第1章 単純な決断
『あなたの人生でいらないものと引き換えにほしいものを与えましょう。 』
20xx年、春、東京。ある1人の高校1年の男子は、普段と変わらない生活を過ごしていた。
京本龍也
「学生時代に満足した恋愛経験する機会は平等に与えられるものじゃねえ、努力をして掴み取る!あるいは運命的とかいうやつだな。」
筋トレと勉学に励み、裕福でない家庭状況を理解し、特待生として大学に進むことを目標に置いていた。
だが、見た目はただのヤンキーだ。
「けどよお、自他ともに認める容姿が中の中であるコワモテ男子のこのおれがなぜモテねえんだ!女子どもの目は節穴かっ!!」
中学生の時に同じレベルの女子に告白されたことがあるだけで、それ以来なにも出来事がなかった。
「おれの人生マジで平凡だよなぁ……ははっ。泣」
いつも通りの生活を終えて、部屋のベットでスマホをいじっていたら、宛名のないメールが届いていることに気がついた。
「迷惑メールの内容考えるやつってほんと暇だな。けど、これはちと面白そうじゃんか。」
その内容は、
『あなたの人生でいらないものと引き換えにほしいものを与えましょう。 』
『一つ、このトレードでは同等の質のものでしか成り立たたず、裁量が困難なものはこちらが内容を提示し、了承はそちらに委ねる。
その代わりに交換成立後は、そちらのいらないものの返還は例外を除いて、不可能とする。
一つ、どんなものでも交換可能だが、感情などの特殊なケースはこちらの指定した場所に来て頂き、取引を行うこととする。
一つ、他に特殊なケースとして恋愛や娯楽や趣味などは、段階を決めて提示することとする。
娯楽で例を挙げると、アウトドアはNOでインドアはOKとするならば、こちらで監視し、契約違反をすれば、相応の罰則を与えることとする。
上記で述べたように個人情報を必要とするため、契約後に入力して頂きますが、漏洩などの心配はありません。
その他に質問があれば、このメールに返信してください。
このメールが迷惑であれば、消去してください。』
と長々とした文章綴られていた。
(うーん、まぁいっか。)
いらないものの欄に「恋愛:彼女」
ほしいものの欄に「お金」
と入力して返信すると、すぐに
「1億円でよろしいですか?」
「はいよ。」
と送り、目を閉じた。
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