びぶ Apr/22/2025 13:38

【ネタバレ注意】黄昏電鐵の雑記

黄昏電鐵の元ネタの未完成ゲームの話や、難産だった経緯、人生や思想のこと、資料集には載せられない各シーンのオマージュ元などをずらずらと述べています。ネタバレを含むので全ルートクリア、全実績解放推奨です。




黄昏電鐵、全ての実績をクリアしました。

もう、一体なんだったのでしょう。ただただやるせない気持ちになりました。同棲生活コンテンツとか壁紙見ると辛いです。立浪と出会うはずだった4月1日に戻ってきた時咽び泣きました。あんだけイチャイチャ見せておいてあのトゥルーエンドは酷すぎる。
通常プレイだとほとんどの実績は解除できずで
特に難易度が高いものは「待つもの」と、一番最後の「切符を4枚閲覧する」ものでした。絶対に初見プレイで回収はできません。ウォークスルーガイドを待っています。


 

くぅ〜疲こ完!

初めてまともなゲームを出そうという中、右も左も分からないのに自分に全責任が降りかかってきた作品、しかも前作の継続ということで今までの人生で経験したことのないほどのバカデカいプレッシャーを抱えながら作ったものでした。しかし心に炭治郎と煉獄さんがいるのでことなきを得ました。
きっかけをくださったAUTOMATONさん、中の人に感謝ですありがとうございます…
そして応援していただき、制作に関わっていただいた方たちには最大の感謝と労いを。ありがとう、お疲れ様でした!しかし、物語は終わりましたがまだまだやりたいことは続きます。今楽曲の差し替えを作ってもらっているのと、立ち絵とブラックアウトしてるシーンの絵をもう少し増やしたいなと目論んでます。


たそでんが難産だった理由

①心労

このゲーム出してカプ厨発狂して叩かれないか不安だった

BLじゃないので左右固定もありませんしカップルでも恋愛感情があるわけでもありませんのでね…(本編はです、二次創作は二次創作です)ずっと心配でしたがしかしそれも杞憂に終わりました。

再三言いますが作っていて相当辛い作品でした。
さいはて駅が出た経緯と、たそでんのテーマもあり。あれは禅問答のようなものでした。
孤独と向き合い、運良く多くの方にプレイしていただくことになったという傲慢さを捨てるよう思い込み。幸せとは、羨望、愛、自己嫌悪、どうしようもなく逃げたい気持ちのやり場をストーリーに落とし込むには。過去の自分とどう向き合うか。運命とは、死とは、因果とは…と、大好きなクソデッケエ話は自分の中にも正解なんてものはないので、キャラクターの感覚を憑依させて、旅を通して一緒に探っていく。ただただ自分が納得できるレベルにまで仕上げていくだけの作業。

終わりが見えないのに、絶対にやるしかない。

逃げたいのに逃げられないという状況。自分が進まなければ協力していただいている方も進めない。こんなにちょっとのゲームなのに、途方もない穴掘りをしてる感覚。
先に進まなければ。この列車を進めなければ。
たそでん春夏冬さんのような気持ちでした。
今まで、何からも逃げてばかりいたのですが、なんとか苦しみながらもリリース出来て、なんだか少し自信がつきました。
追憶の部屋でのハルが「逃げた先に安心なんてない」という発言をしており、シオンと出会わないことによって逃げることを知らない春夏冬さんになっているのですが、

途方もなかったたそでんを完成させられた自分にも少し繋がる部分を感じました。
だからこそ、勝手にこの結末になったのかもしれないです。

さいはて駅は「逃げること」を肯定した作品でした。
結果的に黄昏電鐵は、逃げることも逃げないこともすべて真実の「幸せへの足掛かり」になるという、銀河鉄道の夜から着想を得て自分の中に落とし込んだ、生きること全てを肯定する作品になりました。

真実はいつもひとつじゃないんだね。


②心労

自分が先導しないといけなく、選択は全て自分の責任にあるということの慣れなさ。

今回、楽曲制作にコニシユカさん、韓国語翻訳に毎度お馴染みのコアさん、簡体中国語翻訳(有志)にはinoruさんとaキナシのネko耳見せろさんにご協力いただきました。
コアさんはさいはて駅本編の韓国語の一次翻訳を担当していただいておりましたがはじめてのみんなで開発です。

