『HUGっと!プリキュア』を好き放題に語るコラム

どうもおこんにちは。

お久しぶりです。

緒乃ワサビです。

みなさん相変わらず愛交わさず童貞ですか?

ずいぶん時間が空いてしましましたが、皆さんの貞操が守られていることを切に願います。

さて僕はご存じの通り童貞でありながら妻子持ちという、
必死すぎるキャラ付けが大渋滞している状態なんですけど。

愛娘が生まれて大きく変わったことがあります。

女児向けコンテンツにもちらほらと触れるようになったことです。

みなさん、もう見ました?

『HUGっと!プリキュア』

これまでの僕のプリキュアとの関わりと言えば、

ストレスが溜まった時に『プリキュア5、スマイル go go!』を熱唱するくらいのもんだった訳ですが、

2018年に放送されたプリキュアは、
やたらにクオリティが高いと、興奮気味の妻から聞いていたわけであります。

その噂の『HUGっと!プリキュア』がNetflixで配信が始まりました。

その他の配信サービスでも見られるらしいです。

早速1話からポチポチと見始めた訳ですが、
気付いたら一晩で最終話である49話に辿り着いてました。

これがもう、ぶっちゃけありえないくらい高クオリティで、
プリキュアって毎年こんなにおもしれーの!?
という、マジ意味わかんないくらい素晴らしい構成だったと思います。

今日はその『HUGっと!プリキュア』を褒めちぎりたいと思います。

なお、これから書くことはあくまで個人の一解釈であり、
公式の設定からほど遠い妄想を暴走させたりしながら、
こんな風に見たら、これはこれで面白くないですか!?

という趣旨であり、面白くないまでも、

へぇーそんな風に見る人もいるのね、

と思ってもらえればいいだけの他意なき記事なのであしからず。

目次

どこを切っても一貫した主題が見える設定とデザイン

最高に魅力的なセンターヒロイン野乃はな

------ここから会員向け------

幹部社員を抱きまくる悪の親玉ジョージ・クライ

途中参戦する“ニセモノ”の二人のプリキュア

ではいきましょう。

どこを切っても一貫した主題が見える設定とデザイン

『HUGっと!プリキュア』は、プリキュア15周年の節目に作られた作品のようで、
おそらく制作側にも、例年とは違う種類の気合いがみなぎっていたのではないかと推察します。

娘と母のワンセットがメインターゲットであろうプリキュアシリーズで、
テーマに『子育て』『母』を持ってくる、小細工一切ナシの正々堂々っぷりからも
作り手の気迫が感じられます。

こんなの、超売れっ子AV女優を集めて熱くセックスについて語るようなもんですよ。

一歩間違えば「貴様がセックスだと思っているものはセックスにあらず」と全否定されてもおかしくない。

全国のママ達に子育てと母を語るというのはそういうことなんですよ。
釈迦に説法、カッパに水練。

ところが蓋を開けてみれば、この作品はしっかりテーマの扱いを完遂していた訳です。

これはそもそも、女の子が変身する『魔法少女』というジャンルが内包しているテーマと、
『母』『子育て』の親和性が極めて高かったのも一要因としてあるんじゃないかと推察します。

『ひみつのアッコちゃん』から連綿と連なる我が国の魔法少女ものは
そもそも女児向けの構造とテーマを持っていた訳で
“変身”した姿というのは、主人公(とそれに共感している全国の女児達)の憧れを象徴している訳ですよね。

女児にとって一番身近にいる憧れの成人女性というのは『母親』である可能性がスゴく高い。

だから、プリキュアにおいて『母』と掲げた以上、
そこには必ず『大人』『憧れ』というテーマも同居するハズなんですよ。

『HUGっと!プリキュア』の主人公・野乃はなは、『イケてるお姉さんになりたい!』
というまっすぐ過ぎる目標を、星飛雄馬ばりに愚直に目指している女の子です。

第一話では、そんなはなの前に突然、はぐたんという赤ちゃんが現れる。

そして、そのはぐたんの母になるのかどうか、という選択をはなは迫られます。

大人になりたい、と物語冒頭からなんども叫んでいたはなに、
母になる=大人になるチャンスが唐突に巡ってくる。

だがここではなは、自分にはまだ無理だとその機会を手放す訳です。

「うちに住むのは……」という葛藤のセリフからは、家の中ではまだ守られる子供でいたいというはなの潜在的な願いが感じられます。

ここではなも潜在的に持っている“子供でいたい”=“時間を止めたい”という願いこそ、これからプリキュアが1年かけて対峙することになる悪の存在『クライアス社』の目的なのです。

