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イルシオンの記事 (21)

Illusion-イルシオン- 2020/07/13 07:39

M3秋についてのお知らせ

おはようございます
Illusion-イルシオン-楽団長
Mel_Liolyです



此度のM3秋ですが、Melの体調やスケジュールなどを踏まえたうえで、
Illusion-イルシオン-は参加を見送ります。


もしかしたらWebで出展するかな?

と思っていらっしゃった方がいらしたら申し訳ありません。
春のM3は出られるように調整しておりますので、
また新しい幻想を思い浮かべながら少々お待ちくださいませ。


頑張りますよー!


Mel_Lioly

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Illusion-イルシオン- 2020/07/08 01:47

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Illusion-イルシオン- 2020/06/21 01:53

桜晨-Oushin-

インスト久しぶりに書いてみたので、よろしければ配信のBGMやなんやで流してください(*・ω・)

ライセンスはMel_Liolyですが、なんかに使いたい際は、コメントにでもご連絡下さい。
(配信のBGMに使用する際は、事後報告でも大丈夫です)


ということで、
見事にBGMなBGMをどうぞ

桜晨-Oushin-

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Illusion-イルシオン- 2020/04/14 02:19

Annaの日記(小話) Farewellに至る幻想の断片

Annaの日記


あと7日
私とクララが永遠にお別れするまでの7日間を、クララのために書いておこうと思う。
選別の儀式のずっと前から、私が生贄になろうと思っていたんだよ。
だってクララは泣き虫だから。
お姉ちゃんの私が代わりに苦しいのは引き受けるね。


あと6日
この村の人たちを恨まないでね。
私のことを追いかけないでね。
私はクララに笑っていて欲しいから。
クララは優しいからすぐに泣いちゃうんだよね...綺麗な心を忘れないでね。


あと5日
今日はクララと一緒に寝る。
あの日からずっと大人たちに儀式をやめてって言ってまわって疲れちゃったんだね。
この日記を書き始める前に、まだ涙で顔を濡らしたまま先に寝ちゃった。
心配かけてごめんね。
私は...怖くないって言ったら嘘になるけど、クララを守れるなら後悔なんかしないよ。
大切なたった一人の私の片割れだもん。


あと4日
儀式の準備が告別の教会で始まった。
この儀式は双子の私たちのどちらかが悪魔が人の姿になったもので、もう一人はその悪魔を抑える天使が人の姿になったものだから、悪魔を殺して天使に村を守ってもらうものなんだって。
私たちのどちらかが悪魔なら、きっと私だと思うんだ。
クララみたいに優しい涙はあんまり流せないから。


あと3日
儀式の日までクララとはお別れ。
儀式の日には最後のお別れ。
檻の中は狭くて冷たいな...
大人たちが一つだけお願いを叶えてくれるって言ったから、この日記は持ってこれたよ。
ちゃんとクララに届けてもらえるといいな。
この日から私たちはお揃いの青い服を着るんだよね。
最後にお揃いの服が着られてちょっと嬉しいな。

あと2日
ねぇ、クララは覚えてる?
小川で遊んだ日、森の中を冒険した日、旅の人に楽譜っていうものの読み方を教わった日...
ずっときらきらした世界で私たちは生きてきたんだね。
生まれた時からずっと一緒だったから、私も最後まで一緒だと思ってたんだ。
でも、本当は違ったんだね...とっても残念だけど、仕方ないことだと思うんだ。
もっと未来に生まれるか、弊習のない村に生まれたらこの願いも叶ったのかな?
弱音を吐いちゃってごめんね。
私は遠くからクララを見守るつもりだよ。

あと1日
この日記もこれでおしまい。
儀式は私を十字にした大きな祈りの祭壇にはりつけて、上から下から...青い服が紫になるように私の血で染めあげて悪魔に死を、天使に生を与えるんだって...
クララに私から最後のお願い。最後のわがままを聞いてもらってもいいかな?
私の分まで幸せに生きて欲しいんだ。
私の時間は13歳の誕生日、明日で終わっちゃうから、いつかまた無垢の彼方で会えたときにどれぐらい幸せで楽しくていい時間を過ごせたか教えて。
私の願いは最初から最後まで、クララが笑いながら幸せに生きていくことだから...
辛かったら私のことなんか忘れてね。
クララ、貴女は貴女だけの未来を生きて。
お別れだよ愛しい...クララ、さようなら。




ー彼女の死とともに焼却された日記
最後の願いは妹に届かぬまま...
妹は選び、苦しみ、同じ過ちを繰り返すこととなる...ー

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Illusion-イルシオン- 2020/03/27 13:14

