映画「マトリックス」を見た感想 俺たちは選ばれし者じゃない
マトリックスの訓練シーンとイナバウアー以外の思い出がなかったのでもう一回見直してみた。
そこで一番記憶に残ってるのが訓練シーンでもエージェントと戦う所でもなく、裏切ったちょび髭のおっさんのことだ。
彼は長年の闘争に疲労して裏切るわけだけれどあれは普通の私たちのことだと思った。
モーフィアスは救世主を探す定めがあり、ヒロインは自分の恋人が救世主だと予言者に言われている。だから過酷な現実に置かれても「正義」をなすために我慢できた。でも、なんでもない一般人のあのちょび髭おじさんは我慢できるだろうか?
物語的にはあのちょび髭おじさんは悪い人間だろう。でもおれはあのおっさんをそこまで非難することができない。あのおっさんは最初はいい人だったのだろう。でも普通の人間は何年も過酷な環境に耐えることができないのではないか?
あの裏切りは起こるべくして起きたのではないか?
それは私たちの生活の限界を示していると思っている。
どんな善良な人間でも長年過酷な環境にさらされるとダメな人間になる。それをマトリックスは示していると思う。