はなのもとから離れたはぐたんが翌日、目の前で危険にさらされた時にはなは身を挺してはぐたんを守り、その時初めてプリキュアになります。

その選択は、はなにとってはイケてる大人になることそのものであるはず。

だからは今回のプリキュアは変身すると化粧をしているんですよ。

まずここでバツグンに痺れますよね。
キャラクターデザインにまでテーマがしっかり行き届いている。

この展開を見て「なるほど! だからこのプリキュアは化粧してたのか!」
と膝を打ちました。

イケてる大人の女性=化粧というのは、はなのイメージなんでしょうね。

ちなみに敵である『クライアス社』は、人のネガティブな心を集めて時を止めようとします。

“大人になりたい”=“成長したい”
と願っている主人公たちにとっては
”時間が止まる”というのはもっとも本質的な障碍になる。

ここもテーマに紐付いてきれいにまとまっている設定です。

そもそもネガティブマインドで時が止まってしまうってこれ、明らかにトラウマそのものの象徴であり、夢や憧れと対をなすものですよね。

それが、会社という体をとっているのもまたいい。

会社って子供からすると、大人そのものの象徴みたいなもんですもんね。

この会社には、はなが思い描く“イケてる大人”になれなかった大人が在籍していて、脅威としてプリキュアの前に立ちはだかってくる訳です。

この時点で、
未熟ながらも、なりたい自分になることに一歩踏み出した主人公と、

その主人公から時間の流れ=成長そのものを奪おうとする悪の組織、
というシンプルで力強い対立構造がうまれているわけです。

ここまでで第一話ですよ。

正味22分。

スゴい情報量ですよ。

それでも全然胃もたれしないのは、
魔法少女というジャンルが内包しているテーマと作品テーマのシンクロ、主人公の目標とそれにリンクしたキャラデザと、

マジで千歳飴のように、どこを切っても作品のメッセージが必ず見えているという理想的な状態ですね。

そして今作はとにかくセンターヒロインが可愛いんですよ。

個人的にはこういう女の子が集った作品では大抵、脇を固めるキャラの誰かを好きになるんですが(セーラームーンならマーキュリー、2019年のスター トゥインクルプリキュアなら褐色で金髪のキュアソレイユ)

今作においては圧倒的にセンターのはなちゃんが好きでした。

真っ直ぐでマジ可愛い。

取りあえずOPだけでも見たほうがいい、公式がアップしてるから!

https://www.youtube.com/watch?v=s6spbJ-OnEw


最高に魅力的なセンターヒロイン野乃はな

野乃はなを演じる声優さんは、主要キャラとしてキャスティングされるのは今回が初めてらしいですが、にわかには信じられないくらいうまい。

こういう幸せなハプニングキャスティングが10年に1度でも起こるなら、東映さまにおかれましては是非とも新人の起用と育成を続けていただきたいと思いますよね。

この演者さんを見つけてくれたのだから、新人起用の暗黒面が数年続いてしまっても私はもう何も言いませんよ、えぇ。

で、第一話で大人の階段を一歩踏み出した野乃はなは、
『なんでもできる! なんでもなれる!』
の精神でプリキュア仲間を見つける訳です。

こう書くとなんだか飲み仲間を探すくらいのカジュアルさがありますが、
プリキュアに選ばれし女の子は何故か最初から一箇所に集結しているものなので、
なんなら1話に既に登場しています。

