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夢見月すぐる 2022年07月17日 06:36

【8/31日まで64ページ公開】ブリキ先生はゼンマイで動く 分割2/2

入りきらなかったので分けます
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ395723.html
8/31まで、64ページ公開します。(全212ページ)よろしくお願いします。

   送りの言葉
「うーん・・・・」
「どう?ゴールできる?」
休み時間。委員長が作った迷路で遊んでいる。
正直、先日迷路で大変な思いをしたので
あまりやりたくなかった。
「やった。できた!」
ゴールできた。ところどころに動物の絵が描かれている。ブリキ先生より上手い。
「でしょ。これ文化祭のときどうかな?」
いつも機嫌が悪いけれど、今日は良いようだ。
「いいとおもうよ」
「よぉし。もっと色々考えてかないと。天塚くん、
ほかに何かない?」
「うーん、太鼓叩いたり、みんなでお面をかぶって
踊って、竹馬であそんで、たけのこの味噌汁食べたりするといいんじゃないかな」
「え、えっ。けっこう渋いわね」 
ぴんぽんぱーん・・・・
「えー、生き物係、A-1のあまつか、みおくん。
おねがいがあります。至急、3階の放送室までお越しください。」
「・・・・生き物係って何・・・?」
「てんしくんのこと呼んでるよ・・・?」
「・・・・この声・・・だれ先生だろう・・・?」
ひそひそと話声が聞こえ、みんな僕のほうをチラ見
する。すごくはずかしい。
「い、いいんちょう、ちょっと行ってくるね。
文化祭、きっと楽しくなるよ、またね」
委員長が不満そうな顔をよそにぼくは3階に
向かった。
3階は東階段から右手へ一番奥が応接・自習室で、
放送室はその隣だ。
一般教室の中庭を挟んだ向かえに視聴覚室、パソコン室、音楽室があり、放送室は音楽室のとなりの防音室(個別演奏室)と応接・自習室の間にある。
途中の2階で中庭のほうの窓から、のっぽさんの
姿が見えた。
「しつれいしまーす」
放送室のドアをノックして開けると、ブリキ先生が放送用のヘッドホンをして、マイクに向かって
座っていた。きっと放送してみたかったのだろう。
「あ、海魚くん。放送どうだった?上手く言えてた?」
「お願いってなんですか?」
「大事なお話があるの。ここは放送するための部屋だから、隣の応接室に行こう。」
ブリキ先生も文化祭で何やるかで相談があるのだろうか。
応接室に入った。応接室は自習室にもなっていて、
長テーブルと椅子が沢山並んでいるだけで、ほかにはなにも置かれていない。必要な参考書は、持参するか2階の図書室から借りてこないと行けない。
壁にはスマホで遊ぶの禁止!
と書かれた張り紙が貼ってある。
「大事なお話って?」
「これから学校が休日で一週間お休みになるでしょ。校長先生のお話があるでしょ」
「うん」
「校長先生の代わりに私がお話することになったの。何を話せばいいかな。」
「えっ」
僕らは聞く立場だから、そんなこと聞かれても・・
「そんなこと聞かれても、って思うかもしれないけど、困ってるの」
いま、心の中を覗かれたようなきがしたが、
自分の反応で伝わったのだろう。
「まずは図書室で調べましょう。ここは自習室なので、なにもはじまらないです」
二階の図書室。
「どこを見ればいいの?」
「3分間スピーチとか、作文のかきかた、とかですね」
「ここかな」
小論文、とかかれた本棚のコーナーにきた。
「ここみたいですね。じゃあぼく授業があるので、
放課後にまた来ます」
「わかった。がんばってね」
今日も長い一日になりそうだ。
教室に戻ると、委員長が不機嫌な表情で僕を
向かえてくれた。先は長い。

