ステップバック 02.ぼいーず・ミーツ・ガール(01)
「ママ、ピーナッツクリームないんだけど??」
開けた冷蔵庫のドア越しに文句を投げつけると、眠そうな目でソファに埋もれているママが見返してくる。
「うちでピーナッツクリーム食べるのエイミしかいないよ。」
目が合ったまま数秒流れていき、
「ドア閉めてよ。電気がもったいない。」
「あ、ごめん。」
パタンと冷蔵庫のドアを閉めて、ママの隣にドサっと座る。
いつものように寝坊した私を置いといて、ママとパパは先に朝食をすました、はずだ。
パパは土曜日なのに仕事。デザインを担当している店の工事にトラブルがあるとかどうとか。まあ、それでなくてもいつも仕事が多くて忙しいから、一緒に過ごす時間は少ない。
そして、ソファの上で伸びているママはと言うと、3年前まではフリーランスの記者だったけど、今は見事なグータラ主婦。
沖縄に来てからは毎日キャミソルとホットパンツしか着ていない。今日も色違いの同じ服装で、だるそうな顔してエアコンの涼しい風に当たっている。
私と違って胸も大きいのに、体はスリムで、運動も特にしていないくせに腰のくびれがはっきりしていて、顔とか普通に綺麗なOLのお姉さんに見えて、肌も艶々で、うわ、まじでリスペクトなんですけど!!
と、今はそういうことで気を取られる時ではない。
「ねぇ、買い物しに行こう。ピーナッツクリーム食べたい。」
ママはあくびをしながら腕を頭の上に伸ばした。
「ふぁぁぁ…そうだね。車のガソリンも入れとかないといけないし。町まで降りてみようか。」
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