で、5話までにプリキュアは三人になる訳です。

一人は大女優の娘で役者志望の女の子。

もう一人は、溢れるフィギュアスケートの才能がありながら過去の転倒のトラウマからスケートと距離を置いてる女の子。

まさに『なんでもできる! なんでもなれる!』の精神を体現している選ばれし強者が仲間になる訳です。

はなの全力のエールがあって、元々才能のかたまりだった二人は自分の殻をぶち破って更に飛躍する。

でも、はなはふと気付いてしまうわけですよ。

わたしはなにになれるんだ? なににもなれないじゃないか、と。

大きな声で人を応援しているだけで、自分だけの才能なんてなにもない。

二人に比べて全ステータスが見劣りしている。

劣等感に苛まれたはなは、プリキュアに変身できなくなってしまうんですよ。

そのときはなは、戦っている二人を後ろから応援することしかできない。

力を失っても前向きではあるんだけど、煌びやかな二人のプリキュアと絶望的なまでのコントラストが生まれてしまう。

そのはなの後ろ姿が描かれる訳なんですが、ほんともう涙ナシでは見られない程の哀愁がありますよ、あの後ろ姿には。

さすがの安西先生でも「あきらめたら……?」って言いそうなくらいの哀愁がある。

その前向きさがアダになり、はなは、母として一番守るべきはぐたんを危険にさらしてしまう。

これでさすがに、はなのこころもポッキリ折れる訳です。

自分はプリキュアにふさわしくない、チアリーダーは客席にいるべきだと言わんばかりに、はなはプリキュアになることを拒絶する。

この時はなを導くべき存在なのは、物語の構造を考えたら一人しかいません。

はなの母です。

母の前ではなはまた子供に戻り、こんな弱い自分が嫌いだと吐露して、
それでも母が受け入れてくれる。

翌朝になったら、家の前まで来ていた仲間達が、
大トチをした自分を受け入れてくれる。

みんな、「笑顔でそこにいてくれるはなが好き」だと言ってくれる。

だからはなはこの時から、自分の弱さを受け入れながらもみんなのために
『なんでもできる! なんでもなれる!』と言えるようになる訳です。

つまりはなは、自分は仲間のように才能に恵まれておらず、『なんでもできる! なんでもなれる!』訳じゃないと知ってしまいながら、それでもこの言葉を叫べるようになる訳です。

それは、もうこの言葉を自分に向けていないからですよね。

この時からはなは、はぐたんの母としてだけではなく、このチーム・プリキュア自体の母たる存在になる訳ですよ。

まだ中学生ですよ!?

はなちゃんは!

こんな健気な13才います!?

プリキュアの神様がこんな健気な13才を放っておくと思います!?

放っておかないんですよ。

なぜならプリキュアがパワーアップする度に

BANDAIから発売される玩具がめっちゃ売れるから。

シリーズ開始からこの時で10週を数え、

敵側の「あいつは四天王でも最弱の男……」的なポジションの敵もとうとう本気を出し、

そこに自己の弱さを受け入れながらパワーアップしてカムバックしたセンターヒロイン。

くる!!

**絶対くる!

新しいおもちゃとして売られる新兵器が!!

キュアエールの前には、光り輝く剣が現れました。

はなはプリキュアの強大な力に選ばれたのです。

はなが望んでいた、自分だけに使える強大な力。

なんなら残りの38週間、この剣を振り回してるだけでオールオッケーになりそうなくらいのシロモノです。

ですが、ここではなは剣を手放し、チーム三人で同じ力を持つことを望み三人での合体技を放ちます。

ここで、両サイドの二人は「ハープ」と「フルート」をモチーフにした力を手に入れ、はなは「タクト」をモチーフにした力を手に入れる。

自分は奏でない訳ですよ。

奏でるのは仲間である二人。

はなはあくまで導き手なんですよね。

作中でハッキリ言及はされませんが、
僕はこの会ではなは明確に、自発的に母になることを選択したんだと思いました。

この回ではなたちが手にした武器はまだ売ってるので、
せっかくだからみなさんも記念にどうぞ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B078JZG3C1/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_hngRDbQWK6NPX

ところで、プリキュアの前に立ちはだかっている『クライアス社』は未来から時間を止めにきた組織な訳ですよ。

しかもその動機が「みんなに希望があるうちに、時間を止めてしまう」という博愛主義てきなもの。

なぜ、今だったのでしょう。

そこには、組織の女を抱きまくるアンニュイ社長(ようは今作の悪の親玉)とはなの浅からぬ関係性が絡んでくる訳です。

女児向けアニメで、事後に執拗に手を洗うとか!!

でもしょうがないんだ!

あのアンニュイな社長・ジョージ・クライには
そうしければならない事情がある!

俺にはわかる、その気持ち!

ここからネタバレが加速するので、続きは会員限定エリアに移行します!!

まだ見てない人は全49話堪能してからどうぞ!!

ネタバレとか気にならない人はこのままどうぞ!!

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