皐月うしこ 2019/05/13 11:00

お菓子で小説シリーズ「フロランタン」

こんにちは、皐月うしこです。
久しぶりにお菓子で小説シリーズ

お題「フロランタン」

一瞬で惹かれた綺麗なお菓子。クッキー生地にキャラメルでコーティングしたアーモンドが、店内の照明にあてられ、まるで宝石のようにキラキラと輝いて見えた。

「お客様、お決まりでしょうか?」

店員さんが、少し遠慮気味に声をかけてくる。本当はまだまだ眺めていたかったけれど、待ち合わせ時間も迫っていたので早口で「フロランタン」をお土産用で指名した。

「味見も出来ますので、どうぞ」

お土産にする以上、先に味を知っておくのも悪くない。そう思って差し出された欠片をありがたく口にする。口いっぱいに広がる糖度とその固さに思わず笑みがこぼれた。これなら病室の彼女も満足してくれるに違いない。

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