ゲームに限らず、何かを作る時、基本ずっとひとりでした。学生時代は部活にも塾にも行かず、ただひたすら絵を描いたり、学校行くフリして電車に乗って遠くまでいき、授業はサボり、勉強もせず、しかし普通に通っていたという振り切れないクズカス具合でしたので当然チームプレイの経験はありません。
大学時代ももちろんクソカスは継続でした。ごめんなさい。成績はもちろん下の下でした。自分でも引くほど頭悪いけど死ぬわけじゃないし社会にはもっとクレイジーな人間がたくさんいるから生きてればいいんですと気を確かに保ってます。でもこれはコンプレックスの一種なのでなんとかしてあげたいです。いや結局保身で精一杯なだけで、迷惑をかけていることをちゃんと自覚しなさい、だからお前はいつも……(以下略)

サラリーマン(?)時代も本当にカス人間でしたのでチームにおいて自分がどんな立ち回りをしたらいいのかがさっぱりわかっていませんでした。気が利かない割に一人で抱えていっぱいになって爆散するので本当にどうしようもなかったです。なので、一人がやっぱり楽だなあと信じきっていました。

しかし、ゲーム作るみなさんやインディーゲームに関わる組織の方を見ていると何かしらみんな繋がりがあることに気づいてしまいました。
なんだ、ここにも社会があったんだ。

なので今後、ゲーム開発を続けていく上でずっと一人で開発し続けることはないかもしれない。
もしかすると、誰かとチームを組んで、プロジェクトメンバーに入ってもらったり、入ったりするかもしれない。
いや、むしろそうしないと続いていかないんじゃないか。
そう思うと、人と一緒に何かひとつの作品を作るという経験が必要なのではと思ったのでこの体制を組みました。

しかし心強いと同時に、なんだか重く考えすぎてしまうようなので、「自分がやらなければ進まない、絶対にやらなければならない」という強迫的な責任感が常に背後について回っていたのがとんでもなく邪魔でした。

これに加えて①の創作物への向き合い方も加わり、重いテーマの創作とチーム制作って大変なんだあ〜とぼんやり考えてました。
そしてクラウドファンディングの270万円の重圧もデカく、もう何もかもが恐ろしくて堪らなかったです。270万円なんて自分が一年間必死でサラリーマンしてもこの金額にはなりません。自分の中でもイメージがうまく出来ていないものをやれだなんてパワハラすぎる。

結果的にリリース間近になってテキストをFIXしたりβ版を完成させたりとイカれたスケジュールになってしまい多方面には多大なる迷惑をかけたと反省していると同時に、最高のものを一緒に作っていただいて特大感謝をしています。ありがとうありがとうありがとう!
しかしこれが企業とか関わってることだったら許されないです。今回のことを活かしてもっと上手く立ち回れるように改善していきたい。

もういい大人なのにどうしても自分のことでいっぱいになってしまうのでまだまだ精神修行が足りないことは自覚しています。自己嫌悪する楽な思考回路が開通してしまっていますのでもっと矯正しなければならないなと深く思います。
すくなくとも10代の頃よりはだいぶ思考が柔軟になってきました。というのも、現実世界が現実世界だと認知出来てきた感覚がしてきています。10代特有の未来や社会への絶望感はもうなく、今は幸せに死ぬために生きるそれだけでOK。

たった1年ですがここまで濃いこと今までなかった。不思議なことに、特別嫌なことがあったわけではないのに、大学以前の学生時代の記憶と社会人時代の記憶がほぼ無いので今が一番自分がここにあるという感覚がしてて楽しいです。
自分で考えて自分の意思で動くということをして、なかなか人生の当事者意識が湧いてきたというか、感情への解像度がかなり上がりました。
怒りばかりで許せないことも多かったのですが、今は余裕が出てきて許せることが増えてきました。人間らしくなったねえと身の周りの人たちにも言われました。人外だった。
これからもリニアのように摩擦ゼロで進んでいきたいです。


③心労

不信(自分に対して)
大変ありがたいことに、いろいろな方から声をかけられるんですね。ゲームイベントでも、インターネットでも。
最初は喜んで対応していたのですがだんだん違和感に気づいてきます。

「利用されているのでは?」

ド失礼です。本当にすみません。わかっています。元気な時はきっとそんなこと思いませんし、色々な人と会い、話をし、私生活でも色々なことがありすぎて気が張っていたのだと思いますが懺悔。
中には悪質なものもあるので見極めは大切ですが、そんなことはなく純粋な気持ちでご連絡いただいている方ばかりだとは分かっていました。
けれども、なんだかもう自分が信じられない、ただ人を騙しているだけなのではないかという気にそそのかされてしまっていました。