「日野P、お昼の放送はじまるよー」
どうやら眠ってしまっていたようだ。
最近不思議な夢をよく見る。
あの、男の子。誰だろう?いつも私に声をかけてくる子。あと保健室の先生がうさぎになっていた。
私のことをなんとか先生と呼んでいた。
「はーい、それではお昼の放送を始めまーす」
気を取り直して、見慣れたヘッドホンをして、
何度も語りかけた校内放送のマイクではじめる。
「まずは皆さんからのお便りを三通呼んでみたいと思います。一通目。いちごだいすきさんから。」
「昨日の放課後、一階でお花を摘みに行ったとき、
廊下をあるものが歩いていました。日野ちゃんはなんだか分かりますか?」    
「なんでしょう?」
「なんと、アヒルが歩いてました!お餅に足が生えたようでした!二度見しましたがあれは間違いなくアヒルです!後をつけてみると中庭へ入っていきました!急いで中庭を見てみると、アヒルはいませんでした。日野ちゃんはどう思いますか?」
「うーん、誰かのペットが逃げ出した、とかかな?今頃飼い主さんのところに帰ったのでしょう」
「続いて、あぶらあげこんこんさんから」
「日野ちゃんこんにちわ。購買部で買った焼きそばパンを食べようと中庭側の窓際に寄りかかったら、焼きそばパンが手からなくなっていました。上を見上げると、信じられないかもしれませんが、キリンが
焼きそばパンをむしゃむしゃ食べていたのです。驚いて友達の方にいったら、何度話しても信じてもらえず、その場に戻るとキリンと焼きそばパンが煙のように消えて、何事もなかったかのようになりました。幽霊の中にはキリンも含まれるのでしょうか」
「えっ、なやむところそこ?そうねぇ、幽霊は人間だとこわいけど、動物だとかわいい!っておもっちゃって、怖くなくなるからあまり出てこないとおもうんだけどね、動物の幽霊も怖がらせるためにいるんじゃないからね、キリンの幽霊でもちゃんとおどろかせられると思うから、でてほしいな!って思うかしら。」
「本日最後のお便りとなりました。ケロケロお姉さんからです。」
「桜花ちゃん、いつも面白い放送ありがとう!
やったー褒められた!ここだけの話ですが、
学校の裏山の竹林にパンダが住んでいたら良いな、思い、パンダの着ぐるみを着ていってみたのですが、パンダは見つかりませんでした。残念。」
「もし本当にいたら、友達だと思って出てきてくれるかもしれないね!たまたま、洗濯物を取るの忘れて一度家に帰ったからパンダさんと会えなかったのかも。会いに行こうって、あそこには神社があるから、
そうおもって参拝にいくと、いつもよりワクワクが大きくなって、楽しくなりますね!次はきっと
パンダさんに会えますよ!」

「続いて、文化祭のコーナーです。年に一度の文化祭が近づいております。みなさん、準備ははかどっていますか?なんでも、今度の連休を全て活用して
制作するグループもあるとのことです。待ち遠しいですね。お化け屋敷、焼きそばの露天、映画の上映会などを予定しているそうですよ。わたくし放送部。
部長日野桜花、文化祭での特番校内放送を予定しております。楽しみにしていてくださいね。」

「最後に放送部のつぶやきをひとつ。道端に咲いている小さなピンクの花が咲いていますよね。
あの草花はヒメオドリコソウといいます。
かわいい名前です。ぜひ、下校のとき探してみて下さい。それでは、ひのおうかの、お昼の校内放送でした。」
ピンポンパンポーン
流行りの音楽が校内に流れる。
「さて、飲み物会にいきますか」
「日野P、今日の放送もたのしかったよ!」
「ありがとう!」
仲良し三人組がてをふってくれてる。
「飲み物何にしようかな。あっ」
しまった。一万円札しか入ってない。
がこーん!と隣の人が飲み物を買っている。
美味しそうだ。
「あの、飲みますか?」
私のほうにオレンジジュースを差し出す。
「な、ナンパ?」
「いや、さっきからじっとこちらのほうを見つめてくるんで。」
身体の大きなガタイの良い男子だ。左腕に緑色の
腕章を着けている。二人でラウンジのベンチに座る。
「ありがとうー!明日返すね!君クラスどこー?」
「C-3です。あ、君もしかして校内放送の?」
「そうだよ。よろしくね」
「保健係の活動の合間によく聞いてるよ。今の時間
けがする人が多いからね。」
「あれ?」
どうしてだろう。初めて会った人なのに、今まで何度も会っている気がする。
「なにか?」
「あの、前にどこかであったことありません?」

