Someone Special~大切な人~Vol.3 瑞木琉編 （CV.古川慎）のSS1公開！

Tr.1とTr.2のPVを沢山ご視聴頂き、誠にありがとうございます。

本日に卯木様による書き下ろしSS1「彼女の笑顔」を公開させていただきます！

彼女の笑顔

俺がアイツに会ったのは、今から十五年前――。俺が八歳の時だった。

　俺が住む隣の家に引っ越してきた家族が、アイツの一家だった。

　母親に連れられ引っ越しの挨拶に来たアイツは、俺を見てにっこりと笑った。
その無邪気な笑顔を今も覚えている。
　それほど、俺にとって印象的な出来事だったからだ。
　
　初めて会う人間にこれだけ素直に笑えるなんて、どういう神経しているんだろう。
　嫌味でもなんでもなく、不思議に思った。
　そして、人と距離を置きがちな自分とは縁の遠い人間だ、いくら隣に住んでいてもそうそう関わることはないだろう。そう思っていた。
　
　だが、俺の思惑とは違って、アイツは俺の生活に入り込んできた。
　アイツの意思じゃない。いわゆる大人の都合というヤツだ。
　アイツの両親は共働きで忙しく、アイツはよく俺の家に預けられた。
　
「琉兄ちゃん、琉兄ちゃん」とアイツは俺を呼んで、俺の後をよくついて回った。

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