ただ運がよかっただけ。
周りの人が手伝ってくれただけ。
自分は好き勝手してるだけで、でもそれでもいいのかなというか、感謝と自分の信じられなさによる申し訳なさも制作の邪魔をしていました。
ただオタク語りしたいだけで。
だけれども生きるためには何かを削らなければならないのかと。
なんだかもう自分が最低最悪ゴミな奴にしか思えなくなってしまった、しかしそれなのに安心してしまう時が何度もありました。

しかしこれは今はだいぶ収まりました。自分がどう思うか、無理してないかなどちゃんと自分のうちなる声を聞いてあげることで改善してきたような気がします。乗り越えられた!えらすぎる。


正直、金銭的な不安、将来への不安もかなり制作を妨げていました。今もそれは変わりませんが、今回のゲームやグッズによる受け取れる数字のおかげで少し気が楽になると同時に再びとんでもない恐怖と責任感と感謝と申し訳なさという感情が盛りだくさんです。
しかし本当にありがとう。みんなのお金で奨学金を一括返済しようと思いますありがとうございます。
しかし、収益が月に数万円しかなかったとしても、貯金が減るだけで死ぬわけじゃないのだから。きっとなんとかなるだろうと考えるのがめんどくさくなり、

もうどうなろうがどうでもいい、リリースさえすればうっかり死んでしまったとしても(嫌だけど)まあ許せるなぐらいまで適当な心構えをしていましたので、さいはて駅よりはるかにクオリティの高いゲームが作れたなと安心できます。


結論ですが、ゲーム開発は最悪ですがこのサバイバル感とギャンブル感が最高に気持ちいいです。哀れな人間をエンターテイメントとしてぜひお楽しみください。





黄昏電鐵の元になった卒業制作のゲームに含まれる持論について

黄昏電鐵は、卒業制作でエターナった過去を鉄道で追憶していき、最終的に成仏(?)するというゲームをベースにしています。


卒業制作という便宜上かわいらしい感じにはしていますが、実は自殺をした主人公が死ぬ間際に見る追憶の旅だったというのがフワッと分かる具合にしたいつもりでした。
この旅が過去の人生を追体験して肯定する旅であることは黄昏電鐵とも同じです。





ハテナーキ海の上に浮かぶ「さよなら駅」と、「サイレン踏切」、海に浮かぶ帰れるはずのない家はそのまま黄昏電鐵になっていることに気がつきました。
画質がめちゃくちゃ悪いのですが元データを紛失した。悲しい。

住んでいる場所や人間が何度か変わってしまったという経験から、この場所だけという故郷がないことと、どこに帰れるはずでもない郷愁のきもちが夕焼けやノスタルジー、廃墟や空という世界観に直結している気がしています。ずっと子供のままなんですね。存在しないあの頃に帰りたいです切実に。黄昏電鐵とあの頃鉄道は自分の願い祈り憧憬。


インナーチャイルドについて

すでにお気づきの方も多いとは思いますが、黄昏電鐵は、インナーチャイルド療法をモチーフとしています。 詳しくはよくわからないので気になった方は調べてみてください。

ざっくり説明すると、自分の内部にダイブして自分の内なる子供(インナーチャイルド)に出会ってトラウマを肯定したり抱きしめたり一緒に遊んであげて心を軽くしてあげるというものです。

表面的な問題はないにしても、あるにしても、みんな何かしら子供時代には無意識、意識的にトラウマを抱えてます。
まず、精神世界にダイブして、世界を旅してインナーチャイルドがいる場所を探すのです。
すぐに見つかる場合もありますが、どこにも見つからなかったり、深い階段を降りた先だったり。「水の底」だったりすることがあります。
自分の場合はだだっ広い曇り空の風がびゅうびゅう吹く草原を進んでいくと、地下に進んで行けるボロボロの石畳の階段がありその先にいました。シオンと違って愉快な人間なのですぐに見つかりました。

