【怪物の母】ラヴィニア・ウェイトリー
●ラヴィニア・ウェイトリー
ラヴィニア・ウェイトリーは『ダンウィッチの怪』に登場するキャラクター。
『ダンウィッチの怪(The Dunwich Horror)』とは、アメリカの小説家H.P.ラヴクラフト」が1928年に発表したホラー小説。
それでは、その内容を簡単に紹介するよ。
お話は、文庫本の『怪奇小説傑作集3 英米編Ⅲ』っていう本を参考にしたよ。
内容は一部を省略、改変しているから注意してね♥
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物語の舞台は、1910年代のアメリカ、マサチューセッツ州北部にあるクソさみしい村「ダンウィッチ(ダニッチ)」。
そこに住む「ウェイトリー家」は、村の中でも「変わった家」として知られていた。
1913年、その家で「ウィルバー・ウェイトリー」が生まれる。
母親は「ラヴィニア・ウェイトリー」という、体に障害のあるアルビノの女性。
母親と違い息子のウェイトリーは色黒であったが、
「この子は今に凄い事をやるわ」とラヴィニアは自慢しており、
彼女の父親「ウェイトリー老人」も似たような反応であった。
だが、ウェイトリーの父親が誰なのかは分からない…
まあ、何やかんやありまして…ウィルバーは10歳になり、あごひげが生えたりして、体格も声も性格も大人のように成長するよ。
そして、ウェイトリーの家の大規模な改築が終わったころ…
ウェイトリー老人が危篤状態になり、ホートン医師を呼ぶよ。
ウェイトリー老人は苦しみながら、孫への遺言を残した…
「もっと広くしろよ、ウィルバー、おめえも大きくなるし、
あいつのほうはもっと大きくなる――ヨグ=ソトホースのほうに
むいた門を開け放つとともに、例の書物の、省略なしの完全な版の751ページにある長い祈りを唱えるだ…」
老人は言葉もとぎれて、あえぐような息になり、鳥たちは騒ぎ、
ラヴィニアは悲鳴を上げた。
そんな状態が1時間以上続いた後、
ウェイトリー老人は息を引き取った。
…一方、彼の孫であるウィルバーはさらに成長…身長は2mになり、かなりの学問を学んでいた。
そして、彼は母親であるラヴィニアを軽蔑するようになり、
ラヴィニア自身も「あの子が一体、何を考えているか分からない」と泣いていた。
その後、ラヴィニアは行方不明になるのである…
1927年の夏、ウィルバーはミスカトニック大学へ
ある本を閲覧するため、出かけた。
その本とは、アラブ人アブドゥル・アルハザードが書いた
『死霊秘法(ネクロノミコン)』のラテン語版であった。
ウィルバーは、その本の英語版を祖父から譲り受けていたが、
省略のある不完全なものだった。
彼は2つの本を照らし合わせ、自分の持っている英語版の
751ページに該当する文章を探し出そうとした。
そこへ、この大学の「ヘンリー・アーミテッジ図書館長」が現れ、ウィルバーに色々な質問をした。
・アーミテッジ「なにしてんの?」
・ウィルバー「自分はヨグ=ソトホースという恐るべき名を中に詠みこんだ呪文を探している…!」
「何だコイツ」と思いながらアーミデッジは、
ウィルバーの読んでいたページをうしろから覗き込んだ。
そこには次のような言葉が記されていた――
「この地上に存在しているのは人間と生物だけではない。
旧支配者は今もなお存在している。」
「ヨグ=ソトホースはかかる存在に至る門を知っている。
ヨグ=ソトホースはその門であり、鍵であり、保護者である。」
「人は旧支配者の風貌を知る事は出来ない…だが、旧支配者が
人間に生ませた交種の姿をよすがにして、その姿を想像する事は
出来るであろう…。」
というような内容を読んだアーミテッジ博士は
SAN値がピンチになり、ウィルバーに対して恐怖を感じた。
そして、ウィルバーは「この本待ち帰らせて♥」と博士に頼んだが、嫌な予感がしたアーミテッジ博士に「拒絶の顔」をされた。
ウィルバーは図書館から出て行ったが、
「彼が何かをしでかすのでは?」という
アーミテッジの不安は募るばかりであった…
その後、ウィルバーは別の大学で「ネクロノミコン」を
借りようとしたが、アーミテッジが「その本は借しちゃダメ」
という警告をあらゆる図書館にしていた為、
借りる事が出来なかった。
8月上旬、午前3時…事件は起きる。
アーミテッジ博士のいるミスカトニック大学で、
番犬の狂ったような声と別の「何か」の声が聞こえた。
その声を聞いた博士や近くの市民達は目を覚ました。
アーミテッジ博士は図書館の警報機が鳴っているのと、
窓が1つ開いている事から、「誰か」が侵入したことに気付いた。
彼は、かねてから自分の「ウィルバーへの不安と推測」を
打ち明けていた「ライス教授」と「モーガン博士」と共に、
図書館に入った。
そこで3人を待ち受けていたものとは!?
