シグルド【物語の途中で主役が死亡】
今回は北欧神話などに登場する「シグルド(シグルス)」を紹介するよ。
シグルドは、ドイツの叙事詩『ニーベルゲンの歌』に登場するジークフリートと同じ起源とされているよ。
さて…シグルドの物語は色んな説があって…
内容も年代、資料などによってバラバラで良く分からなかったのですが…
とりあえず、主にウィキペディア(英語版など)を参考にしました。
第一章「ドラゴン退治」
シグルドは「王様シグムンド(父)」と「ヒョルディース(母)」の息子。
生まれた時には、パパのシグムンドは亡くなっており、鍛冶屋で養父の「レギン」に育てられたよ。
ある日、シグルドはレギンに――
「お前、王の息子のクセにあまり金持ってなくね?」
「“ファフニール”ってドラゴンが金(財宝)持ってるから、殺して奪えば?」
…と言われる。
「それ、ほぼ強盗じゃね?」と思ったシグルドだが、パパの形見「名剣グラム」を手に、とりあえずファフニールを倒す旅に出た。
その前に、シグルドは「あいつ金に目がくらんで、父親の仇を討たないつもりだぜww」と思われたくなかったので…
シグルドは「父親の仇をぶっ殺す宣言」をしたよ。
実は、シグルドのパパであるシグムントは、フンディング一族の「リュングヴィ王」との戦いで亡くなっていたのだ!
そんなわけで、ファフニールを倒す旅の途中、パパの仇のフンディング一族を皆殺しにして、街も燃やしたよ。
そしてファフニールもぶっ殺すよ。
ファフニールは死に際に「俺の財宝は呪われているから、持っていっちゃダメだよ」とシグルドに言うが、彼は無視。
シグルドはファフニールの棲み家に入ると…たくさんの黄金と、相手を恐れさせる力があるエーギルの兜、黄金でできた甲冑、そして剣フロッティを見つけたという。
ドラゴン退治が終わって、財宝を手に入れた時…養父レギンが…
「ファフニールの心臓食べた~い」
とか言ってきたので「塩焼き、タレ、そのまま、どっちなの?」という疑問は残るけど…ともかくファフニールの心臓を焼いて食べることに。
調理中にシグルドは心臓から流れ出した血を口にした…すると、魔力で「賢さと動物と会話する力」を得たのである。
そしてシグルドは、とある鳥の声を聞く――
「レギンはファフニールの弟で、財宝を独り占めするためにお前を利用したんだピヨ!お前も殺すつもりなんだピヨ!」
――――――
そう…かつて、ファフニールは「父のフレイズマル」を殺し、財宝を兄弟たちに分けず独占していた…
そして今、その兄弟であるレギンが、シグルドにファフニールを殺させ、今度は自分が財宝を独占しようとしていたのだ!
――――――
というわけでシグルズは、寝ているすきにレギンを殺害。
財宝を手に入れ、再び旅に出たのだった…。
しかし、この後…悲しい運命がシグルドを待ち受けていたのであった…。
第二章 ブリュンヒルデ
シグルドが旅を続けていると…山の上の燃え盛る炎の中で眠っていた「戦乙女ブリュンヒルデ」と出会う。
何でそんなヤバいとこで眠っていたかというと…
かつてブリュンヒルデは、戦死した兵士を「主神オーディン」の住むヴァルハラへ導くワルキューレであった。
しかし、「とある戦い(作品によって説明が異なる)」において、オーディンの命令に逆らい、一方のみを勝たせてしまう。
オーディンは激おこで、彼女から神性を奪い、「恐れることを知らない男と結婚する」という呪い的なものをかけ、燃え盛る炎の中で眠らされてしまう。
『ニーベルングの指輪』だと、「火を放ったのはブリュンヒルデの意思」で「神であるオーディンよりも自由な男だけが求婚する」ということになっているよ。
何やかんやで、ブリュンヒルデは眼を覚まし、2人は恋におち、結婚を誓う。
第三章 大体、クリームヒルトのせい
愛し合う2人の前に!
「王妃クリームヒルト」襲来!
自分の娘とシグルドを結婚させたい「王妃クリームヒルト」の陰謀により、シグルドは忘れ薬を飲まされる!
そんなこんなで、シグルドは「グズルーン王女」と結婚。
一方、ブリュンヒルデは「グンナル王子」と結婚してしまう!
後にシグルドは、ブリュンヒルデとの愛のメモリーを思い出すが、時すでに遅しであった!
ところがである!
ブリュンヒルデはグズルーンと口論した時に――
「シグルズはお母様に忘れ薬を飲まされていたのよ!オホホホ!」
と告げられる。
ショックを受けて部屋に引きこもるブリュンヒルデ!
そこへ、シグルドがやってきた…
シグルドは「全てを捨てて、俺と一緒になっちゃおうぜ☆」と告白!
少女マンガとかなら、ここで愛の逃避行が始まるが…
ブリュンヒルデは「不倫になっちゃうわよ!もう遅いわよ!」と言い放ち拒絶!
そして!ブリュンヒルデと結婚していたグンナル王子が、この出来事を知ってしまう!
「僕の愛するブリュンヒルデが獲られちゃう!」
焦るグンナル!下す男の決断!
グンテルはシグルドを謀殺。
愛する人を失ったブリュンヒルデは自害し、シグルドと共に火葬された。
第四章 そして、誰もいなくなった
その後、グズルーンは「フン族のアッティラ」と再婚。
2人はいつまでも幸せになりましたとさ。
ところがである!
アッティラは黄金欲しさにグンテルを謀殺。
夫と兄を失ったグズルーンは悲しみと憎しみをこめてアッティラの館に放火し、殺害。
そしてその後、「ヨーナクル王」と再々婚し、3人の息子をもうける。
さらに、グズルーンとシグルドの娘「スヴァンヒルド」はゴート族の王「エルマナリク」と結婚。
皆はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
ところがである!
エルマナリクはスヴァンヒルドの不貞を疑い、馬でひき殺した
グズルーンは息子達に「娘の仇を討てぇい!」と命じたけど、返り討ちにあって全員死んでしまうのだった…。
――END――
まあ、アーサー王伝説も結構ぶっ飛んだ話だしね
――――――
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