おそらくメジャーなトラウマになるであろうことですが、自分は生物学的に女性であるにも関わらず「女みたいだね」だと揶揄われ続けたことをおそらく今も引きずっています。着飾ることへの恐怖心、女性らしさへの嫌悪感、自己がすっと未知の透明になってしまった感覚は今も継続中なので今後もそうでしょう。生きている限り違和感のあることというのは毎日のようにボコボコ出てくるわけでそれを排除するというよりもどう自分の中で咀嚼していくか…に悩みます。もちろん心持ちだけではどうにも問題もありますが心持ちのチャンネルを変えれば行動も変わるので、という話で(何が言いたい)
無意識に親の真似をしてしまっていることや、自分を悪く思うことが出来るからこそ他者にも同じことができてしまう。繋がりを断つためにも、それなら生まれてこない方が幸せなんですねという非常に楽な思考停止に陥るのも十分理解できます。

いくらキャラクターとはいえ2人とも精神的に幼すぎると言われて泣きました(泣いてない)が、客観的に見てどれほど自分が今まで他者と関わってこなかったかというのが丸見えになりただ恥じました。これは成長です。

8月の配信で、立浪シオンのことが嫌いになりたくないから、アイツの人間性がよくわからないから作っていると話していました。
今回立浪シオンを掘り下げていくうちに、感情移入が激しくなってしまいもはや春夏冬よりも解像度の高い人物になってしまいました。シオンの根底にあるものは不安と満たされない気持ち、羨望ですね。
家であるはずなのに、居心地が悪く、夜、布団をかぶる度に思うんです。帰りたい。どこに。
安心できる逃げ場所をずっと探しているんです。
ここは家のはずなのに。

父親から「子供なんだから、帰る場所なんてここしかない」と言われていました。

そうじゃなかったね。


よかったねシオンくん、おかえりなさい死になさいシオンくん。






ゲームを今後作ることについて

愛なき時代に生まれた訳じゃないです。
良い人になりたいけどなれないという葛藤は普遍的なものですね。
立浪シオンはコンプレックスドこじらせですが春夏冬も相当です。アオイのような人を前にすると、逃げたくなり、それすらも申し訳なくなり自己嫌悪するという悪循環。
優しい人になって優しいゲームを作りたい、と風ノ旅ビトをプレイしたときから思っておりますが、数年たっても結局優しさなんてものからは程遠く、殺意と憎悪の話ばかり作りたくなってしまうのです。
しかし、自分にとってはそういうものも結果的に優しさや愛情になるということを認めたくて黄昏電鐵を作ったのかもしれません。
これが現在の自分に表現できる最大の優しさと愛の話でした。

しかし黄昏電鐵は自分にとって本当に優しく思いやりのあるゲームです。ゲーム的に。
シナリオだけじゃなく、さいはて駅で不親切だった部分を改善して遊びやすくわかりやすくつとめたつもりです。
具体的には画面常時表示UI(これがクソで、動作不良とバグの温床)、CG鑑賞、多言語対応を前提とした設計、デバッグのしやすさを考慮した進行管理、メニュー画面に操作ヘルプやガイドを追加。ピアノギミックやロッカーのパズルその他いろいろと今までに作ったことがないもの…です。

特に最後のボタン入力のランダムQTEは全部ChatGPTで作りました。処理が重めなので改善の余地はたくさんある。
演出面もさいはて駅からは大幅にパワーアップさせています。イラストの数は勿論ですが、フォントやテキスト送りのSEを変えたり、遠景マップの差分を増やしてアニメーションを表現したり、進行を分かりやすくしたり、音楽の使うべきポイントも抑えて、出来るだけ曲が印象に残るよう無音や環境音をベースにして緩急をつけました。


ゲーム作るの楽しい〜〜〜!!!


まだまだ、まともなゲーム開発歴一年。
至らない点はゴロゴロとありますが。これが今の自分の最大の火力です。もっと更に上を上を本当の天上を目指して進みます。


黄昏電鐵のテーマは「アンチカムパネルラ」であることについて

他者のためにとすることは結局自分のためにしかなってない、けれどそれでいい。

立浪シオンの本質は変わっておらず、春夏冬に微塵も寄り添うということをせずずっと利己的なままです。
ここで言いたいのが、立浪は「本当のあなたのためになれてよかった」と言ってますがそうではありません。春夏冬の怨念が言うように、「結局自分のためでしかない」です。

本当の誰かのためというのは存在しない、幸福も全て自分のものでしかない。
本当の幸いに至りたいなら利己的であれという立浪シオンの教え(?)が自分なりの人生へのアンサーでした。

