがあると必要カードを引く確率が下がる」ということの説明が難しい。
不要カードを減らす、よりも必要カードを増やす、と言う方がプレイしやすいのは仕方ないと思う。
あとは性格かもしれないが、礼拝堂がある場面でも全廃棄はせず、屋敷を残したり半端な銅貨を廃棄して購入、そもそも礼拝堂を中盤に購入などが見られる。
サプライ次第であるが、初期のサプライでは礼拝堂圧縮は強く、そのときに4枚破棄をすると驚かれます。
「手札をすべて(4枚)廃棄」「なにも購入しない」なので、確かにインパクトがあると思います。

セオリーの把握が必要

デッキ構築型ゲームはカード効果や戦略の把握が必要となってきます。
それらを把握している上級者に、セオリーを知らない初心者が勝つのは至難の業です。
…セオリーや戦略を知らないから勝てないのは当たり前ですし、多数のサプライがあるため
「単体では弱いけど、あのカードと組み合わせると強いのでは?」
となることでリプレイ性が増しますが、そこまでやる熱意が初心者にあるか?と言われれば厳しいかと思います。

逆転要素が少ない

基本的に1種類10枚カードがあるため、初心者でも上級者のプレイングを真似することはできます。
ですがドミニオンは一度開いた差を埋めることは難しいです。
これは拡大再生産型ゲームの弱点であり、そもそも上級者が勝つのはある意味当然です。
その一方で勝者になるにはプレイ中邪魔な属州が増えるため、その属州をいつ獲得するか、属州を獲得したことで縮小再生産が起こります。
結果として他ゲームよりも逆転の可能性が出てきます。
(王国サプライではセオリーが研究されているため、初心者が勝つのは難しいと思いますが)
ドミニオンの運要素はデッキ引きによるものであり、速度の差はあれ目指すデッキを作ることができるのも、実力が出やすいため一方的な試合展開になると思います。
経験者同士なら、属州をいつ買うか、その後のケアをするかそもそもしないか、という駆け引き自体は非常に面白いです。

拡張による増える戦略とプレイ時間

ドミニオンの拡張には多種多様なカードが多く、これまではできなかったプレイ、あるいはあまり強くなかったカードが輝くことがあります。またカードの強弱も同時に並ばないと意味がないため、似たようなカードを作りやすいのもいいです。
一方でサプライ把握や準備に時間がかかるため、プレイ時間は伸びがちです。

最後に

ドミニオンはデッキ構築型の元祖で、拡張を増やしつつ今でも進化しているゲームです。
一時期ドミニオンフォローなゲームが増えましたが、ドミニオンを超えることはできなかった思います。
また、プレイ人数によってプレイ感が変わるのも(特に二人戦とそれ以外)新鮮で楽しくなれます。
一方でカジュアルなボードゲームが流行っている中「デッキ構築型ゲームの最高峰だから!」で進めるのは難しいです。
他人と直接的にやり取りするのは少なく、ソロゲー感が強いのも(実際には他人の動向を伺う必要があっても)向かい風だと思います。
それらをはねのけて「このプレイングはだめだったか…次はこうしよう!」と思える人が増えてくれると嬉しいですし、何よりそういう人と遊びたいです。

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