ロボット少女は夢を見る - 制作記その81- ノベルゲームの宣伝は難しい
今回の記事はノベルゲームとインディゲームについてです。
本ゲームでは多くの時間が
立ち絵と会話文を表示したノベルパートになります。
たくさんのキャラクターを登場させて彼女らの交流を描き、
1つの街を作る…というのが本ゲームのコンセプトであり、
そのコンセプトにおいて今の形は合っていると思います。
ですがゲームが完成に近づき販売が近づくほど、
ノベルゲームの弱点が見えてきたため今回はそんなお話です。
まず初めに今回はあくまで
たくさん売る・宣伝する事を重視した時の話です。
前回の記事にも書いた通り
インディーゲームは年々数が増えてゲームが埋もれやすくなっています。
なので宣伝して広く知ってもらう事はすごく重要です。
そんな中でノベルゲームには以下の大きな欠点があります。
■PVが作りにくい
■翻訳の壁
■ゲームイベントの試遊しにくさ
■PVが作りにくい
ゲームのPVはめっちゃ重要です。
大抵の人はPVを見てゲームを買うか買わないか決めます。
・グラフィックがきれいか?
・どのような操作ができるか?
・どんなゲームシステムなのか?
面白い・興味を惹くPVにはこれらの要素がとても重要です。
ですがノベルゲームはこれらの要素が弱めです。
テキストをいくら増やしてもPV的な見どころは増えないので
一枚絵や特殊なイベントを増やさないと
PV映えする画面を作るのは難しいです。
■翻訳の壁
インディゲーム…特に Steam は日本語ユーザーは少なく、
全体の数パーセントです。
なので多くのユーザーに遊んでもらうためには
多言語対応が必要なのですが翻訳にかかるコストは膨大です。
翻訳のコストは文字数で計算されることが多く、
クオリティにもよりますが1文字 10円前後といった感じになります。
本ゲームでは既に12万文字を越えているため100万円を越える出費が予想されます。
こうなってくると「びっくりしたーー!!!」みたいな文章を書くたびに
「ー」と「!」は数を減らすか…みたいなことを考えながら
テキストを書くようになります。
最近は機械翻訳の精度がかなり上がっていますが
それでも自然な会話文は難しいです。
私の場合は
・UI やアイテムや技などの名前など短い短文は機械翻訳
・ノベルパートの会話は外注して翻訳
と使い分けています。
↑こういう画面は自力と機械翻訳の併用
■ゲームイベントの試遊しにくさ
過去の記事でゲームの展示イベントのお話をしましたが、
ゲームの宣伝と他人のプレイ感を見るために
こうしたイベントに参加することはとても良いです。
↑こんな感じで展示してプレイしてもらう
ですがここでもノベルゲームはちょっと不利です。
理由は簡単で
ノベルゲームは一人で黙々と文章を読むゲームだからです。
落ち着いた自分の部屋でゆっくり読むことに向いているため、
人が往来して横からのぞき込める環境のゲームイベントで
じっくりと読むのはかなり難しいです。
しかも大抵のストーリーは頭から読む必要があるのですが、
物語の序盤は世界感や用語の説明だけで終わる…なんてこともザラです。
1プレイ長くても10分程度の試遊には本当に向いていないと思います。
本ゲームでも最初のイベントでこの欠点を感じました。
2回目に参加したイベントでは
序盤の文章をぎゅっと短縮した専用バージョンを用意して
素早く戦闘パートなどを遊べるようにしました。
↑序盤5分くらいのストーリーをこのくらいに短縮しました。
ノベルゲームが辛い…というお話いかがでしたか?
実際に作ってみるとこうした欠点がだんだん分かってきます。
もしノベルゲームを作ってSteamで販売まで目指している…
という方がいらっしゃいましたら、
これらの欠点を意識しつつ
上手く解消できるようなゲームを目指すと良いと思います。
それでは、また次回!