最近出たギターマルチをざっくり批評してみる①
僕はマルチエフェクター大好き人間なので
新しいモデルが出たらついついチェックしてしまいます。
(ライブではあんまり使わないくせに)
結構な知見が溜まってきた気がするので
僕なりのショート感想と、おすすめするタイプのギタリストを一言で書き殴ってみようと思います。
今回紹介しているマルチエフェクターは基本的に
アンプシミュレーター搭載のオールインワンモデルとします。
(逆に、アンプシミュレーターメインの機材も便宜上マルチエフェクターとします・・)
基本的なマルチエフェクターの区分
個人的な意見です。
フラッグシップ系
メーカーの最高峰のマルチエフェクター。
だいたいがフットスイッチが5個以上ついてて、
機能や入出力端子も豊富で、価格は20万円前後~
とにかく一番いいやつじゃないと納得できない人はフラッグシップ系のものを買いましょう。価格は気にするな。
ライブユース系ミッドレンジ
フラッグシップは高すぎるので、一般的な機能に絞ったミドルレンジ帯のうち
ライブユース向けにフットスイッチが多い大きめのモデル
音色変更多めのギタリストは基本的にはここが最初の検討対象になるかなと思います。
ライトユース系マルチエフェクター
だいたい3ボタンくらいのサイズで、カバンとかに入れやすいサイズのエフェクター。
入門向けだったり、スタジオ移動をコンパクトに済ませたいライトユーザーなど、比較的多くの人がターゲットになるので、結構選択肢が多くて迷いやすい気がする。
はじめてのマルチエフェクターとか、 持ち歩きが面倒な人向け
コンパクト系マルチエフェクター
近年増えてきた、エフェクトボード内に入れて他のエフェクターと組み合わせる想定のマルチエフェクター。
ちっちゃいので操作感は悪いのだけれど、とにかくコンパクトなのでボードがないライトユーザーにも需要があるので、結構今の売れ線機材何だと思う。
お気に入りのコンパクトエフェクターがある人や、とにかく持ち歩き面倒な人向け
ここからはメーカー別にマルチエフェクターをざっくり紹介していきます
neuralDSP
全体的にDSPパワーに物を言わせて、緻密なサウンドを出力する印象
QuadCortex
現時点で一番のゴール機材に近い。
エフェクトクオリティ、操作性、単体でのアンププロファイリング、DSPスペック
どれをとっても、最高峰だと思います。
ただしお値段がたかいいい
お金があってとにかく間違いなくいい音を鳴らしたい人におすすめ
nanoCortex
アンププロファイリング部分のみを抜き出した機材。
エフェクトはあまり豊富ではないのでオマケだと思って良いかも。
ただサイズと価格に対して、単体でのアンププロファイリングができるというのはnanoCortexの特徴的な部分だと思う。
neuralDSPのサウンドが好きで、エフェクトはあまり使わないor別途ボードがある人向け。
Line6
アンプモデリング老舗として、どれも操作感とサウンドのバランスが取れている。
Helix
Line6らしい実機ベースのモデリングをベースとしたオールインワンのマルチ。
あらゆるアンプモデリング系マルチの基準値となる機材だと思っています。
フットスイッチのミニLCDとカラーLEDはライブユースでは結構便利なので、
ガツガツ音色変えるライブユーザーはHELIXが良いと思います。
ライブユースで、音色変更が多いバンドのギタリストにおすすめ
HX-stomp
HXStompはHelixと同じモデリングですが、
単純にDSPスペックが少なく、エフェクト使用数が少なめなのでオールインワンという感じではない。
すでにあるボードに追加して、つよつよボードにするジョーカーみたいな存在だと思っています。
すでに気に入ったコンパクトなボードがあるが、エフェクトが足りない人向け
HX-ONE
HXStromp/Effectsを更に小さくした機材で、同時使用エフェクトは1つ。
これを単体で使うというよりかは、
音色は他のマルチとMIDI連携しつつ、ONOFFはHX-ONEのフットスイッチを使う
みたいなコアユーザー向けだと思います。
MIDI連携のボードを組んでいて、あと1系統の音色やフットスイッチが足りない人向け
PodGo
ライトユーザー向けのオールインワンマルチ。
サウンド自体はHelixの設計を引き継いでいますが、エフェクトの数や自由度はだいぶ下がります。
ただ自由度が下がると操作は簡単になり、操作性が上がるので、一概にデグレというわけでもない。
コスパの良いマルチ、複雑な音作りをしないがいろんな音色を出す人向け
PodExpress
コンパクトエフェクターサイズのマルチエフェクター
こちらもHXシリーズの設計は受け継いでいて、サイズに対するサウンドクオリティは高いと思います。
操作性に難があるのと、音色変更はかなり厳し目と思われます。
音色も変更しない、なるべく機材を少なく持ち歩きたい人向け
あるいはHXシリーズのユーザーの非常用サブ機、出先の練習向け
FractalAudio
プロ向け機材としての老舗で音もよく、とにかく自由度が高いという印象。
Axe-Fx
フラクタルのフラッグシップのラック機材。
Line6とかは比較的バンドマンとかも使える価格や操作感を意識している気がするが
こちらはプロ向けで、自由度がとてつもなく高い代わりに操作も複雑で価格も高い。
今のところプロファイリング機能に手を出していないのは、モデリングの忠実度への自信の現れなのかもしれません…
とにかくサウンドメイクの自由度が必要なプロ志向の人向け
FM3/FM9
Axe-Fxのサウンドを足元に収まるサイズにした機材
サイズが小さいので入出力端子やDSPパワーの制限はありますが、サウンドや自由度は大差ないと思います。
