投稿記事

幻夢郷 2023/04/19 17:20

箱庭の貴王姫ゲーム制作中止と今後につきまして

お久しぶりの投稿失礼いたします。
長らく水面下のみの活動で申し訳ありません。

タイトルに書かせていただきました箱庭の貴王姫ゲーム制作中止と今後につきましてのお知らせです。
今後につきましては大変申し訳ありませんが、諸事情によりゲーム版の制作が継続不可能になり制作中止となりました。長らくお待ちいただいた皆様には大変申し訳ないご報告となってしまい誠にすみません。
現在公開中の体験版につきましては、4月末で撤収させていただきます。
制作に関わっていただいた皆様には本当に感謝いたします。
また体験版をプレイしてくださった皆様本当にありがとうございました!

作品自体につきましては今後、カクヨムにて小説版として連載いたします。
媒体は変わりますが、小説にてすべてのエピソードを公開し完結させますのでもしよろしければそちらでお楽しみいただけますと幸いです。
一話目を公開いたしました。
シナリオから小説の文体に直しての掲載となりますためひとまずは月一1話掲載ペースの予定です。
共通ルート全て掲載後は、三冴→烏月→狛→灯黎→七瀬の順番で各エピソード公開いたします。

この度は残念なご報告となり誠に申し訳ありません。
新たな媒体での彼らをお楽しみいただけましたら幸いです。


幻夢郷 紅藤あらん

幻夢郷 2022/01/02 10:51

【箱庭の貴王姫SS】雪の日に

あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

昨年全く投稿していない事実に震えております……。
今年はゲーム制作を表向きでもどんどん進めたいと思っております。
またせめてSSなどは定期的に発信して行けたらと。
(設定やコラム的なのを書くのよりSS書く方が得意なので……)
シナリオは灯黎・三冴・狛・烏月ルートは初稿が完成し、残り七瀬ルートのクライマックスのみとなっています。
お届けできるよう頑張りますのでどうぞよろしくお願いします!


下記は書き下ろしのSSになります。



【雪の日に】


 眼前に広がる空間は寒々しいものだったが、それをかき消す若者達の声が響いていた。
 その声を聞きながら、三冴は縁側で佇み微笑む。一夜にして真白くなった庭では璃朱をはじめ、自分より年下の者達が雪遊びに勤しんでいた。
「三冴は入らないのですか?」
 盆に茶菓子をのせた烏月が背後から声を掛ける。
「寒いのはちょっと苦手かな?」
「それは意外といいますか……なんといいますか。貴方であれば姫様の隣は自分であるとばかりに乱入するものだとばかりに……」
「そんなに自己主張激しくないよ。あ、でも、姫ちゃんに手を出す奴が現れたら即座に殴りかかる準備はできているかな」
 指先を動かして不穏な音を鳴らす。殺意を向けられていることに彼らは気づかす、璃朱の周りで笑顔を浮かべていた。
「それにしても烏月こそみんなに声かけないの?」
 盆には茶菓子の他、急須も置いてあった。その中の茶は淹れたてで身体の芯から温まるものだろう。珍しい雪に興奮している彼らを温めるためにわざわざ準備したのに、早く声を掛けないと冷めてしまう。
「楽しそうな空気をもう少し見ていたいと思いまして……」
 烏月は頬を掻きながら、三冴の隣に腰掛ける。慣れた手つきで湯飲みに注ぎ、自然な流れで三冴に差し出した。
「ありがとう」
 口に含むと流石料理番をしているだけはある。茶だけで美味しいと思えるのは、彼が本物の腕前を持っている証明でもあった。
「いいねぇ、こんな穏やかな日最高だね」
 酒を呑んでいるかのように酔いしれて呟けば、烏月は目を細くして頷いた。
「でもほんと……雪って冷たいね」
「気温が下がっておりますからな」
「うーん、そうなんだけど。なんか風景的にも感傷に浸りたくならない?」
 外では璃朱が何かを作り始めたのか、黙々と手を動かす。皆が真剣に彼女の手元を覗いていた。
「雪が人を攫いそうに感じる時ない?」
「雪の降る静寂な夜に誰かがふらっといなくなるようなものですかな?」
「それもあるね。でも俺が想像しているのは真昼の、今みたいな白一色の風景かな」
 まぁ、この風景にはいろんな色があって華やかけどね、と付け足してから、一人に目線を注ぐ。彼は雪の中、保護色になりそうな色を纏い、面白いのか面白くないのか判別できない表情で、璃朱から少し離れた場所で佇んでいた。
「雪が舞い上がって、その白の中に溶けて消えてしまいそうって思うんだよね」
「いつから思っておりましたかな」
 烏月も三冴の目線に気づいてその者を見つめる。
「なんとなく今思っただけ。でも灯黎は雪の中に一番消えていきそう」
 どことなく一線をつくり、彼自身が寒々しい雰囲気を醸し出している。それはまるで静かな雪の日を彷彿させた。
「姫ちゃんは雪を溶かしそうだなぁ」
「そうですな。姫様は暖かい人ですから」
 作業しているものができて、璃朱は両手にそれを乗せて笑顔で掲げた。それは丸い雪兎だった。七瀬がどこから見つけてきたのか紅い木の実を差し出して、狛はそれにむくれた。
「狛、可哀想。七瀬に得点稼がれてる」
「そういう意図はないと思いますが……」
「意図はなくてもなんかここぞって時に持って行くよね」
 ちょっとずるいよなぁの言葉は口の中に転がして、三冴は目を細める。華やかな赤は雪の中でしっかりと存在を示していた。
(でも七瀬のは灼けるような熱を持っていない……)
 刺激を与えれば、消え入ってしまうかのよう。彼ももしかしたら雪の中では弱いのかもしれない。
 烏月が言ったように、静寂な雪の夜に消えてしまう、そんな想像を掻き立てた。
「みんな案外脆いのかもね……」
 心の中に留めておくつもりだった言の葉は口についた。
 それは烏月にもしっかり届き、彼は三冴の顔を覗き込んだ。
「そうでしょうか? 私はそうかもしれませんが狛や三冴は芯を持っていると思いますが」
「どうだろうね。……でも、狛や俺……それに烏月は消えないか」
「どうしてそう思うのですか?」
「うん。消えているのなら俺達はこんなことになってないよね」
 三冴は伸びをして遊んでいる彼らではなく、澄み切った空を仰ぐ。そこには鳥一匹すら飛んでおらず、ただただ青い空間が広がっていた。
「姫ちゃんは……」
 紡ぐ横顔を烏月は黙って見つめる。
「暖かいからきっと春だよね。存在も春だけど、きっと攫われてしまうのも春だろうね」
 気温が上がって、ここの白が全部溶けて、そしたら花が咲く。三冴の脳裏には桃色の花弁が儚く散っている。その中で佇む璃朱は円満な笑みを浮かべて佇んでいた。
 やがて彼女の周りに花弁とは違う淡い光が散った。三冴のさざ波立つ心を現すかのように強風が吹き、花弁も光も彼女もその場から消えてなくなった。
「……この話はやめにしましょうか」
 物思いに耽っていた三冴に入れ直した茶を烏月は差し出す。その水面に映った覇気のない顔に何故だか笑いが込み上げてきた。
 空想なのに。
「姫様はきっと誰よりも消えませんよ」
「話はやめようと言っていなかった?」
「最後だけ、言わせてください」
 促す代わりに渡された茶を一口含む。温くなった茶は自分のようだと三冴はぼんやりと思いながら、烏月の言葉に耳を傾けた。
「きっと姫様は日だまりそのものです。そこにあって私達を温めてくれる、穏やかにさせてくれる存在です」
 璃朱が振り返る。喋っている2人に手を振った。
「日だまりは攫えないでしょ」
 どの季節であろうが存在している。陰って雨が降ってもやがては顔を覗かせて、その暖かさを遺憾なく発揮させる。
「そうだね。あんたって詩的なことも言えたんだね」
「思ったことを口にしたまでですよ。それに私は武道は得意ではありませんから、そんなことも言ったとしても違和感はないでしょう?」
「確かに? でも七瀬とかが言ったら笑っていたかも……まぁあいつの武術は俺よりも下だけど」
 三冴はおもむろに雪を掬い上げ、片手で握り込んだ。それを思いっきり振りかぶり投げる。
 歪な雪玉ながら真っ直ぐ飛んだそれは灯黎に襲いかかったが、彼は気配だけで軽く避け……その先にいた七瀬にぶつかった。
「冷っ……! 灯黎!」
「……あっち」
 灯黎は親指だけで犯人を指差す。当の本人は舌を出して、ごめんねと可愛くおどけて見せた。
「……茶、入れ直しましょうか」
 烏月が立ち上がると同時に縁側周辺まで巻き込んだ雪合戦が始まったのは云うまでもなく、帰ってきた彼はその惨状に説教を始めるのであった。