「まあ、保健係で何度も怪我した人をおんぶして運んだりしてるからね。何度かすれ違ったのでは?」
「たぶん、それね」
どうにも腑に落ちないけれど、きっとそうなのだろう。それにしても、背が高く、身体の大きい人だ。
「将来はお医者さんになりたくて、毎日が忙しいよ。それじゃまた。放送楽しみにしているよ。」
そういうと、保健係の男の子は去っていった。
しまった。名前を聞いていなかった。
「ねえ、あなたの名前は?」
急いで追いかけて聞く。僕の名前は、と続く。



「ブリキ先生、起きて下さい。」
「んん、海魚くんおはよう。忘れ物?」
「なにいってるんですか。もう放課後ですよ」
ちょくちょく様子を見に来るべきだった。
あのあとすぐにゼンマイが切れたようで、ずっと
眠っていたようだ。
「あー、もしかしてこれから?」
「うん」
小論文の本はたくさんあって、どこから手をつけたらいいのか分からない。
「困ったね。そうだ」
図書室の受付のカウンターにあるのーとパソコンへと向かう。
「ネットで動画サイトのスピーチを参考にしましょう。この人とかは閲覧数が多いみたいです。」
さっそく検索して、候補を見る。
「最初に挨拶をして、自己紹介をするといいみたいですね。そのあとに話したいことを一言で表して、思うところを言う?」
「思うところ?」
きょとんとして僕の方を見る。
「今回だと、連休についてどう思うかと、それを踏まえてどう過ごしてほしいか、ですね」
「うん」
「そのあと、何か1つ、例えば商店街で催し物があることなどを話して、話の広がりを演出して、何か
1つ豆知識を一言添えるといいみたいです?」
「まめちしき?」
「会話の糸口になります。思い返したとき、あえて一言にまとめたことを話しのおわりに言うと、それが思い出すきっかけ、記憶に残りやすくなります。
って動画で言ってます」
本当だろうか。僕もわかんないや。それっぽくなればいいか。
「じゃあさっそく原稿用紙に書いていきましょう。
僕は小論文の書き方の本を調べてきますね」
何で僕が校長先生の話を考えなければ行けないのだろう。こんなの読んだってわかるわけないじゃないか。少し不満を感じながらも、橋から本をとって読んでみる。難しい内容で、ぜんぜん頭に入らない。
頭が痛くなってきた。

難しく考えないほうがいいかも。
こう、単純に、連休でどこでかけるのー?とか。
商店街のお祭りでいっしょに遊びたいとか。
保健室の先生がいるからといって、学校のグラウンドで遊ぶの無茶しないでね、とか。
それとも、和歌や俳句を読んだほうがいいのだろうか。
これ、いいかも。
   『絵本で分かる作文のかきかた』
これにしよう。
「ブリキ先生、見つけてきましたよ、えっ。それは?」
「のっぽさんとだいふくくん」
大事な原稿用紙にクレヨンでお絵描きしていた。
「こっちがぴよぴよちゃんとじょうろくん」
得意げに言う。
僕は持ってきた参考書を棚に戻してきた。

色々と話し合った結果、なんとか完成してブリキ
先生が生き物係室に戻るのを見送り、昇降口の前に
出ると、あたりはすっかり暗くなっている。
保健室の先生がまた、白い小さなトラックを
用意して待っていてくれた。家まで送ってくれる
らしい。