ー皐月に彩なす蒼の薔薇ー(小話)

私の悪い癖。薔薇の色に、相手への想いを乗せてしまう悪い癖。
色にその人の印象を乗せてしまう、悪い癖。
わからないならそれでいい。わかる人には伝わってしまう。
言の葉を使わないで、たとえを伝える花の詩。


ー皐月に彩なす蒼の薔薇ー


「〜♫」
私の朝はそんなに早くない。ただ、そのかわりに起きてからの行動は早い。
今日は前々から育てている薔薇の……植木?畑?のお手入れをしようと思って、昨日の夜に用意した装備をきっちり着込んで、品種が揃っていない薔薇の庭にいる。

「あ!この子もう咲いてる!早い……」

薔薇の庭と言っても、まだ発展途上。
新苗を植え付けてかあまり時間も経っていないので、そんなに大きな木はない。
低身長の私には、大きい薔薇の木の手入れは難しいから、小さな苗から始めたのだ。
細かに見ていなかったので気づかなかったが、年に一輪しか咲かせない方がいい品種が、小さく透き通るようで、自然光だけでもその名にふさわしい神性を帯びた花を咲かせている。

「ありゃりゃ、この子は秋に大きいの咲かせたかったけど、失敗しちゃった」

仕方なし。そっと手を添え香りを楽しむ。
清廉とした涼しい香りに、寄り添うような仄かな甘み。
小さくても誇らしく佇む彼女は、とても愛らしい。
そんな蒼い薔薇にハサミを入れ、切り口に水循環の魔術を施す。
手入れも終わったので、そろそろ部屋に戻ろうか。
道具を近くの箱にしまい、外の水道で汚れを落としてから、彼女をふわふわ横に浮かべながら洋館の中に戻った。


「あ、お母さんおはよう!」
「おはようイルス。今日は私よりお寝坊さんだね?」
「あはは……師匠の出した課題やってたら夜中になっちゃって、寝るの遅くなっちゃったの」
「あららぁ……リオさん厳しいものね。どんな課題だったの?」
「ルーン魔術だよ……お母さんわかる?」
「そうねぇ、苦手!」

我が子とそんな会話をしながら、食堂にでもこの子を飾ろうかと廊下を歩く。
彼が出す課題が難しいのはいつものこと。不自由していた時代の名残りなのだろうね。
技がうまくできなかった彼は、生き字引になるように、あらゆる種類の魔術に手を出しその知識をものした。
そしてその後、あることをきっかけに「それまで蓄えておいた知識」を全て行使できるようになってしまったのだから、魔術の界隈では……ちょっと笑ってしまうぐらい強い。
相変わらず剣術は凡才だけれどね。

イルスとの会話の最中、そんなことを考えつつ食堂に着く。
私の手はふさがっていなかったけれど、イルスが扉を開けてくれた。
あいも変わらず優しい子、頭を撫でると嬉しそうにふふっと声を漏らす。
さて、どこに飾ろうか。そう思い食堂を見回すと、私の頭の中で噂の彼がいた。
何かを炒めているのか、おいそうな音と香りが漂っている。お腹すいたな。

「そうだ、折角蒼い薔薇だし、リオさんの席のところに飾ろう」

通称青薔薇の魔術師の席に蒼い薔薇を飾るのって、見た目意味そのままだけれど、ネームプレートみたいで面白いかな?
知識が「神の祝福」なあなたに向けて。そんな意味でイルスに小さな花瓶を出してもらい、一輪の花をいける。
どんな反応するのかな?彼もそこそこ……私が口にした分は花言葉に詳しいと思うから、ちょっと楽しみなのです。

「お母さん、これどういう意味なの?」
「んー?イルス知らないの?これはね……」

イルスから見たらニコニコして見えるだろうな。私は「いい意味」でその花を飾ったつもり。
私がそこに飾った意味も伝えたら、ほこーっとした笑顔を浮かべている。可愛いから、ほっぺをむにむにしてみた。
そこに、3人分の炒めたご飯を持ってきたリオさんがきた。

「リリィ、イルス、おはよう。朝ごはん……え」

うっすら笑いながら、上機嫌で話しかけてきた彼がなぜか、突然硬直する。視線を一点に向けたまま。
何してるんだろうと思い、視線の先を追うと、蒼い薔薇の一輪挿しがある。さっき私が置いた一輪。
「あなただけ、奇跡」そんな感じのニュアンスで置いた蒼い薔薇を見て、彼は炒めたご飯を落としかけた。

