このゲームはほとんどできてないということに目を瞑ればほとんどできてる。
第3回です。第3回の記事投稿です。第3回目にして初めての進捗公開です。
といってもこのゲーム「Graveyard Shift」はほとんど未完成です。どのくらい未完成かというと、制作陣がその完成度を冷静に振り返ると吐き気を覚えるくらいです。
顔や筋肉はおろか、骨格さえまともにできていない人間のようなものです。神がアダムを作ろうとした際、途中で嫌気が差し、かろうじてできていた人型っぽいものを手近な木に全力で投げつけた後の土くれのようなものです。
とはいえ。
流石に形になっている部分もあります。そのひとつがタイトル画面です。
どうですか。なんかそれっぽいでしょう。少なくとも同人ゲームということを踏まえたらそこそこ期待できるっぽい見た目をしているんじゃないでしょうか。まあ、中身はともかく、ね……。
手抜きは発明の母
これはシナリオ担当のソォン君の制作です。シナリオ担当なのに絵が描けるということでオブジェクトの制作を任され、そしていざ制作を始めると必要なオブジェクトの多さに「なんだよこれぇ!」と叫んだソォン君の制作物です。
ちなみに中央のシルエットはふがく君が描いたイラストを元にしています。
何か創作をやってらっしゃる皆さんは「まあなんかできんだろ」、「これならできそう」、「とりあえずやってみるか」という軽いノリで物事を始め、そして後になってから「全然簡単じゃない」、「無理」、「こんなの不可能だろ」と思い知るという経験を誰もがしていると思います。僕らは今まさにその黒い夜の嵐の中にいます。
そんな中でも一部の先見の明を持った人間、もしくはすでにそういった経験をしてきた人間は「いや、これなるべく低コストでそれっぽく仕上げようよ」と考えるわけです。それは手抜きであると同時に発明の母であり、演出の母でもあるのです。さながら小島秀夫氏がゲーム容量の少なさのために「敵に見つからない」ゲームを作り、高畑勲氏が瞬きや瞳の揺らぎによって、ほぼ静止画である画面の中にキャラクターの情動や演出を持ち込んだように。
つまり何が言いたいかというと、このタイトル画面はそういう風にできているということです。いかにして手を抜くか、ということに重点を置いて作られています。いえ嘘です。お客様へのご奉仕、最大限のサービスを考えて作られています。嘘じゃないです。信じてください。
スクラムマヌルズ広報担当 マヌルネコのヌマル君