7月31日のコラム：誰得！プリンス「Welcome 2 America」全曲解説！！！１

7月30日のコラム：『Bowl-7』発売記念！制作小話【期間限定無料公開】

どうもMuu Doggです。

明日はプリンスの新アルバム「Welcome 2 America」の発売日です。
https://www.youtube.com/watch?v=PzUQss9cE8Y

かなり前から予約していたので今朝フラゲで届きました。

プリンスは数千曲におよぶ未発表音源があり、
没後５年が経った今なお、毎年何十曲、何百曲と新譜が出続けています。

プリンス原理主義者としては、この本人の意思に背いたレコード会社の儲け方には辟易していますが「悔しいけど買っちゃう……」という状況が５年間続いています。

パッケージもコストがかかっているし、曲もしっかりリマスタリングされていて現代のいい音で聴けるという欲求には勝てないです。

まあ、CDを取り込む作業がめんどうなので、結局サブスクで聴いちゃうんですが。

さて、昨日は無事に『Bowl-7』発売いたしました。
https://laplacian.booth.pm/items/3157199

歌唱は「白昼夢の青写真」でお馴染みyukiさん。
かなり凝ったアレンジなので、歌いづらいかな？と最初心配していましたが、杞憂でした。
ボーカルのリズムへのアプローチはディレクションでも限界があって、本人の持つセンスなので、このスウィングしたテンポ感に走ることもせずにちゃんとゆったりと乗ってくれるのは、さすがと言えます。

作詞はご存じ緒乃ワサビ。
今だったら滅多にないことですが、実は元曲の「Star Rain」の作詞は彼じゃないんですよね。
なので元曲はいい意味でも悪い意味でもスタンダードな恋愛の歌詞という趣がありましたが、今回の歌詞は成長した時雨のストーリーを的確になぞっていたと思います。

キーボードはかしこ。
Keyscapeというピアノやエレピの決定版的なソフト音源がありまして、それを駆使して僕の意図した年代の楽器の音作りを徹底してくれています。
間奏のソロも抜群にクールです。

ベースは山ちゃん。
とにかく"もたった"ベースにして、とお願いしました。
彼が最近使っているFenderの７７年製のPJベースが笑ってしまうくらい良い音で、わざわざ特別な加工をしなくても主張がとにかく強いです。

作編曲とギターはMuu Dogg。
使用ギターは愛機「Madd Catt」
今回はワウペダルをBuddaとColorsoundの２種類使い分けています。

この曲のリアレンジは長年やりたくて、プランは自分の中で常に練っていましたが、

２０００年前後のD’Angeloが生み出したネオソウルというジャンルに落とし込むという方向性が固まったところから作業が一気に動きだしました。
https://www.youtube.com/watch?v=SMuMMhfHaNw

各楽器の演奏のイメージとしては、ギターがIsaiah Sharkey、キーボードがJames Poyser、ベースがPino Palladino、ドラムがQuestloveやChris Daveあたりが演奏しているようなものを目指しました。マニアックでキモいです。
最近どんどん表に出ないマニアックさが行き過ぎてきましたが、自分の中でこれが正しい進化なのだと確信めいたものが生まれてきました。
ドラムの打ち込みフィルなどにもヒップホップの有名なサンプリングフレーズを何か所かでこっそりまぜたりしています。

ネオソウルというジャンルは今でこそ日本でも知られつつありますが、間違いなく変なジャンルです。
最近だと藤井風が「何なんｗ」という楽曲でネオソウルをポップスに落とし込んでいました。
https://www.youtube.com/watch?v=Nt6ZwuVzOS4

こういう音楽が日本で広まってくれるのは嬉しいですね。
僕のこだわりもあくまで内的なもので、購入して聴いてくれる方には真っさらな感覚で自分が感じたままに捉えてほしいという気持ちが強いです。
アレンジのこだわりが強くなればなるほど、世に出てからの見られ方に対して、どう受け取られてもそれがこの曲の正直な姿なんだなと思うようになりました。
購入してくださった方はぜひ楽しんでくれたら嬉しいです。

今日はこの辺で。

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