サウンドメイクの自由度が必要で、ボードなどに入れて持ち歩きたい人向け
BOSS
Line6に比べると、質実剛健。操作感とサウンドともに堅実な印象。
GT-1000
言わずとしれたBOSSのフラッグシップマルチ。
BOSSらしい堅実なサウンドと操作感だが、画面がモノクロなのは最近の機材としては少し古めかしく感じるかも。
BOSSエフェクトをベースとしているので、Helixに比べると実名ベースのモデリングはBOSS以外は有名どころのみになります(Helixはたまにニッチなのがある…)
堅実なサウンド、レイヤー感のあるエフェクトを求める人向けフラッグシップマルチ
GT-1000core
GT-1000の縮小版。
HXStompと比較されがちだが、こちらはデグレ感が少なく
エフェクト使用数などが圧倒的に多いのでGT-1000core単体でもライブできる。
GT1000がでかすぎると感じる人向け
GX-100
BOSSのマルチエフェクトのサブシリーズ。
フラッグシップではないコスパ優先シリーズ、、ではなく、カラー画面だったりと操作感についてはGT-1000を凌駕すると思う。
サウンドもAIRDなのでGT-1000と大差ないと思うが、エフェクトの自由度は下がる。
PodGoとの比較は個人的にはもう好みの差だと思う。目立った差がない。。。
コスパの良いマルチ、複雑な音作りをしないがいろんな音色を出す人向け
GX-10
GX-100を、コンパクトマルチの定番サイズとなる3ペダルに抑えたモデル。
サウンドとしてはGX-100とそう大差ないと思う
持ち運びしやすく、堅実に良い音のするマルチが欲しい人向け
GT-1
先代のGT-100のサウンドを引き継いで、かなりお手頃価格で販売されているマルチ。
今のフラッグシップには劣るが、実用的なサウンドで
プロでもサブに使っている人が多いことから、見た目の割にユーザーが多い(偏見)
シンプルでローコストなマルチエフェクターが欲しい人向け
HEADRUSH
歪み感に特徴があり、ダイナミクスの反応を重視しているような印象がある。
prime/Core
HEADRUSHのフラッグシップマルチ。
本体でのサウンドもさることながら、単体でのアンププロファイリングにも対応。
さらにAutotuneを始めとしたヴォーカルエフェクトも内蔵という全部入り機材。
他にない特徴なので、音色をこだわるギタボだと唯一無二の強みかもしれない。
ボーカルにも、セクション単位でAutotuneがほしいとか、Delayがほしいみたいなことを、ギターの音色変更と同時に1ボタンでできるというのは、使ったら戻れなくなる・・・・のかもしれない。
Coreの5ボタンというサイズ感は微妙ではあるけれど
これも他社にないので、なかなか唯一無二な機材感がある。
ギターのサウンドとボーカルのサウンドをあわせて作り込みたい人向け
flexprime
定番3ペダルサイズのHEADRUSH
残念ながら単体でのアンププロファイリングはできないが、
付属のPC向けのソフトREVALVERを使用して、自前のオーディオインターフェースでアンプのプロファイリングが可能。ToneXと同じかんじ。
HEADRUSHユーザーのサブ機、HEADRUSHの音が好きで気軽に持ち歩きたい人向け
pedalboad,GIGboard,MX5
新作が出たのでこちらは旧モデル扱いと思いますが
世代的にはHelixと同世代なのでまだまだ使えます。
旧モデルということで価格が少し落ちそうなので、コスパは高そう。
アンププロファイリング不要でコスパの良いマルチが欲しい人向け
Kemper
アンププロファイリングを一躍有名にした機材。アンププロファイリング一筋。
Kemper,KemperRack
アンププロファイリングといえばこれ、という機材。
一時期はハイアマチュアがこればっか使っていた印象。
Kemperの音、というのはあんまりなくて、すべてアンププロファイリングベースなので良くも悪くもリグデータ次第なところがある。
好きなアーティストがリグデータを公開しているとかだと、そのままの音が出るので良い。
自分で良い実機アンプ持っているが、持ち歩きたくない人向け
KemperPlayer
Kemperのプロファイリング機能を排除して、
最小限のコントロールと入出力でボードに入るサイズに収めた機材。
小さめな筐体の割には、出力系統が複数あってLine出しとアンプ出しを分けられるのは特徴だと思う。
使いたいリグデータが有る人向け、コンパクトにラインとキャビで出し分けたい人向け
IKmultimedia
ToneXによって一躍ギターエフェクター界隈でも有名になった。
ToneXPedal
Kemperのようなアンププロファイリング機材の流れをくみつつ、
プロファイリング機能をPCに委ねることで低価格化をした機材。
nanoCortex同様に基本的なエフェクトが多少搭載されているが、基本的にはボード内にプリアンプとして使うのが通常と思われる。
ただ、前述のとおりPC連携が軸となるので、DTMユーザーがターゲットになると思う。
MIDI連携できるアンププロファイリング系機材をコスパ良く使いたいDTMユーザー向け
ToneXone
ToneXpedalを1スイッチにして、コンパクトエフェクターサイズに収めた機材。
操作性はかなり悪いが、アンププロファイリング系機材として随一のコンパクトさと低価格を実現している。
アンププロファイリング系機材をコスパよく使いたいDTMユーザー向け
思ったより全然たくさんあるので、今日はここまで。
次回予告としては
比較するとお手頃価格とみられやすい
Zoom,Hotone,Nux,Mooerあたりが掘り下げられたらいいなぁと思ってます。