まあ、ネクロノミコンを盗もうとして、
犬に襲われたウィルバーなんですけどね。
ただし!彼は人間の姿をしていなかった!
「悪臭を放ち、胸はワニの鱗のようで、腰から下は黒い毛が生えていて、緑っぽい触手が20本ほど生え、一部は人間であった…」
やがてその怪物は息絶え、図書館は悪臭で充満したのである…
9月9日、遂に恐るべき怪物がダンウィッチの村で暴れ出した。
その日の正午までに村の多くの男性が、
「破壊されたウェイトリー家の跡」、「巨大な足跡」、
「無残な姿になった家畜の牛」、「野原や道端の植物が踏み荒らされていた跡」、などを調べ歩いた。
さらにその日の夜も怪物が暴れ、村人たちは怯えて切っていた。
一方アーミテッジ博士は、ウィルバーの手記を手に入れ、
その内容を解読していた。
手記には「あの連中をはっきりと目に見える姿にするには、
人間の血がいる。2階のやつも、あの連中にふさわしい姿に
なりそうだ。イブン・グハジの粉をかければ、
俺にも少しはあいつの姿が見える。」
と書かれており、博士はSAN値ピンチになりながらも、手記の解読を続けた。
金曜日の朝なると、アーミテッジ博士は
「怪物を何とかせねば…!」と思い、ライス、モーガンの3人で
ダンウィッチの村へ向かう。
そして村人たちから、怪物の破壊行為が激しくなっていることを
知らされる…
それを受けてアーミテッジ博士は「皆で怪物を倒すんや!
ウィルバーの日記の呪文を見つけたから、これで退治するんや!」と村人に訴え、彼らと共に怪物を追った。
途中、村人たちは怖気づくが、
博士たち3人は怪物を追って丘を登り…残った村人たちは、
望遠鏡を使って博士たちが怪物を追うのを確認していた。
望遠鏡からは「おぞましい怪物の造形」と
「3人の学者が呪文を唱えている」のが見えていた…そして
「人のものとは思えない超低音質の恐ろしい声」が聞こえ始めた。
「イグナイリ…イグナイイー…トゥフルスクーングハ…
ヨグソトホース…」
「エ・イ・イア・イア・ヤハアーエ・ヤヤヤアアア…
助けてくれ!助けてくれ!…チチ・チチ・チチ――父上!父上!
ヨグ=ソトホース!……」
やがて、その声は聞こえなくなり……
3人の学者が丘から降りてきた。
そしてアーミテッジ博士は村人たちに
「怪物は永久に姿を消しましたぞ」と話し始め…
全ての真相を語った。
・アーミテッジ博士「あの怪物はウィルバーの双子の弟だったんだよ、うん。こっそり育てていたみたいだけど、大きくなり過ぎちゃったみたい。そんで状況から考えて、ウィルバーとこの弟の父親はヨグ=ソトホースっていうヤツらしいね。まあ、でも俺らが退治したからもう安心だよ!」
**おわり
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