【ゲーム音楽を楽しむ為のコラム】オーケストラに欠かせない音色「ストリングス」
こんにちは!
サウンドスケープライブラリのかんころもっちです。
さて今日はBGMの進捗ではなく、
ゲーム音楽をより楽しめるようになる記事をひとつ書こうと思います。
知識があればもっと楽しめる!オーケストラ・サウンド
壮大なシーン、感動的なシーン、悲しいシーン…
昨今のゲームには欠かせないオーケストラ・サウンドですが、実際にオーケストラがどのようにその音を奏でているのかがわからない、という方は多いのではないかと思います。
その疑問を少し解消するためのヒントとして、今回はオーケストラサウンドのなかで一番欠かせない「ストリングス」という音色について解説してみたいと思います。
この「ストリングス」という音色を理解するだけでもオーケストラに対する楽しみ方が少し変わってくると思いますので是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。
図1
オーケストラに欠かせない「ストリングス」とは?
ストリングスとは弦楽器のグループの事です。
一般にバイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの弦楽器を一つの音色とみたててストリングスと呼びます。
(ギターやハープ等は弦楽器ですがストリングスに含みません)
ではストリングスのみで作ったサンプルをお聞きください。
※サンプル1(ストリングス・デモ曲)
如何でしょう?
いかにもオーケストラ!って感じの音ですね。
基本的にはバイオリンをはじめとするストリングスがオーケストラ・サウンドの軸とも言うべき響き・空気感を作り上げています。
このように音色と楽器がリンクしただけでもオーケストラに対する印象が変わって来ると思います。
ですがここでひとつ疑問が湧きませんか?
「そもそもバイオリンってこんな音色だったっけ?」…と。
それでは次にバイオリンを聴いてみましょう。
※サンプル2(ソロバイオリン)
全然違うやんけ!ってなりますね。
でも嘘ではありません、間違いなく同じ弦楽器の音色なんです。
なぜこのような事がおこるのでしょうか?
実は弦楽器はソロで聴くと尖ったアクのある音色ですが、オーケストラのように何重にも重ねることで耳に心地よい高音はサラサラ、中低音はマイルドな音色になるのです。
50人の合唱と5人の合唱では同じ声でも聞こえ方が変わりますよね?
それと同じような原理だと考えると分かりやすいと思います。
↑のサンプル2ではソロバイオリンでしたが、次は9人編成のバイオリンを同じフレーズで聴いてみましょう。
※サンプル3(9人編成バイオリン)
お分かり頂けたでしょうか?
多人数の編成になっただけでここまで違うんですね。
そしてそれをさらに和音として重ねていくことでサンプル1の響きを作り上げているのです。
可愛らしい「ピチカート奏法」
ストリングスは弓で弾く楽器の集まりですが、よく使われる特殊な奏法としてピチカート奏法というものがあります。
実際に聴いてみましょう。
※サンプル4(ピチカート奏法)
あ、この音知ってる!という方が多いと思います。
これはストリングスの弦を指でつまんではじくように演奏する奏法です。
ポンッポンッポンッ♪といった跳ねるような可愛らしい響きがします。
ゲームサウンド以外にも劇伴や歌モノにも好まれて使われる音色です。
おわりに
本当にザックリした解説でしたが、いかがでしたでしょうか?
「ストリングス」はオーケストラサウンドの核ともいえる部分になります。
ここを少しでも理解することで、今より一歩進んだ楽しみ方が皆さんに見つかるといいなと思っています。
最近はゲーム音楽のオーケストラコンサートなんかもありますので、もし行く機会がある方は知っていた方が楽しめる事間違いなし!たぶん。
今後もゲーム音楽をより楽しめるようになるような記事を不定期で発信していきたいなと思っています。
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