「・・・ねえ、あの校長先生の話のところ・・・」
「うん、代理、日野先生の話ってなってる・・誰?」
体育館。連休前の終業式。がやがやとざわつく。
進行を書いた張り紙に不可解な点があるようだ。
「あ、出てきた。・・・」
「・・てんしくんと・・・一緒にいた先生?・・」
ブリキ先生、大丈夫かな。今日はそばにいずに、
みんなと同じようにパイプ椅子に座り、
壇上に上がるところを見守る。僕の方を
キョロキョロ、色んな人から見られてるのが
なんとなく分かる。
「はーい、みなさんこんにちわー」
右手を振ってみんなにあいさつ。
「明日から連休ですね。連休中にやってみたいこと、
やることをいくつかインタビューしてきました!」
がやがやと、型破りな進行にみんな戸惑う。
「まずは、菜園部の子。連休中も、ちょっと学校に様子見にくるって。保健室の先生が見てくれてるってことなんだけど、やっぱりきになるんですって。もしかしたら保健室の先生に会いたいのかもしれないわ」
くすくすと、何人か微笑む人がいた。
「つづいて、いつも学校のグラウンドで、
サッカーで遊んでる男の子たち。商店街での
イベントで、ビンゴ大会とラジコン大会があるそう。他にも連休中のイベントがたくさんあるから、みんな見に行ってね。」
「もうひとつ。これはここだけの話で聞いたんだけどね、裏山の神社にはきつねのかみさまが
住んでいます。あぶらあげをもっていくと喜んでくれるので、みんなも行ってみよう!」
「楽しいこと、いっぱい探してね。先生は連休中、
学校に隠れてる動物を探してみたいとおもいます」
なぜかツボにはまった人がたくさんいるみたいで、
笑いをこらえてる。
「こんな感じで、学校には動物たちが隠れています。みんなも探してみてね」
スケッチブックにキリンが描かれた絵と、
アヒルが描かれた絵、竹林の中にパンダが描かれた絵をみせる。面白い人だとみんなはおもうだろうけれど、全てあったことをそのまま言っているだけだと受け取るのは、たぶん僕だけだろう。
場が和み、無事終業式は成功した。

これでよかったのだろうか。ブリキ先生に、
あまり深く考えずに、直接インタビューして聞いたことをそのままいいましょう、と僕が進言したのだ。みんな快く答えてくれた。

みんなブリキ先生に注目している。
喜んでいいことだけれど、
自分の先生だったのがみんなの先生になったことで、
僕はこころなしか寂しい気持ちになったけれど、
悟られないように、ブリキ先生に声をかけにいった。


	文化祭に向けて

「ということで、おねがい海魚くん」
「さ、さすがにそれは両親が許さないと思いますよ・・・?」
連休初日。僕はしばらくブリキ先生と会えないと思い、生き物係室に、ゼンマイを巻いて挨拶に向かっていた。
「わかった。ご両親にお願いするわ。車の準備するから昇降口前でまっていてね」
どうしてそうなるんだろう。昇降口で待っていると、
ブリキ先生がカエルの車に乗ってやってきて、
僕の自宅に向かった。家庭訪問になっている。
ブリキ先生、よそ行きに着替えるって言ってたけど、
黒いロングソックス?と、黒いカーディガンっていうなにか?まるで、
ジャイアントパンダの印象を与える服装をしている。
「どうぞ、上がってください」
ブリキ先生を茶の間に連れて行く。
「かあさん、変わった先生だけれど、
おどろかないでね」
なにをいってるのだ?とくびをかしげて、
母はブリキ先生のところに向かう。
「あらあら、休日も仕事なんて、おつかれさまです」
ははがおじぎをする。
「こんにちは、海魚くんのお母様。今日はお願いしたいことがあってお邪魔しました」
「あら、なにかしら」
「生き物係の活動と、文化祭の催し物でなにやるかの大事なお話があるので、どうか連休中、学校で
合宿させてもらえないでしょうか」
いくらなんでも無茶だ。だめに決まってる。
「そんな、だいじょうぶですか?むりなさらずに」
「まず、早朝はお花にみずやりをして、歯磨き、
朝食、宿題をしてから、活動をして、夜はお風呂に入ります。お金は全て部費で賄うので大丈夫です」
商店街にあるお風呂屋さんのチケットを取り出して見せる。
「早寝早起き朝ごはんを基本に色々やって
いきます」
「まあ・・・」
おこっちゃっただろうか。
「きっと楽しい連休になるわね!どうか頑張ってください!」
母は満面の笑みを浮かべて、着替えなどを用意したかばんを僕に渡して、車に乗り込んだ僕らを見送りする。
「お母様、素敵なかたね」
大人の考えていることはよくわからない。

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