「わっ!?」

咄嗟に、指差しで落としそうになった食器を浮かせる。
どうしたのだろう、そう思い今一度彼の顔を見ると、血の気がひいている。

「え!?どうしたのリオさん!?」
「……そうか、この世界の終焉か……短いようで長い人生だったと思う。それでも愛してるよリリィ……」

ぶっ壊れた夫をみて混乱する。とりあえず、次に何をいうかよくわからないので、そっとイルスの耳を両手で塞ぐ。

「?お母さんどうしたの?師匠?なにしてるの?」
「耳ちょっと塞ぐね、リオさんなんかおかしいから。で、どうしたのかなー?おーいリオさん?」

絶句状態、顔色真っ青。
本当にどうしたのだろうか?一輪の蒼い薔薇が飾られた自分の席をみて、固まっている……
あ。

「『あなただけ、無理』……リリィ、俺何かしたっけ?」

しまった。この人、結構思考回路が負の思考だった。
たまに異様に考えが暗くなるのがこの人の悪い癖。大体そういう日は寝不足の日。
ん〜。どんな解釈よそれ……ツッコミ要員よきたれ……
とりあえず誤解を解かないと、何をするかわからない顔してるなぁ。
不意に食堂の扉が開く。
そして、そこに突然現れる。
数秒前に欲しいなって思ったツッコミ要員のレイくんが、炒めたご飯の香りが気になったのかやってきた。

「おはようございます。何かいい香りがするのですが、何の香り……もとい、どう言った状況ですか?」

宙に浮かぶ3人前の炒めたご飯。イルスの耳を押さえる私。血色最悪なリオさん。
本当にどういう状況だろうね。私が聞きたい。

「おはようレイくん。あのね」
「今日で世界は終わるんだ」
「リオさんちょっと静かにしようね?」

「あの、本当にどういう状況なのでしょうか……」

一歩後退り、消え入るような声でもう一度尋ねるレイくんは、強い子だと思う。
普通にみてこの状況は、混沌としているのですもの。
さてさて、解釈違いを起こした彼に説明を……

「リオさん復習」
「今更何か復習することある……?」

完全に哀しみに暮れた眼で私の方を見る彼。
確実に寝不足顔で、思考は負に傾きやすい状態の彼。
そういう時ほどなぜか愛おしくなる、何かが抜けている彼に告げる。

「これ、『あなただけ、奇跡』。貴方だけが私の奇跡」

少し笑い出しそうになるのを抑えながら、テーブルの上の蒼について解説をする。
それを聞いて、一瞬固まったあと、彼は血色が良くなった。
というか、真っ赤だ。

「あ……だよな。はい」

そうぼそっとつぶやくと、浮いたままだったご飯を手に持ち、こちらに近寄ってくる。
さっと各々の席に朝ごはんを置くと、自分の席につき、顔を押さえている。
途中参加だったレイくんは、疑問符を頭に浮かべるように、

「あの、結局どういうことですか?」

ことの顛末を求めるので、イルスの耳を押さえるのをやめ、自分の口を少し隠しながらレイくんとイルスに説明をしてあげた。

「ああ……そういうことですか」
「師匠、いつも僕には冷静に解読しろっていうのに」
「ねー。リオさん、早とちりだよー」

私は彼の背中にくっつきながらけたけたと笑い、からかう。
相変わらず顔を覆ったままの彼の心拍数は、異様に早かった。怖かったのか恥ずかしかったのか。
とりあえず、

「私は貴方の世界ですよー。終わりなんてしませんよー」

そう、彼の左耳に囁きかけると、彼の右手で顔をフニっと掴まれてしまった。

「……根暗で悪かったな」
「私がそんな意味で花を飾るわけないでしょうに。あとおててやーめーて!」
「いーやーだっ」

初めて彼に会った時みたいな気分になって、お互いをからかい合う。
こういう日常が私は、大好き。

「朝起きていい香りがして、食堂に来て見せられるのが惚気。イルス、慣れてますか?」
「慣れてるよ〜?だって、師匠とお母さんだよ?」
「……あっ、はい」
「あ、レイくんのご飯取ってくるね!一人分たりてないよ師匠……」
「私も行きます。ここの空気は……甘すぎる!」

肩をすくめながらキッチンに向かうイルスとレイくんを尻目に、私はこの状況を楽しんでいる。
蒼……もとい、青い薔薇のキミに。そんな残酷なことを私は言わないよ。



これが私の悪い癖。薔薇の色に、相手への想いを乗せてしまう悪い癖。
色にその人の印象を乗せてしまう、悪い癖。
わからないならそれでいい。わかる人には伝わってしまう。
言の葉を使わないで、たとえを伝える花の詩。

伝える相手の解釈の癖には、注意をしましょう。
それだけのお話。

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