誰かのためにすることは自分のためにしかならないのです。
なぜ徳を積むのか。自分が浄土に行きたいからです。

結局、利己的なのに、結果的に利他になっているんですね。

利他とかキモいです。感謝とかキモいんです。しかしこれを実感したのはさいはて駅というゲームを出した時でした。自分のためにしか作らなかったのに、こんなにも多くの方に遊んでいただき、実況していただき、ファンアートもたくさん描いていただいている。
結果的に利他になってるんだな。ああ、これでいいんだと実感しました。






OMORIについて

OMORIが大好きです。(以下OMORI語り)
今までやってきたゲームの中でトップレベルに大好きです。
もう好きすぎて衝撃すぎてプレイ直後に頭がずっとOMORIで今もずっとずっと引きずっていました。
なんなんだあのゲームは。自己の罪悪感とトラウマにひたすら向き合うというということをここまで表現した作品はあっただろうかと。
自分はサニーのようなことはもちろんしていないけれども人間として生きてきている以上罪悪感や夢の世界に閉じこもりたい願望もわかるし、ケルやヒロ、オーブリー、バジルたちとの関係性やそれぞれの苦悩も見えてきて各キャラクターのことが分かってしまい。ケル・・・・・・
リアルな人間たちがここにいるんだと感情移入しまくって泣きました。
しかもドラクエキッズだった自分にとってJRPGは大大大好きジャンル。そして何よりアートがかわいい!絵本っぽいのに怖い。ああ、こんなゲームがあっていんだ!とすごく勇気とインスピレーションを受けました。

それと同時に、ゲームをやった時に、すっごく、ものすごくものすごく悔しかったです。
なんでこんなものが世にあるんだ、作りたい!作りたい作りたい作りたいと頭がおかしくなりました。OMORIがツクールゲームへの開発に火をつけました。
OMORIの足元にも及ばない短くチープなゲームであることは理解していますが、どうしても、OMORIの体験を自分でも作りたくて。トラウマに向き合うというテーマやFinal Duetのオマージュとして一緒に帰ろうエンドのエンドロールムービーを作成しました。
なぜピアノかというのはマリの影響ももちろんありますがピアノの音が好きなオタクだからです。特にワルツが大好きです。コニシユカさん本当に本当にありがとうございます。
サントラこちらです。TRPGやマダミスにも使用できるのでぜひ


さいはて駅 -黄昏電鐵- Extra Soundtrack【Ver.0.9】
https://booth.pm/ja/items/6773601


OMORIやろう。


どうでも良い話、そして終わり

2024年5月18日にリリースして以来初めてのことがたくさんあり、今までにないほどにハイテンションでした。なんだか今までこんなことってなかったので、自分がとんでもない傲慢、最悪ムーヴをかましてしまいそうで恐ろしかったけどもう手遅れですね。
言葉にすると途端に気持ちが悪くなりますが、縁に感謝して大切にしていくしかないです。人間としての社会との関わり方を試されているような気がして、身が引き締まります。美味しくなります。
右も左も分からないなか、全責任が自分に降りかかってくることがすごく恐ろしくありました。急に100車線ある高速道路に生身で放り出されて必死で車を避けていっているような気持ちでした。今もそうですが、だんだん慣れてきて、ここからが踏ん張り時というか。そろそろ飽きてくる時期なので、逃げないという選択をした場合どうなるのかノベルゲームの先を見ていきたいです。

さいはて駅ですが、私生活と会社で同時にトラブルが何件も起きて、もうどうにもならなくなり会社に行かなくなりその時期に作りました。その時もいつものようにクソ元気でしたが純粋に最悪、絶望、心持ちはカスでした。
テレビやニュースなどでしか見ない、追い込まれてしまった時の気持ちが自分の中にもあるということに気がついて「面白いな〜」とメタ認知して謎に冷静でした。家族が緊急搬送されたりもしたし、何だったのでしょう2023年秋。

どうせこの先やることもないし、貯金も半年は暮らしていけるほどにあるし、前々からツクールは少し触ってはいたけどいっこうに進まないので、どうせなら一本完成させたいなあと。キャラクターたちが経験した嫌なことや様々なことややらかしてしまったことを描くことで肯定し、自分を助けてあげていました。
自分より可哀想な奴を見て手叩いて喜んでますね。
ゲームを作っている間、先のことは考えていなかったというか。未来が全く見えていませんでした。全部どうでもよかったので、だからこそ作ることに没頭できた感じがします。
同じタイミングで仕事を辞めた大学時代からの友人もちょこちょこ会ってくれて、
テストプレイや設定資料集の文字校正も手伝ってくれて、他にも友人にも手伝っていただき。つくづくいい人たちに恵まれているなと思います。今もそうです。
人間関係リセットをしがちでしたが、今は世間って意外と狭く繋がっているなという、自分は個ではなく、社会を生きているという実感が湧いてきたので今あるものを無碍にせずにしていきたいと願ってます。