幻夢郷 2020/09/26 11:31

【オンラインイベント】自作ゲームオンリー(体験版)に参加します。(個人のプチ企画あり)

本日26日13:00から自作ゲームオンリー(体験版)に参加します。
どなたでも無料に参加できますのでお気軽にお越しください。
(※ピクトスクエアの会員登録が必要です)
自作ゲームオンリー(体験版)

三冴のいる場所が幻夢郷のスペースです。
貴王姫の世界観を表現した外観をしております。
(素材はお借りしました)

素敵なオリジナルゲーム制作サークル様がいっぱいいらっしゃるので、隅々まで見るのお勧めします!

幻夢郷の新作はございませんが、スペース内に設置した書き込みボードに
『○○の未公開シーン読ませて!』
と書くと、まだ公開されていないシナリオがほんの少し読める企画を開催します。
○○には璃朱・七瀬・灯黎・三冴・狛・烏月のお好きなキャラを記入ください。

※シナリオは制作中のため本編で変更になる場合もございます。
名前の書かれているキャラが登場している場面をピックアップしますので、そのキャラのルートではない場合もございます。

当日紅藤あらんもおりますので、お気軽にお声がけください。
反応がない場合執筆していて気づいていない可能性があります
不在の場合には@で宣伝台詞を固定しています。

幻夢郷 2020/05/03 17:46

エアイベント参加・期間限定通販のお知らせ

5月2日~17日までのエアイベント開催期間限定で、過去に頒布しましたGRIMOplus様とのコラボ作品トレジャーディスク2019の通販をいたします。
配布先はGRIMOplus様のBOOTHになります。

トレジャーディスクに収録されています箱庭の貴王姫体験版とボイドラは、こちらの内容と同じものになります。
コラボ先の作品の関係上R18作品扱いとなっておりますので、できないなどの方は貴王姫単体ver.をDLください。
(貴王姫は健全です!)

BLゲーム、イケメンが大変な目に遭うなどが好きな方にお勧めです!
(ななでれらはグリモさんのネタが出てくるので、一緒に楽しむがいいと思います)

幻夢郷 2020/04/06 21:10

箱庭の貴王姫童話絵巻~とぅらゆきひめ~

コミックマーケット97、コミティア131で無料配布した童話パロ『箱庭の貴王姫~とぅらゆきひめ~』をWeb公開します。
おまけとして後日談(?)を追加しました。

本文  ・紅藤あらん
イラスト・やま茶花

フォロワー以上限定無料

無料プラン限定特典を受け取ることができます

無料

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