生きているのって苦しいのですが、苦しいからこそ生きているともいえて尊いです。それから解放された時の気持ちよさはなにものにも代え難い。
難解なバグが解決した時、無理だと思ったイベントが上手く動いた時もこの感覚なので、苦しみが好きな人はゲームを作るのに向いています。ドMはゲームつくろう。
本能的に刺激を求めてしまうからわざとトラブルを引き寄せたりするらしいです。これも、生きるためらしいのでほんとうに人間は萌え。
隠しエリアの「苦しいことに安心していたい」という言葉は、すごく頷きました。苦しい方が安心していられる。しかし苦しいのは嫌だというよく分からない状況ではあります。春夏冬は幸せになりたいなんて思ってないんですよね。苦しさに安心してたいから。

さいはて駅も、黄昏電鐵も、誰かを楽しませるためには作ってません。
自分のために作ったものですが、一緒に楽しめたら嬉しいです。
いつかとんでもない失敗をしてしまうんじゃないかという不安がここ一年かけて雪だるま式にどんどんデカくなっているのがわかります。が、調子に乗らずゆるく構えていきたい気持ちです。昨年は暴れすぎたのでもう大人しくします。
生まれない方が幸せに決まってます。
けれど、そう思うことができるのは生まれたからですよね立浪シオン、よかったね。
黄昏電鐵は性癖もありますが、自分自身を助けてあげた側面が強いです。自分にとっての黄昏電鐵は黄昏電鐵で、さいはて駅はさいはて駅でした。
死ぬまで生きるのが目標なので、これからも毎日を折り畳みつつ、したいことをしていこうと思ってます。


以上。とっ散らかりでした。




元ネタがあるもの

さすがに資料集には載せられないのでここで供養。きっとまだまだあるけど忘れている。この世の全ての創作者に感謝


死者しか乗れない列車、サザンクロス
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治


斜陽
「斜陽」太宰治
没落していくことを斜陽と表現していたことから、永遠の楽園だったものが没落していくことにかけています。


火の中に十字架のようなものが見える
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治


蠍の話
銀河鉄道の夜から省略引用


ベランダの形状
ゆめにっき



トイレから手が出ている
「カミくれ〜!」
ゼルダの伝説シリーズ恒例のアレ


誕生日パーティーの部屋
リミナルスペースやbackroomのパーティー部屋。


「思い出したよお前はそんな奴だったよな」
「そうかそうか、つまり君はそんな奴だったんだな」少年の日の思い出のパロディ
立浪が春夏冬を突き飛ばした直後のセリフです。


イノセントルーム
ポケモンブラックホワイト Nの部屋


「アオイ、僕の妹。もうひとりの僕」
闇遊戯「闇のゲームの始まりだぜ!」


「ひとつだけのケーキ、一本だけのろうそく
きくおさんの楽曲「天国へ行こう」からインスパイア。
僕と君は2人もいらない。


死体安置所
UNDERTALE アズゴア戦バトル前、OMORIのマリ


前作主人公と戦う
「ポケモン金銀/HGSS」 レッド戦


トラウマに罵られる
「OMORI」 OMORI戦


Z連打
「リンバスカンパニー」7章ラストバトル、「さいはて駅」の振り解く
やってないのに動画だけ見せてもらったので参考にしました。
アツい。
春夏冬が振り解く側だったのに立浪が振り解くことになってしまうのも悲しい。


連弾
「エヴァQ」、「OMORI」Final Duet



「秒速5センチメートル」新海誠


誰そ彼
「君の名は。」新海誠
黄昏時というのは全てが曖昧になり、赤青黄が全て混ざる時間帯も黄昏…



全てを青に
「エヴァンゲリオン」人類補完計画


隠しエリア
「Sky」thatgamecompany、「言の葉の庭」新海誠
自己犠牲というテーマに惹かれたというかそれをゲームで表現したいと思ったきっかけはSkyと風ノ旅ビトで、銀河鉄道の夜に通じるものがあります。
TGCの作品に出会わなかったら今の自分はありません。ありがとうジェノバさんTGCのみなさん。

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